生物学 Ⅱ

K:】Server/15030663 薬科大 応用生命/応用生命科学科 2015/09 1年 033‐093
2015.03.23
生 物 学 Ⅱ
Biology Ⅱ
中学校教諭(理科)
担 当 教
員 太田 達夫・川野 光興・伊藤美千代・相井城太郎
卒 業 要
件 共通専門必修科目
年 次 ・ 学 期 1年次
高等学校教諭(理科)
後期
食品衛生監視員及び食品衛生管理者
単位数 2単位
フードスペシャリスト
教科に関する科目(選択必修2単位) 教科に関する科目(選択必修2単位)
【授業概要】
生物の基本的な機能である代謝と遺伝について講義する。代謝は酵素によって遂行され、酵素は遺伝子の情報により生合成される。これら生体
内の反応は ATP によりエネルギー供給されて遂行し、その ATP の獲得は代謝による。生命現象は物質で説明できるが、その根源は遺伝子 DNA
にある。これらを講述し分子生物学の入門とする。「生物学Ⅱ」は、1年次前期開講科目「生物学Ⅰ」や「生物学Ⅰ演習」などの基礎的な知識が
必要とされ、さらに同学期開講科目「生物学Ⅱ演習」および2年次開講科目「生化学Ⅰ」や「生化学Ⅱ」の基礎に位置づけられる。
【キーワード】
代謝、酵素、先天性代謝異常症、PKU、酵素反応機構、活性中心、基質結合部位、触媒部位、拮抗阻害
(競争阻害)
、アロステリック阻害、ATP、
解糖系、アルコール発酵、乳酸発酵、酸素呼吸(好気呼吸)
、クエン酸回路、酸化的リン酸化、光合成、メンデル遺伝、遺伝子型、表現型、遺伝
子連関(リンケージ)
、染色体地図、組換え価、両親型、非両親型、Griffith と Avery による形質転換実験、Hershey と Chase によるファージ増
殖実験、鎌状赤血球貧血症、Watson と Crick による DNA の二重らせんモデル、Meselson と Stahl による DNA 複製実験、一遺伝子一酵素説、
Zamecnik の試験管内タンパク質合成実験、Nirenberg の mRNA によるタンパク質合成実験、コドン、tRNA、rRNA、P 部位、A 部位、アンチ
コドン、オペロン説、ラクトースオペロン
【一般目標】
酵素の特性と細胞内でのエネルギー獲得代謝を修得する。メンデルの法則発見から始まり、遺伝子に関する著名な発見の実験を通して分子生物
学まで学び、これらの過程が細胞内で進行する様子を具体的に認識できるようになる。
【到達目標】
1.
生体内の化学反応(代謝)の特徴を説明できる。2.
エネルギー源としての ATP を獲得する代謝を列挙して、それぞれを
記述できる。3.
太陽光エネルギーを化学エネルギーに固定する過程を説明できる。4.
メンデルの法則で明らかにされた遺伝子
の特徴を説明できる。5.
DNA が遺伝子の本体であることを実験事実から説明できる。6.
DNA の立体構造解明の歴史を述べ、
知識・理解
二重らせんモデルが遺伝子分子にふさわしいことを説明できる。7.
DNA がエンドウ豆を「丸」や「シワ」にする仕組みを説
明できる。
8.
核内にある DNA の遺伝情報で、細胞質でのタンパク質合成をどのようにして指令するかを説明できる。
9.
mRNA
の存在を証明し、かつコドンの解明に道を開いた実験を説明できる。1
0.
遺伝子作用の調節機構としてのオペロン説を説明で
きる。
1.
代謝と一般の化学反応との異同を説明できる。2.
発酵と酸素呼吸における反応収支を記述できる。3.
地球の生物にエネル
ギーを供給している主要な供給源を指摘できる。4.
ハーディ・ワインベルグの法則により、遺伝子頻度を計算できる。5.
DNA
思考・判断
の半保存的複製を証明した Meselson と Stahl の実験を説明できる。6.
細胞の模式図を描き、DNA の遺伝情報をもとに、タン
パク質を生合成している様子を描写できる。7.
乳糖添加により、大腸菌が β-galactosidase 関連酵素を産生する仕組みをラク
トースオペロンで説明できる。
関心・意欲・態度
技能・表現
その他
【授業計画】
回
授 業 項 目
授業オリエンテーション
1 細胞の機能1(代謝と酵
素)
細胞の機能2(酵素反応
2
機構)
細 胞 の 機 能3(ATP の
3
獲得)
4
細 胞 の 機 能4(好 気 呼
吸)
5
細胞の機能5(光合成と
ATP の利用)
遺伝と遺伝情報1(遺伝
学の始まり)
遺伝と遺伝情報2(遺伝
7
子と遺伝)
6
8
授
業
内
容
シラバスを基に科目の概要や一般目標、到達目標を理解する。
生体内の化学反応(代謝)は酵素反応による。酵素の種類、組成、特性につ
いて学ぶ。
酵素の欠損・不全が代謝異常を招く。酵素の活性中心とその阻害から、酵素
の反応機構を学ぶ。
すべての生物は ATP をエネルギー源にできる。細胞が ATP を獲得するた
めに行う異化代謝を呼吸という。解糖系と発酵を学ぶ。
酵素を利用して ATP を獲得する代謝を学ぶ。解糖系に引き続いて、クエン
酸回路、酸化的リン酸化と進むが、その代謝の経路と、それらを実行する細
胞内の場所について学ぶ。
生物の活動エネルギーの大部分は植物が捉えた太陽光エネルギーに由来す
る。光エネルギーを ATP 及び有機物質に蓄える代謝(光合成)の過程と実
行場所について学ぶ。
子が親に似る遺伝現象は遺伝子の組合せで説明できることをメンデルが明ら
かにした。メンデルの法則から遺伝子の特性について学ぶ。
遺伝子の挙動様式から、遺伝子が染色体上に座位し、染色体地図が作製でき
ることを学ぶ。多くの場合、独立の法則が成立しないことについて学ぶ。
遺伝子の本体が DNA であることはどのようにして証明されたかについて、
遺伝と遺伝情報3(遺伝
肺炎球菌の形質転換実験、ファージの増殖実験、ラジオアイソトープ実験に
子と DNA)
より学ぶ。
遺伝と遺伝情報4(DNA
の立体構造)
遺伝形質の発現1(DNA
1
0
から形質へ)
遺 伝 形 質 の 発 現2
1
1 (mRNA の 発 見 と コ ド
ン)
DNA の立体構造解明の歴史と2重らせん構造が遺伝子分子にとって必須の
役割を果たすことを学ぶ。DNA の半保存的複製について学ぶ。
DNA がどのようにしてエンドウの種子形を丸やシワにできるのか、遺伝子
DNA による形質発現はタンパク質を経由することを学ぶ。
DNA の遺伝情報を元にタンパク質を合成するには遺伝情報を伝令する
mRNA が必要である。mRNA の塩基配列をアミノ酸配列に翻訳するコドン
の解明方法について学ぶ。
DNA の遺伝情報を元にタンパク質を生合成する過程の各段階が、細胞のど
遺伝形質の発現3(遺伝
1
2
こで、どの分子が関わって進行するか学ぶ。mRNA のコドンをアミノ酸に
情報の翻訳)
対応させるのは tRNA である。
個々の細胞にはその生物の全遺伝子が入っている。しかし、全遺伝子がいつ
遺伝子作用の調節1(誘
1
3
も作動しているわけではない。必要な遺伝子が、必要なだけ働くが、その調
導酵素)
節の仕組みを学ぶ。
9
−7
1−
授業外学習(予習・復習)
予習:シラバスの熟読、教
科書 p.
8
8∼8
9
復習:講義内容
8
9∼9
1
予習:教科書 p.
復習:講義内容
予習:教科書 p.
8
6∼1
1
4
復習:講義内容
担当者
全員
〃
〃
予習:教科書 p.
8
6∼1
1
4
復習:講義内容
〃
予習:教科書 p.
1
2
0∼1
2
9
復習:講義内容
〃
予習:教科書 p.
1
6
4∼1
7
0
復習:講義内容
予習:教科書 p.
1
7
7∼1
8
9
復習:講義内容
予 習:遺 伝 子 の 本 体 が
DNA で あ る こ と が ど の よ
うにして証明されたか調べ
る。
復習:演習内容
予習:教科書 p.
1
9
6∼2
0
0
復習:講義内容
予習:教科書 p.
1
6
4∼1
6
5
復習:講義内容
〃
〃
〃
〃
〃
予習:教科書 p.
2
0
0∼2
0
9
復習:講義内容
〃
予習:教科書 p.
2
0
0∼2
0
9
復習:講義内容
〃
予習:誘導酵素について調
べる。
復習:講義内容
〃
K:】Server/15030663 薬科大 応用生命/応用生命科学科 2015/09 1年 033‐093
回
授
業
項
目
2015.03.23
授
業
授業外学習(予習・復習)
予習:オペロン説について
遺伝子作用の調節2(オ 個々の遺伝子を作動させるにはそれぞれ調節単位がある。乳糖オペロンをモ
1
4
調べる。
ペロン説)
デルに、その調節機構を学ぶ。
復習:講義内容
予習:遺伝子組換え技術に
バイオテクノロジーの重要で強力な技術に遺伝子操作がある。遺伝子組換え
1
5 遺伝子操作
ついて調べる。
技術の基本操作を、その原理と必要な道具について学ぶ。
復習:講義内容
【教科書・参考書】
種 別
書
名
教科書
エッセンシャル・キャンベル生物学(第4版)
参考書
細胞の分子生物学―第5版―
【成績評価方法】
評価方法
定期試験
(中間・期末)
到達目標
知識・理解
◎
思考・判断
○
関心・意欲・態度
技能・表現
その他
評価割合(%)
8
0
小テスト
内
容
著者・編者
池内・伊藤・著本監訳
中村・松原監訳
レポート
出 版
丸善出版
Newton Press
社
合
授業態度
授業への参加度
成果発表
そ の 他
0
0
0
0
2
0
川野
伊藤
相井
オフィスアワー
原則として講義実施日の放課後2時間程
度、及び随時も可。
火曜日∼木曜日 1
3
:
0
0−1
7
:
0
0
金曜日1
1
:
0
0∼1
4
:
0
0
ただしそれ以外も随時可
月曜日∼金曜日の午後
それ以外も随時可
研究室(場所)
E メールアドレス
生物学研究室(E2
0
4a)
[email protected]
遺伝子発現制御学研究室(E1
0
3b)
[email protected]
E1
0
2b 室
[email protected]
植物細胞工学研究室(E3
0
1b)
[email protected]
−7
2−
〃
〃
計
◎
○
【連絡先】
太田
担当者
1
0
0