古 文 の 読 解 問二 次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。 対 策 婿 、妻子 連 聞て、ますます三宝を 敬 たてまつる。 ︵注︶大和国=現在の奈良県。 司=役所。 女の母=﹁女﹂は﹁娘﹂、﹁母﹂は﹁一人の女﹂のこと。 出 誦経=災難をのぞくために、僧に経を読んでもらうこと。 母=ここでは、﹁娘﹂のこと。 女=ここでは、﹁娘﹂のこと。 母=ここでは、﹁一人の女﹂のこと。 三宝=仏と経と僧。 結婚 ︵﹁三宝絵﹂から。︶ る 也。 ﹂と喜ぶ。後に母使をやりて、あしきゆめを見しさまを云ひ、誦経おこなひし由を告ぐ。娘この由を 人の法師 忽 に見えず。女おぢあやしみて、心のうちに思ふ、﹁天地の我を助けて、屋におそひ殺させず成ぬ まことに経をよむ声あり。蜂の集まりて鳴くがごとし。 母あやしびて庭に出てみれば、其屋 即 倒れぬ。七 3 人の子母に云ふ、﹁家の上に七人の法師ありて経をよむ。はやくいでて見給へ。﹂と云ふに、屋の上を聞くに、 外 めて、 誦経をしつ。娘、をとこに従ひて、国の館にすむ。二人の子いでて庭に遊ぶ。母屋の中にあり。二 2 を見て 驚 さめて、おそれ嘆く。誦経せむと思ふに、家貧しくして物なし。自ら着たる衣を脱ぎて、洗い清 謝礼 聟外国の司に召されぬ。女、子を率ゐてその国に至りて二年あるに、女の母ありて、娘のために あしき夢 1 大和国城上郡山村郷に、一人の女あり。姓名いまだ詳 ならず。此女、娘あり。をとこして二人の子産めり。 古 文 の 読 解 問 二 B 県 入 試 演 習 線1﹁あしき夢を見て驚さめて﹂とあるが、その意味として最も適するものを次の中から一つ選び、 その番号を書きなさい。 1 悪人の夢を見て恐ろしさに寒気がして 2 悪いことをする夢を見て冷や汗をかいて 3 悪い夢を見てびっくりして目が覚めて 4 悪い夢を見そうで眠りにつけなくて 線2﹁誦経をしつ。﹂とあるが、なぜこのようにしたのか。その理由を説明したものとして最も適 するものを次の中から一つ選び、その番号を書きなさい。 1 退屈だったが家が貧しいために何もなく、誦経くらいしかすることがなかったから。 いかからないように身を清めたが、まだ満足できなかったから。 2 わが身に災難が襲 3 夢の中に現れた七人の法師の言う通りにしなければ、ばちがあたると思ったから。 4 娘に何か不吉なことが起こるのではないかと思い、ひどく心配になったから。 線3﹁母あやしびて庭に出てみれば﹂とあるが、その理由を説明したものとして最も適するものを 次の中から一つ選び、その番号を書きなさい。 していたから。 1 自分の夢の中に出てきた七人の法師が現実に現れ、誦経をしている姿を、子どもたちも目の当たりに 2 庭に出て遊んでいた子どもたちの言葉どおりに、大勢でいっせいに誦経をしている声が本当に聞こえ てきたから。 3 庭に出て遊んでいた子どもたちに向かって、たくさんの蜂が襲ってきたのを知り、子どもたちを助け ようとしたから。 4 屋根の上にいた七人の法師が、子どもたちに姿を見られたと悟ったとたん、たちまちのうちに消えて しまったから。 本文の内容と一致するものを次の中から一つ選び、その番号を書きなさい。 仰心のあつい母親のおかげだったと考え 1 自分がすんでのところで命を長らえることができたのは、信 た娘は、ますます三宝への信仰心を強めていった。 2 七人の法師の助けにより、母親は二人の子どもの命を守ることができたので、母親はその恩を忘れ ず、七人の法師を三宝の代表として信じるようになった。 3 親孝行な子どもたちが、七人の法師の力を借りることによって、母親に襲いかかった災難を防いだの で、母親は七人の法師の存在を確信することができた。 4 三宝への信心のあつい子どもたちが、母親の加護を仏に祈り続けた結果、母親が危難をまぬがれたの で、子どもたちは三宝への信心をますます深めていった。
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