悪性リンパ腫 1.UICC(第 6 版) 悪性リンパ腫では T 分類-原発腫瘍、N 分類-所属リンパ節、M 分類-遠隔転移は用いない。 臨床病期(cS) Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期 ただ1つのリンパ節領域の侵襲をⅠとし、ただ1つのリンパ節外臓器あるいは部位の限局 性侵襲をⅠE とする。 横隔膜の上下いずれか一側における 2 領域以上のリンパ節侵襲をⅡとし,ただ 1 つのリン パ節外臓器あるいは部位の限局性侵襲と,その領域リンパ節侵襲があれば,それらと横隔 膜に対して同一側にある他のリンパ節領域の侵襲はあってもなくてもⅡE とする。 注:侵されたリンパ節領域の数は下付き数字で示す(例:Ⅱ3)。 横隔膜の上下両側にあるリンパ節領域の侵襲をⅢとし,これと関連する 1 つのリンパ節外 臓器あるいは部位の限局性侵襲を伴うものをⅢE,あるいは脾侵襲を伴うものをⅢs,ある いは両者を伴うものをⅢE+S とする。 1 つ以上のリンパ節外臓器の播種性(多発性)侵襲は,関連するリンパ節の侵襲があって もなくてもⅣとする。あるいは孤立性のリンパ節外臓器侵襲であっても遠隔(非領域)リ ンパ節の侵襲を伴えばⅣとする。 注:Ⅳ期の病変部位は,後述の表記法に従って部位を特定することにより,いっそう明確 にされる。 病理学的病期分類(pS) この病期分類法は臨床的データ以外の追加データを考慮しており,より精度が高い。病理学的病期分類は可 能なときには常に適用すべきである。病理組織学的検索結果に基づいて,-(負)あるいは+(正)符合を検索さ れた様々の組織記号に付記する。 4 病期の定義は臨床病期と同じ規準に従うが,これに次に述べる開腹術で得られた情報を追加する。摘脾, 肝生検,リンパ節生検,骨髄生検は病理学的病期を確証するために必須である。これらの生検結果は前述され ているように記録する。 A と B 分類(症状) 各病期は以下に定義される全身症状のない A と全身症状のある B に分けられるべきである: A: 無症状 以下の3症状のうち少なくとも1つを認める B: ・発初診前 6 カ月間にみられた、原因不明の、通常体重に比べて 10%以上の体重減少 ・38℃をこえる原因不明の発熱 ・盗汗。寝具(掛け布団。シーツなど)を換えなければならないほどずぶ濡れになる汗。 肝侵襲 肝侵襲の臨床的な証拠としては,肝腫大に少なくとも血清アルカリホスファターゼ値と 2 種類の異なった肝 機能検査異常を伴う,あるいは肝臓の画像診断で証明された異常と 1 種類の肝機能検査異常のいずれかを含め なければならない。 肝侵襲は常にびまん性のリンパ節外性病変とみなされる。 脾侵襲 画像診断で確認された脾が触知できるほどに腫大していれば,脾侵襲の臨床的な証拠として認められる。 リンパ節病変およびリンパ節外病変 リンパ構造には次のものがある。 ・リンパ節・Waldeyer 輪・脾・虫垂・胸腺・Payer 板 リンパ節はいくつかの領域にグループ分けされ,1 領域あるいはそれ以上(2,3,など)が侵されること もある。脾は S で示され,リンパ節外臓器あるいは部位は E で表示される。 肺侵襲 一葉に限局した肺侵襲,あるいは同側リンパ節腫大の肺門部周囲進展,あるいは肺侵襲の有無にかかわらず, 肺門リンパ節腫大を伴う片側胸水,はいずれも限局性のリンパ節外性病変とみなされる。 病理組織学的情報 これは採取された組織を表す記号によって分類される。次に挙げる表記法は,TNM 分類法で分類される遠隔 転移(M1 区分)と,すべての領域を共有している。しかしながら,Ann Arbor 分類と一致させるために,Ann Arbor 分類で使用されている頭文字も併記する。 TNM Ann Arbor TNM Ann Arbor 肺 PUL L 骨髄 MAR M 骨 OSS O 胸膜 PLE P 肝臓 HEP H 腹膜 PER 脳 BRA 副腎 ADR リンパ節 LYM N 皮膚 SKI D その他 OTH 2.進展度(臨床進行度) Ann Arbor 分類 進展度 Stage I 限局 Stage II 隣接臓器浸潤 Stage III 遠隔転移 Stage Ⅳ 遠隔転移
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