東大医学部長選挙という「滑稽劇」あの不祥事教授がまさかの「大本命」

門脇だ。
今 回 の医学部長選挙は、本来な
ら無風 で門脇が選出されるはずだ
った。現在 、医学部長を務める宮
相次ぐ研究盃 上の発覚 に揺 れる
題人物だ。独立公正 に行う べき臨
D﹂ での否 上が指摘 され て いる問
事 の責任をとらな いばかりか、医
こう した人物 が、自ら犯した不祥
いう のが衆目 の 一致 した見方だ。
園は︶
当初 より、旧 三内 の先輩 で
野が交 互に選出 されるため、只宮
東大 の医学部長は、基礎と臨床分
あの不祥事教授がまさかの天 本命﹂
東大医学部長選挙という肩 稽型
園浩平 は門脇 の旧 三内 の後輩 ︵
八
東京大学医学部 で、注目 の医学部
床研究 であ るにもかかわらず 、門
あ る門脇 に禅譲す る予定だ った﹂
一年卒 ︶で、分子病 理学 の教授 だ。
長選挙が十 二月 に迫 ってきた。教
脇は武 田から多額 の講演料などを
門脇孝 ・東大病院長
授 の 一人は ﹁
︵
とされる。
前出 の東大医学部教授︶
学時代 に行 った ノバルテイスフア
受け取 ってきた。武 田に利益誘導
ー マ︵
ノ社︶の降圧剤 ディオバ ンの
が立候補す ると いう暉 があ る﹂と
と ころが、ここ へき て 一連 の臨
本来なら無理筋 の話を 、背後 で
臨床研究 で不正を指摘 され て いる
す るため の研究を行 い、金銭等 の
後押 しし ている のが ﹁
旧第 三内科
百 つ。OBの中 には ﹁
門脇教授 こ
一
﹁
長年 にわたり、東大医学部 ・病
内 ︶グ ループ﹂と呼ばれる集団
曾一
床研究不祥事が発覚 した。千葉大
院 の要職を務め、昨今 の腐敗を招
旧 三内グ ループ ﹂
結東 固 い ﹁
門脇孝とは、本誌が詳報した武
医療業界誌記者︶
いた張本 人﹂︵
と
恩恵 に浴し てきた のだ。
田薬品が販売す る糖尿病治療暮 不
そ本命だ﹂と いう者ま で現れた。
シーナ の臨床研究 ﹁
J IBRAN
小室 一成 ・循環器内科教授 、ノ社
腫瘍内科教授 は、 いずれも旧三内
だ。第三内科とは、明治時代 に青
一九九八年 、東大医学部は従来
出身 だ。彼 ら の教授 選 では、﹁
門
山胤通教授が開 いた日本最古 の内
のナ ンバー内科制度を廃止し、循
脇 ら旧 三内 グ ループ が暗 躍 した﹂
の白血病治療薬を 用 いた臨床研究
で、患者 のデータを無断 でノ社 に
環器内科 や呼吸器内科 のような臓
東大病院外科系教授 ︶
︵
と言われて
いる。今 回 の医学部長選挙 では、
科 であ る。歴代教授は、日本医学
器別内科制度 に移行した。この結
横流しし て いた黒川峰夫 ・血液 ・
果、第三内科 は消滅 したが、 いま
彼らが門脇を担ぐ先兵となるはず
界 の要職 に納ま ってきた。
でも旧三内 グ ループ の結束 は固く、
しかし 一連 の不祥事 で、小室 に
だ った。
て いる。そ の旧三内 グ ループ の今
対し ては千葉大学が 二回も問題論
東大医学部 で隠然とした力を持 っ
のリーダー的存在が、七八年卒 の
「滑稽劇」 lo4
東大医学部長選挙という
201411選 択
出世﹂を画策す ると
学部長 への ﹁
は、驚 き呆れる話 であ る。
)
研究不正 への反省は微塵 もなく医学部長 を目指す
(門 脇孝東大病院長 と東大医学部
れには、後 ろ盾 であ る旧三内 グ ル
る教授は見当たらな い。前出 の東
上 であ る国立病院機構理事長を務
の将来を考え れば、妙な義侠心を
文 の撤回を勧告する事態とな った。
出して、旧三内 グ ループを敵 に回
大 医学部教授 は、で﹂れま で教授
なん
元東大医学部外科教授 は ﹁
さな い方 が無難と考え ても無理は
ープ の力は でき るだけ温存 し てお
でこの機会 に、三内を批判しな い
な いだ ろう 。
論文 の不正が露見した教授 は引責
のか﹂と憤 る。本来 、外科と内科
一昨年来 の臨床研究不正 で、土
貝
めて いる。
これは、旧三内 OBの矢崎が辿
は ライバルであり、旧三内 の不祥
会 で、この問題が取り上げられた
事 は、外科 が徹底的 に攻撃す る の
きた い。加え て、小室 や黒川が責
そ の思 いは、旧三内 のOBたち
任者が辞職して いな いのは、もは
辞任す るのが普通 で、二回も勧告
も同じだ。矢崎義雄 ・元第三内科
が自然だ。しかし、外科系 にも骨
や東大医学部だけ であ る。京都府
ったキ ャリアと全く同じだ。自ら
意気消沈し て いると いう 。抗う つ
剤を服用し、教授回診 の日以外は
教授 は、自ら の瑞宝大綬章 の受章
のあ る教授 が いな い。外科系診療
立医大、慈恵医大、滋賀医大 では
一
一
一
甲つ。
ことはほと んどな い﹂と一
大学 にも殆ど出 てこな いのだ。こ
教授決裁 が いる仕事 が
のた め、﹁
パーテイーに小室を呼び、会場 へ
旧三内 は、製薬企
科 の医局員は ﹁
責任者は既 に大学を去 った。
任をとれば、自分も無傷 では済ま
血液 ・腫瘍内
溜ま ってしまう ﹂ ︵
の挨拶 の機会を与えた。参加 した
業から豊富な資金を得 て、霞が関
されるなど例がな い。
と いう。黒 川は以前 か
科 医局員 ︶
医学界 の大物 であ る矢崎
医師は ﹁
と のパイプも太 い。中途半端に批
プ ロフ エツサー ︵
教授 ︶の語源
は、 ラテ ン語 のプ ロフ ェス︵
神に
なくなる。
ら教室員 へのパワ ハラで問題にな
教授が全面的 に小室さんたちを支
判すれば、自分たちが返り血を浴
だ。何 よりも自 己規律
告白 す る︶
不祥事 のもう 一人 の主人公 であ
って いた人物だ。事件以降は教室
援 し て いることを世間 に印象づけ
びること になる﹂と声を曇らせる。
局員 に対 し ﹁このまま では旧三内
職を申し出た血液 ・腫瘍内科 の医
い のが、他ならぬ門脇だ。門脇
る
は、
一連 の事件 に責任を感 じ、辞
彼ら に辞職を思 いとどまらせ て
も黒川も辞任す る様子はな い。
出 の医局員 ︶と いう。ただ、小室
る小室 が、今春 、文科省から総額
年から研究不正が問題視され て い
められ て いる﹂と話す。現 に、昨
費 の選考委員は、旧三内人脈 で占
科研費 や民間研究
る厚労官僚 は ﹁
に大きな影響力を有し て いる。あ
研究費 や民間団体 の研究費 の分配
矢崎は政府 の委員も務め、科学
えば、桐野高明 ・元脳神経外科教
長に ﹁
天下り﹂す る者が多 い。例
ターのような独立行政法人 の理事
退職した教授 は、ナシ ョナルセ ン
り魅力的 であ ろヽ
つ。最近、東大を
教授 にと って、再就職斡旋 は何よ
年後 の再就職だ。
。特 に定年間際 の
究費と学界 での地位、さらには定
東大医学部教授 の関心事は、研
逮捕 されな い限り何を し ても い
﹁
す るだ ろう 。そこにモラルはなく、
には ﹁
門脇医学部長体制﹂が発足
拒 んで いる。このまま では、年末
回を勧告されても、
一切 の告白を
世論が批判し、他大学から論文撤
の振 る舞 いは、語源とは正反対。
が門脇ら、昨今 の東大医学部教授
が求 められる職業 であ る。と ころ
一連 のメディア報道 で
る黒川は、
も は や診療
員 の退職も相次ぎ、﹁
た﹂と話す。
がもたな い。 でき るだけ、穏便 に
一千五百九十九万円 の新たな研究
い﹂と いう風紀が蔓延すること に
逮捕されな い限り何をしても いい
科とし ての体をなし て いな い穴前
済むよう に調整し ているから﹂と
授は、退職後 、厚労省傘下 の国立
き上げ てきた東大医学部 の、金看
費を獲得 した のは、このようなお
敬称略︶
板が械れ て いく。 ︵
慰留 に努めて いる。無論 、門脇が
センター の理事長 ・総長を務めた
な ろう。明治以来、先人たちが築
あと、現在は同じ厚労省傘下 で格
国際医療研究 センターに移り、同
現在 、東大医学部内 で、門脇ら
手盛り運営 のためだ。
の不正を積極的 に批判しようとす
穏便 に済ませた いのは、小室 や黒
川 の将来を思 ってのこと ではな い。
医学部長選 に勝 つためであ る。そ
2014.H選 択
「滑稽劇」
東大医学部長選挙という
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