2015 年 1 月 23 日 2015 年 1 月 21 日(水)に配信したプレスリリースの内容に一部誤りがございました。 訂正した内容を再度配信させていただくとともに、深くお詫び申し上げます。 報道関係者各位 世界 38 ヶ国を対象に起業意識を調査 日本人の起業意識は世界 38 カ国で最下位 日本人の約 6 割が、「起業家は、生まれながらのもの」であると考えている 起業が自分ごとになっていない日本。自分自身が起業する意識(起業ポテンシャル)を持っ ている人の割合は世界平均では 42%にのぼる一方、日本ではわずか 15%。 起業家とは、生まれながらのもの!? 58%の日本人が、起業家になるのは生まれながらの資 質によるものと考えている。一方、諸外国では 6 割以上の人が起業家精神は自身の学習や努 力で身に付くとしている。 起業に対する受容性の低い日本社会。57%の日本人が、日本社会は起業に否定的だと感じて いる。 日本アムウェイ合同会社(本社:東京渋谷区宇田川町 7-1 社長:マーク・バイダーウィーデン)は、 アムウェイ本社が、世界 38 ヶ国、男女計 43,902 名を対象に、 「起業に関する意識 国際比較調査 2014」 を実施した結果を発表しました。 調査結果によると日本人の起業意識は、世界 38 ヶ国中最下位という結果となりました。自分がビジ ネスを始めることを想像できるかどうかの質問に対して、世界平均の 42%と比較して、日本はわず か 15%という結果で 38 ヶ国中最下位となりました。 また、諸外国で 6 割以上が、起業家精神は教育や努力で身につくと捉えているのに対し、日本人の 6 割程度は起業家精神は生まれながらの資質であると捉えているという対照的な結果となりました。 早稲田大学ビジネススクール教授であり日本ベンチャー学会副会長の東出浩教氏は、 「各種研究から も、起業家精神発揮に必要な要素の 60-70%程度は教えることができるものだ、という結果が出て います」として、起業教育の改善が日本の起業における環境を改善するのに重要であると指摘をし ています。 「起業に関する意識 国際比較調査 2014」はアムウェイが毎年、起業家精神の促進と、起業のメリッ トに関するさまざまなトピックに焦点を当てて実施しているもので、2014 年調査では「起業教育」 をトピックに調査が行われました。詳細のレポートは下記リンクよりご覧ください。 ▸http://www.amway.co.jp/ja/ResourceCenterDocuments/Visitor/newsobj-1153-datafile.pdf 東出浩教/早稲田大学ビジネススクール教授 2006 年より早稲田大学ビジネススクール教授。ベンチャー起業の研究・人材育成 に尽力している。主要著書に、『ベンチャー企業の経営と支援 改訂版』(共著) 日本経済新聞社 2000 年など。 本件に関する報道関係者様からのお問い合わせ先 日本アムウェイ合同会社 エクスターナルコミュニケーショングループ 島崎 TEL:03‐5428‐7210 / FAX:03‐5428‐7934 1 【調査概要】 調査目的 2009 年、アムウェイ・ヨーロッパにおいて一般の起業精神の考え方を理解するため、起業に対する 意識や各国の環境を質的に測定する広範囲の調査「アムウェイ起業精神レポート」が開始されまし た。これまで、2012 年は「将来の雇用モデルとしての起業」、2013 年は「現在の社会における起業 の潜在的な可能性」、 「起業家精神の阻害要因」などのテーマを取り上げています。 2014 年の本調査では、起業家精神の促進に欠かすことのできない重要な要素である「起業教育」に 焦点をあてました。本レポートの総合的な目的は、様々な国における起業家の経済的可能性を指摘 し、潜在的な起業家の活性化を支援することにあります。 調査概要 調査期間:2014 年 4 月~7 月 調査対象:38 ヵ国、14 歳から 99 歳の男女合計 43,902 名 (各国の総人口を代表する被験者数) オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、コロンビア、 クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、 イギリス、 ギリシャ、ハンガリー、インド、アイルランド、イタリア、日本、韓国、リトアニア、メ キシコ、オランダ、ノルウェー、 ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、 スロバキア、スロベニア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、 ウクライナ、アメリカ 計38ヵ国 *中国、コロンビア、インド、メキシコ、南アフリカの調査対象者は、都市圏在住の人のみ 調査手法:対面/電話による聞き取り調査 調査機関:Gesellschaft fuer Konsumforschung (GfK) Nuremberg (ドイツ) 調査監修:ミュンヘン工科大学経営学部 Isabell M. Welpe 博士・戦略組織担当教授 日本での調査概要 調査対象: 1,200 人(男 594 名、女 606 名) 日本版レポートは下記リンクよりご覧ください。 ▸http://www.amway.co.jp/ja/ResourceCenterDocuments/Visitor/newsobj-1153-datafile.pdf 2 【調査結果のポイント】 1. 起業が自分ごとになっていない日本 自分自身が起業する意識(起業ポテンシャル)を持っている人の割合は日本ではわずか 15%、 38 ヶ国の中で最下位。対照的に、世界平均では 42%にのぼり、日本の起業家精神の未熟さが 際立ちました。 起 業 ポ テ ン シ ャ ル を 持 つ 人 の 割 合 起業に対して肯定的な姿勢を持っている人の割合 2. 起業家とは、生まれながらのもの!? 58%の日本人が、起業家になるのは生まれながらの資質によるものだと考えています。これ は、6 割以上の人が起業家精神は自身の学習や努力で身に付くとしている諸外国とは対照的な 結果でした。 起業精神は教わるものか、生まれつきの素質か 80% 70% 68% 63% 58% 60% 50% 40% 40% 31% 25% 30% 20% 10% 0% 世界平均 アジア平均 日本 3 3. 学校は、起業教育の場として機能していない 諸外国では、学校が起業教育の最も重要な担い手だと認識されているのに対し、日本では起 業教育は個人が自身の責任において学習するべきものと考える人が大半を占めました。教育 機関である学校は、日本では起業教育と最も縁のない場所だと認識されているという結果に なりました。 起業教育が実施されるべきなのは・・・ 起業の提供する特別な企業プログラム 26% 大学・高等教育機関 非営利組織、商工会議所、行政による 特別な起業プログラム 26% 30% 32% 25% 学校や中等教育機関 33% 19% その他 36% 4% 2% わからない 2% 0% 4. 43% 23% 個人が自分の責任において学習するべき 5% 10% 20% 30% 40% 50% 日本の起業教育に対する高い不満 77%にものぼる人たちが、日本で受けることが可能な起業教育を不十分であると思っていま す。日本人の 4 割以上は既存の起業教育に「まったく十分でない」としています。 学校、大学、その他の機関による起業教育 (行政に夜あるプログラム、民間企業によるもの等)に対する意見 十分だと思う 4% 11% 16% 十分だが、改善の余地がある 32% 十分ではないが、ある程度取り組みを評価 できる 33% 18% 44% まったく十分ではない わからない 十分でない 計 25% 世界平均 43% 日本 77% 3% 14% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50% 4 5. 起業に対する受容性の低い日本社会 57%の日本人が、日本社会は起業に否定的だと感じています。新たなことに挑戦する人が敬 意を払われる社会とは真逆の結果を示しています。 起業精神に対する社会的な姿勢 60% 50% 50% 世界平均 42% 40% 40% 否定的 計 35% 31% 日本 57% 30% 20% 11% 10% 10% 0% 7% 5% 大変肯定的 やや肯定的 やや否定的 大変否定的 5 【東出教授による概説】 大卒以上の男性の起業意識が低い 今回の調査結果から得られた特に重要な推論のひとつは、回答者のほとんど、特に大卒以上の学歴 を持つ男性の回答者が、自ら起業する気持ちはあまりなく、なんとか企業に就職して、それなりに 安定した生活と満足できる収入を確保して、それから会社の中で自分の考えを実現しよう、と思っ ている事です。今日本が成長戦略として国家を挙げて開業率を向上せんとする動きに反して、日本 の大学生・大学院生の一般的な傾向としては、彼らのほとんどは優良企業に就職するか公務員とし て働きたいと望んでいます。 教師中心の指導に偏っていることが起業教育の弊害 学校における起業教育が機能していない背景には、日本の伝統的な教育制度が関係していると思わ れます。知識・記憶中心の教育に偏り、また学生・参加者中心ではなく教師中心の指導に偏ってい ることが、起業教育と共存できづらい状況をつくっているのではないでしょうか。日本ではまだそ う理解されていませんが、本来「起業家精神や起業家的行動は、学習によって育成できる」もので す。各種研究からも、起業家精神発揮に必要な要素の 60-70%程度は教えることができるものだ、 という結果が出ています。 日本社会の起業教育の改善に可能性あり 今回の調査結果は、日本が抱えている課題を直視させるものではありますが、私は明るい展望も持 っています。ひとつは、知識の詰め込みではないゆとり教育を体験してきた 30 歳前後以下の若い世 代の一部が、今後の起業精神の発展に貢献する中心的な世代になり活躍を見せる可能性。もうひと つは、過去 15 年間日本のポリシーメーカーが注力してきた、大学レベルでの起業教育を質・量とも に充実させようという動きが、今後実を結びはじめ、有機的に日本社会の起業教育環境が大きな改 善を見せる可能性です。これらの動きが相互に効を成し、今後も続く「先が読みにくい時代」に結 果を出す起業家や起業家的なリーダーが多く生まれることに期待しています。 6
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