Case2 光過敏、音過敏で生活に支障を来している 35 歳 女性 20 歳頃

Case2
光過敏、音過敏で生活に支障を来している 35 歳
女性
20 歳頃から慢性的に毎日頭痛があり、月 2 回位ロキソニンを飲んでいました。今年 6
月末から、肩こりと首のこりが始まりました。パソコンを使用すると頭痛、手のシビレ、
まぶたの痙攣、酔ったような感じがして、その後フラフラめまい、ぐらぐらめまい、頭
痛がするようになり、その症状を繰り返すようになりました。6 月耳鼻科を受診したと
ころ、疲れでしょうと言われ、漢方薬とメリスロンを処方されましたが、飲んでもめま
いはよくなりませんでした。7 月になり、日常的にふらふら、ぐらぐらするめまいがす
るようになりました。8 月初めから、頭痛が悪化し、光に対する刺激を強く感じるよう
になりました。眼科を受診し、MRI 検査を受けても異常はなく、セファドールをめまい
の頓服薬として飲むようにしたら、めまいと頭痛は軽減されました。9 月になり、頭痛
は少し軽くなりましたが、光・音過敏が強いため、神経内科を受診、片頭痛と診断され、
ミグシス 5 ㎎ 1 錠を飲み始めたところ、頭痛は軽減しましたが、めまいは相変わらずで
した。脳外科を受診してみたところ、光過敏タイプの片頭痛と診断され、デパケン R200
㎎ 1 錠、トリプタノール 10 ㎎ 1 錠、マクサルト 10 ㎎を処方されました。その後、マク
サルトを止め、プロプラノール 10 ㎎ 2 錠朝夕、デパケン R200 ㎎ 1 錠を 2 錠に、トリ
ノシン 100 ㎎の処方を受けました。今も頭痛、めまいはありますが、片頭痛の治療をし
始め、以前に比べ少しは良くなっています。しかし、光・音過敏がひどく、TV や PC の
活字を見ることができず、目が明けられない状態で日常生活にも支障が出ています。外
出もできず、10 月から休職中です。光過敏と目の症状を何とかしたいです。不眠があり、
眠れないときはデパスを飲んでいます。
大田こうすけ
光過敏タイプの片頭痛で間違いありません。デパケン、トリプタノール、プロプラノ
ール、マクサルトなどの抗片頭痛薬処方は間違っていません。不眠の時にデパスを飲ま
れることに支障はありません。一番困っておられる光過敏、音過敏は、片頭痛に特有の
症状です。光過敏は脳の後頭葉、音過敏は脳の側頭葉の興奮です。なかには、臭い過敏
まである人もいます。これらの症状に対しては、抗てんかん薬であるデパケンの他に、
他の抗てんかん薬を併用し、脳過敏症として治療する必要があります。抗てんかん薬を
使うからといって、てんかんではありません。実際に、色々な周波数での点滅刺激によ
る脳波検査があれば、より診断がしやすいです。