作品講評-審査を終えて- 全体講評 浦和駅東口駅前地区第二種

作品講評-審査を終えて-
選考委員長
高橋儀平氏
(東洋大学
ライフデザイン学部人間環境デザイン学科教授)
経歴:
1972 年東洋大学工学部建築学科卒業。
卒業後、助手、講師、助教授、教授を経て現職
専門領域:
建築・地域計画・まちづくり
福祉施設計画、福祉のまちづくり、
バリアフリー、ユニバーサルデザイン
全体講評
第 4 回の応募作品・活動は全体で新築部門 9 件、改修部門 2 件、活動・アイディア部門2件とやや
低調でした。しかしながら応募された各作品・活動を見るとつぶぞろいであり、いずれも優れたもの
です。
この中から審査員の推薦により現地審査作品・活動事例を絞り込み、審査員全員の合意により以
下のような優秀賞作品・活動を決定しました。
浦和駅東口駅前地区第二種市街地再開発事業特定施設建築物
浦和駅東口駅前地区第二種市街地再開発事業特定施設建築物は、長年市民が望んできた浦和
駅東口再開発事業のキー施設として建設されたもので、商業施設の先端の技術とデザインを随
所に垣間見ることができます。
ファサードはシンプルで軽快であり、人にやさしい視点では全体としてわかりやすい動線計画と的
確なカラースキーム、ピクト(絵文字)等によるサイン計画が評価できます。とくに公共施設ゾーンが
ある上階ではユニバーサルデザインの考え方に基づいたインテリアデザインが随所に見られま
す。
また、シネマ客席はゆったりとした幅員を持つ一般席、客席通路の中央に位置する可動性のある
柔軟な車いす使用者用客席の配置は素晴らしいものです。
美容室Zara(ザラ)
美容室Zara(ザラ)は、田園風景豊かな滑川町に立地し、延べ面積 124 平方メートルと小規模建
築物でありながら、福祉のまちづくり条例の整備基準に丁寧に対応して設計を進めた好例です。
本作品は、生活に身近な小規模店舗のバリアフリー化が叫ばれている中で、可能な限り多くの人
が利用できるという基本的考え方に立脚して、設計者と事業主が「人にやさしい」考え方を十分に
共有していると評価しました。
こうした小規模事例が県内各地に広がることを期待します。
共生型多機能センターあすみーる
共生型多機能センターあすみーるは、近年全国的に急速に展開されている地域、地区対応の高
齢者、児童、障害者の複合型小規模利用施設です。
この種の施設の場合どうしても、小規模から中規模の様相を呈しますが、小さな開放型テラスを囲
み、それぞれの機能を基本としながら、施設全体として大変アットホームな雰囲気を醸し出してい
ます。
保育所跡地を効果的に活用し、「ともに生きる社会」の推進を目指して、利用者と職員が一体とな
ってさらなる地域活動の展開を予測させます。