小学生を持つ親の子どものセクシャリティに関する認識や対応について

平成
27 年
4
月
1
日
新潟青陵大学学長殿
平成 26 年度 新潟青陵大学共同研究 報告書
1. 研究課題名
小学生を持つ親の子どものセクシャリティに関する認識や対応について
2. 研究組織
代表者:
分担者:
新潟青陵大学看護福祉心理学部看護
学科
職名:
所 属
教授
職 名
新潟青陵大学看護福祉心理学部看護学科
助手
㊞
氏 名
久保田 美雪
とくなが女性クリニック
3. 研究期間
渡邊 典子
氏名:
小柳 恭子
平成
26 年4月1日 ~ 平成 27 年3月31日
4. 研究成果の概要(当該研究期間のまとめ)
目的:子どものセクシュアリティに関連した危機の予防、という視点で娘の初経前後のセクシャリティに関する母親の
認識と対応を明らかにすることを目的とした。
方法:質的記述的研究法。2014年6月~8月に、小学5年生の女児を持つ母親7名に半構成的面接を実施。データ分
析は、面接によって得られたデータを逐語録に起こし、研究参加者ごとに、本研究の目的に沿って文脈を抽出して
コード化し、サブカテゴリー、カテゴリーに整理した。本研究は新潟青陵大学研究倫理審査委員会の承認後に実施し
た(承認番号2014004)。
結果:①研究参加者は7名、平均年齢38歳。小学5年生の娘の初経の有無は、初経あり2名、初経なし5名。
②娘の初経前後のセクシャリティに関する母親の認識と対応について、21のサブカテゴリーと6のカテゴリー【安全へ
の対応】【性教育は学校でするもの】【家庭の役割】【初経予測】【初経を迎える準備】【母親の月経観】に分類できた。
考察:【安全への対応】について、娘の服装と得ている性情報に関する防犯意識を高くもっていた。【性教育は学校で
するもの】について、小学校で行われている性教育の実施内容を把握しておらず、学校任せの姿勢がみられたが、月
経の手当ては教えていると認識していた。【家庭の役割】【初経予測】について、家庭内での性教育は、「分からない」
「触れたくない」など消極的であったが、ママ友との初経予測に関する情報交換に力を注いでいた。また、子どもの成
長に関して性差を意識し、父親・母親の役割分担と調整をしていた。【母親の月経観】について、娘の初経は「祝いた
い」「成長の証し」という肯定的な思いと「嫌なもの」「面倒」という否定的なアンビバレントの思いを抱いていた。初経前
後の娘のセクシャリティの認識と対応では、母親は、肯定的、否定的な月経観を持ちながらも、積極的に初経予測を
し、初経を迎える準備や安全への対応をしている様子が伺えた。今後の娘の将来のセクシャリティの危機、つまり、予
期せぬ妊娠、出産の予防や早期対応につなげるために、母親が娘にとって、月経の意味(意義)や将来の妊娠・出
産までを見据えた身近な相談者になれるような支援が必要と考える。
結論:1.初経前後の娘のセクシャリティの母親の認識と対応について6つのカテゴリーが抽出された。
2.母親は、娘の防犯意識が高く、初経予測と初経を迎える準備を積極的に行なっていた。
3.性教育は小学校で行うものと考える一方で、家庭内では性差を意識した父親・母親の役割分担をしていた。
4.母親が、娘のセクシャリティに関する身近な相談者となれるような支援の必要性が示唆された。
5. 交付決定額(配分額)
320,000 円
使用額
320,000
円
6. 研究発表
区分
発表済み
学会誌名・学会名等
発表者
日本助産学会第29回学術
久保田美雪
集会
論文名・演題名等
年
月
子どものセクシャリティに関する親の認識
や対応
27
3
7 添付書類 枚
※ 研究成果を発表した雑誌等の目次、研究発表会等のプログラムのコピーを添付のこと。
8 研究発表以外の、研究成果活用に関する報告
(講演会講師、シンポジウム開催、一般向け広報物への原稿掲載、コメンテーター等の活動など。)
事項
年月日
概要
特になし
今後の外部資金申請状況(予定を含む)
申請先(予定を含む)
特になし
申請テーマ(予定を含む)
特になし