安全保障関連法の廃止を求めます 安全保障関連法の廃止を求めます

安全保障関連法の廃止を求めます
9月 19 日、政府・与党は、一部野党とともに安全保障関連法案を強行しました。
私たちは、安全保障関連法案を両議院で強行した安倍内閣の暴挙に強く抗議し、その
廃止を求めるものです。
昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定と安全保障関連法案の国会上程まで
の過程、及び国会審議の中で明らかになったことは、第1に、立憲主義を正面から否
定する安倍内閣の姿でした。安倍内閣は、昨年7月の閣議決定で一方的に従来の憲法
解釈を変更し、日本の「存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根
底から覆される明白な危険」がある場合、集団的自衛権の行使を可能と強弁しました。
これに対して、「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」というこれまでの立場
を一内閣の解釈で変更することは立憲主義に反するとの批判が国民の中に高まりま
した。安全保障関連法案の国会審議が始まってからはその声がいっそう広がり、憲法
学者、元内閣法制局長官や元最高裁判所長官らからも、
「違憲」、
「法的整合性を欠く」
などの発言が相次ぎました。また、学識者、弁護士、大学教員・学生、若者、子育て
層など多くの市民が自らの意思で法案反対を表明し、国会前や全国各地で行動を起こ
しました。
政府・与党の法案強行は、立憲主義を踏みにじる蛮行と言わざるを得ません。
第2に明らかになったことは、政府の法案説明が国会審議の過程でその根拠を失っ
たことです。
法案が必要な根拠として、安倍首相は、5月の衆院特別委員会ではホルムズ海峡で
の機雷除去を念頭にしている事例だと答弁していました。しかし、9月 14 日の参院
特別委員会では「いま現在の国際情勢に照らせば、現実問題として発生することを具
体的に想定しているものではない」と答弁し、法案提案根拠を自ら否定しました。ま
た、中谷防衛相は、米艦防護に邦人民間人の乗船は必要条件ではないと答弁し、米艦
に女性と子供が乗っている絵のパネルを示して「日本人の命を守るため、自衛隊が米
国の船を」守れるようにするとの安倍首相の説明を否定しました。
さらに、政府は、戦闘行為中の米軍への「後方支援」(兵たん)が戦闘行為が現に
行われていない地域で可能であり、
「治安維持」
「駆けつけ警護」における武器使用も
可能とし、武力行使を自己流法解釈で合憲・合法化できると強弁しました。
武力行使容認は、憲法9条に違反し、平和主義の憲法原理からも大きく逸脱するこ
とは明らかです。
第3に明らかになったことは、政府・与党の国民世論無視、民主主義破壊の姿です。
法案強行前の世論調査では、
「違憲」との判断が半数、
「法案審議は尽くされていない」
との回答が8割に及び、6~7割の国民が戦争法案は「今通常国会で成立させるべき
ではない」と答えていました。安倍首相は、こうした声を無視して、国民の「理解が
すすんできた」
(9月 13 日)と根拠のない発言をし、菅官房長官は「引き続き、懇切
丁寧に説明する」(9月 14 日)と審議が十分でないことを認めていました。
しかし、与党は、9月 17 日の特別委員会で、地方公聴会の報告・質疑、締めくく
り質疑もやらないまま、議事を強行し、議場騒然の中で採決を強行しました。以降も、
議会多数を背景にして強引な国会審議を行った姿は、誰の目にも異常と映り、民主主
義と相容れない蛮行であったことを明らかにしました。
法案の強行採決直後の世論調査では、「国会審議は尽くしていない」が8割弱、政
府が「国民に十分説明していない」「説明が不十分」が7~8割にも及んでいます。
国民多数の意見を無視して、違憲法案をごり押しした政府・与党の行為は到底許さ
れるものではありません。
「日本が戦争に巻き込まれるのではないか」「若者が戦地に駆り出されるのではな
いか」「日本人が殺し、殺されることになるのではないか」など、国民が抱いた不安
は、依然として解消されていません。
日本が戦争に巻き込まれることになれば、日常生活の基盤が揺らぎ、基本的人権や
幸福追求権が制限されかねません。ましてや、消費者の権利が保障される社会の建設
は二の次、三の次になり、安全で安心な消費生活が脅かされることは明らかです。
日本が戦争をする国になることは、これまでとは全く異なる国際環境に日本とその
国民が置かれることを意味します。
私たちは、日本が戦争をする国になることを望んでいません。
戦後 70 年の日本社会の歩みを根底から覆す安全保障関連法が、手続き、内容とも
に国民の合意の得られない手法によって成立させられたことに、改めて、抗議をし、
私たちは安全保障関連法の廃止を求めます。
2015 年 10 月2日
全大阪消費者団体連絡会
事務局長
飯田秀男