病害虫からあけぼの大豆を守る 防除時期

病害虫からあけぼの大豆を守る
※5 月講座のおさらい~
開花終期から子実肥大期にかけて 7~10 日おきに 3~4 回、薬剤散布します。
子実肥大期以前はさや害虫の殺虫剤を散布し、子実肥大期には、殺虫剤と紫斑病の殺菌剤を散布する。
さやを食害する害 虫の種 類
◆マメシンクイガ、カメムシ類、シロイチモジマダラノメイガ、ダイズサヤタマバエ等
■ 主な害虫の発生消長等
害 虫 名
多 発 時 期
侵入方法
加害部位
防除対象
ダイズサヤタマバエ 開花期~子実肥大初期
飛来
莢
成虫、幼虫
マメシンクイガ
成虫:8月中旬~9月上旬
幼虫:8月下旬~9月下旬
シロイチモジマダラノ 6~10月
メイガ
カメムシ類
5月中旬~10月
土中で越冬した個体の発 豆
蛾、周辺圃場からの飛来
外部からの飛来
豆
飛来
ふ化幼虫
幼虫
茎、葉柄、 成虫、幼虫
葉、豆
○防除時期
・ダイズサヤタマバエ、シロイチモジマダラノメイガ、マメシンクイガ、カメムシ類などの防
除適期は、開花終期から子実肥大後期となる。
~各害虫の防除時期~
☆開花終期からさや伸長期(目安:開花始めから1~2週間後)
ダイズサヤタマバエ
☆幼莢期~子実肥大期(目安:開花始めから2~4週間後)
シロイチモジマダラメイガ、マメシンクイガ
☆子実肥大期(目安:開花始めから4週間後)
カメムシ類
JA ふじかわ標準防除体系
散布時期
開花終期
左から、7~10 日後、
左から、7~10 日後、
8 月 30 日頃
9 月 10 日頃
9 月 20 日頃
ダイズサヤタマバエ等
カメムシ類等
紫斑病、莢汚損症
カメムシ類等
使用薬剤
スミチオン乳剤
トレボン乳剤
ゲッター水和剤
トレボン乳剤
倍率
1,000 培
1,000 培
1,500 培
1,000 培
収穫前日数
21 日
14 日
7日
14 日
使用回数
4回
2回
3回
2回
ダイズサヤタマバエ等
カメムシ類等
紫斑病等
カメムシ類等
使用薬剤
スミチオン乳剤
トレボン乳剤
ゲッター水和剤
トレボン乳剤
倍率
1,000 倍
1,000 倍
1,000 倍
1,000 倍
収穫前日数
21 日
14 日
14 日
14 日
使用回数
4回
2回
3回
2回
対象病害虫
エダマメ
対象病害虫
ダイズ
★暑い夏の場合、害虫の発生が多くなる。
例)昨年、今年とカメムシ類の発生が多い
→開花が終わる頃からの薬剤散布が大切
<カメムシ防除を対象とした主な農薬>
農 薬 名
スミチオン乳剤
トレボン乳剤
アグロスリン乳剤
ダントツ水溶剤
カスケード乳剤
大
倍率
1,000 倍
1,000 倍
2,000 倍
2,000 倍
4,000 倍
豆
収穫前日数
21 日
14 日
7日
7日
7日
使用回数
4回
2回
3回
3回
2回
2,000~4,000 倍
4,000 倍
3日
収穫前日
3回
2回
ネオニコチノイド
IGR 脱皮阻害剤
エ
倍率
ダ
収穫前日数
マ
使用回数
同上
同上
同上
メ
系 統
有機リン
ピレスロイド
接触毒、また薬剤
主として接触毒で強い殺虫力を示
接触及び摂食により
キチン質生合成阻
の付着した植物を
し、速効的、かつ広範囲な害虫に効
効果を発揮する。優
害。効果が現れる
摂食することによ
果を発揮する
れた浸透移行性があ
まで時間がかかる
り、残効性も高い
が持続性は高い
り効果を発揮する
散布時の注意点
・朝、夕方など涼しい時間に散布する
・周辺の雑草等にも散布する(周辺に潜んでいる場合あり)
【カメムシによる被害の様子】
左(生種子):
吸汁された所が、褐色に変
色し、へこんでしまう。
右(乾燥種子)
:
色が悪く、形も小さくて
”いびつ”になる
【ダイズサヤタマバエによる被害の様子】
コブ状に膨れ、成長が止まる
莢の中に3mm 程度の幼虫がいる
成虫は3mm 程度で、蚊に似ている
【シロイチモジマダラメイガによる被害の様子】
シロイチモジマダラメイガ 左 :成虫 / 右 :幼虫と被害
成虫が莢伸長終期~子実肥大初期に、最も盛んに莢の根元付近に産卵
孵化した幼虫は、24時間以内に莢内に食入して子実を食害
【マメシンクイガによる被害の様子】
マメシンクイガ 左 :成虫 / 右 :幼虫と被害
成虫は莢伸長期の莢(長さ2~4cm以上)上に好んで産卵
幼虫は、莢内に食入して子実を食害
~増収のために~
・大豆の窒素吸収が盛んになる時期は開花期以降となる。
・この時期からの1ヶ月間は、茎葉の急速な生長と開花結実を同時に行うために、養
分吸収量の増加も大きくなる。
・土の養分が不足している場合には、追肥の効果が期待できる。
☆時 期:開花始めから開花後10日ごろまで。
☆施用量:10アール当たり窒素成分で2㎏
例 尿素では10アール当たり 5 ㎏施用となる。
☆土壌が乾燥している場合は、施用後にうね間かん水をすると効果が高まる。