Ⅱ 計画の基本理念・基本目標・基本方針 第2章 計画の基本理念・基本目標・基本方針 第1節 計画の基本理念 本計画においては第 3 期からの将来目標を引き継ぎ、高齢者はもちろん、すべての 市民が住み慣れた地域で健康を保持しつつ、安心していきいきと暮らしていけるよう、 保健福祉施策及び介護保険事業施策を総合的に推進します。 『活動的に暮らし、みんなで支え合うまち』 2 計画の基本目標 本計画の基本目標については、第 5 期計画からの方向性を引き継ぎ、介護保険の理 念である「自立支援」と「尊厳の確保」を徹底して追求するという意思表示として次の よう設定します。 『地域包括ケアシステムの構築による尊厳の保持と自立支援の確立』 - 8 - 第3節 基本方針 杵築市地域福祉計画では、杵築市総合計画の基本目標のひとつである「安心・安全・ 快適な暮らしを実現するまちづくり」を基本理念に置き、すべての市民が健やかでい つまでも暮らし続けたいと感じるよう、日常生活・防災・防犯・子育て等、お互いに 支えあう活動に取り組んでいけるような環境づくりを目指すこととしています。 本計画においても、この地域福祉計画の基本理念を目指すべき方向性とし、加えて 高齢者の視点に重点を置き、「これからの高齢者を取り巻く環境づくりと高齢者が生 き生きと暮らし続けるためのイメージ」を反映させ高齢者が住み慣れた地域で尊厳を 保ちながら、生活の質(QOL)を高め、すべての市民が健やかでいつまでも暮らし 続けることができるまちづくりを目的に、本計画に6つの基本方針を掲げます。 (1) 健康づくりと介護予防及び要介護度の重症化予防の一層の推進 (2) 在宅医療と在宅介護の連携強化及び入退院時の効果的な連携の推進 (3) 高齢者が地域で暮らし続けるための体制づくりの推進 (4) 時代要請に基づく介護サービスの充実と基盤整備 (5) 認知症の早期対応のための効果的な推進体制の整備 (6) 自立支援を基本とした包括ケアマネジメントの推進 - 9 - 1.健康づくりと介護予防及び要介護度の重症化予防の一層の推進 高齢者のQOLを向上させるためには、平均寿命にできるかぎり健康寿命を 近づけることが重要となります。そのためには、壮年期からの健康づくりと介 護予防の効果的な推進が求められていることから、本計画と同時に策定作業を 進めてきた「第2次杵築市健康づくり計画」と連動した健康づくりと介護予防 を推進します。 また、仮に何らかの原因により日常生活に支障を生じた高齢者に対しては、 その原因を分析するとともに適切なサービスを提供することにより生活機能を 向上させます。さらに、改善があまり期待できない方は、できる限り残存機能 を維持できるよう多職種が連携することにより重症化を予防します。 2.在宅医療と在宅介護の連携強化及び入退院時の効果的な連携の推進 後期高齢者の増加とともに医療機関での長期加療が必要な高齢者が増加して います。しかしながら、医療機関のベッド数は限られておりその需要に対応す るためには入院期間を短縮し、早期に在宅復帰を促すことが求められています。 このようなことから、高齢単身世帯や高齢夫婦世帯の場合は、在宅での療養 が困難であり、医療機関からいずれかの高齢者施設に入所する事例が増えてい ます。 高齢者が住み慣れた地域でいつまでも暮らし続けることができるためには、 いつでも安心して医療と介護を受けることができる体制づくりが必要であるこ とから、医療・介護関係者との連携を強化します。 また、入院時から在宅での生活の様子等の情報を医療機関に提供するととも に、入院時から在宅復帰を目指した看護・リハビリテーションを効果的に提供 できるよう、入退院時の連携を円滑にできるしくみづくりを目指します。 - 10 - 3.高齢者が地域で暮らし続けるための体制づくりの推進 高齢単身世帯、高齢夫婦世帯や要介護認定者、認知症高齢者の増加が予想さ れるなか、介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で暮らし続けることが できるようにするため、介護だけでなく、医療や予防、生活支援、住まいを一 体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を推進します。 また、要支援者の介護サービスの一部が地域支援事業に移行されることから、 要支援者自身の能力を最大限活かしつつ、介護サービスと住民等が参画するよ うな多様なサービスを総合的に提供可能なしくみづくりを推進します。 4.時代要請に基づく介護サービスの充実と基盤整備 これまでの介護保険サービスの提供は、高齢者の身体機能や生活機能の低下 しているものを補うことに重点が置かれており、心身機能や生活機能を向上さ せる視点が欠けていた側面があります。 高齢者のQOLを向上させるためには、それぞれの状態像に応じた適切なサ ービスを提供することが求められていることから、通所介護サービスのあり方 をこれまでのように軽度者から重度者までを一括して支援する体制から、交流 目的、生活機能向上、重度者等その状態像に適したサービスが提供できるよう 類型化を促進します。 また、入院時から在宅復帰までを円滑に移行するために必要なリハビリテー ション機能を強化したサービス基盤の整備を推進します。 - 11 - 5.認知症の早期対応のための効果的な推進体制の整備 認知症の人の意思が尊重され、住み慣れた地域でできる限り住み続けること ができるようにするためには、認知症状の早期発見と初期段階において支援す る体制づくりが求められていることから、医療介護の連携を図り、医療機関で の早期発見体制を構築するとともに、医療及び介護の関係者が協働で支援する 体制を整備します。 6.自立支援を基本とした包括ケアマネジメントの推進 介護保険の理念である自立支援を徹底的に追求することにより、高齢者のQ OLを向上させ元気高齢者を増やすことによって、結果として医療・介護に要 する費用の抑制が図られます。介護保険制度の持続性を高めることを目標とし た、包括ケアマネジメントを推進します。 図表 2-1 地域包括ケアシステムのマネジメント 高齢者のQOL向上(いつまでも地域で安心して暮らせる) 規範的 統合 アセスメント能力の向上 自立支援型 ケアマネジメントの確立 意識改革 ○市民啓発 ・出前講座 ○事業者への啓発 ・トップセミナー ・管理者会議 ・ケアマネ連絡会 ○研修体制の整備 ・カリキュラムの作成 ・テキスト(マニュアル)作成 ・講師養成 ケアマネジャーの 専門性の向上 信頼関係の構築 サービス事業所の強化 ○生活機能向上プログラム等の作成 ○技術的指導の体制整備 (専門職の確保) 地域ケア 会議 ○サービス基盤の充実 ○事業者保護 ・機能転換推進支援 ・新総合事業の委託 ・事業所研修会の支援 関係団体とのネットワーク ○職能団体とのネットワーク ・PT、OT、ST協会 ・栄養士、歯科衛生士会 地域課題解決策 介護予防拠点 ・通所予防サービス ・訪問予防サービス ・福祉有償運送 ・認知症カフェ ・高齢者実態把握 ・サロン支援 予防教室 ・介護予防運動継 続支援事業 ・認知症予防教室 総合事業 サービス事業所 まちかど交流サロン 福祉サービス 高齢者サロン ・生きがい活動通 所支援事業 ・軽度生活援助事 業 ・立ち上げ支援 ・介護予防サポー ター育成 ・ボランティア組織 の整備 ・ボランティアポイン ト制度 地域包括支援センターのコーディネート - 12 -
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