ちょっと見

1.1 スケール及びかまどろ
解 説
スケール及びかまどろはボイラー給水中の不純物より生成される。
1.1.1給水中の不純物
1炉筒煙管ボイラー
(1)有害溶存ガスは主として酸素及び二酸化炭素である。
図1.1(a)∼(C)に炉筒煙管ボイラーの例を示す。
燃焼 ガス ダク 霜
等
‘警
レ縮
(2)溶解固形分には次のものがある。
燃焼ガスダクト
管板
(a)炭酸水素塩:Ca(HCO3)2,Mg(HCO。)2,NaHCO。
(b)硫 酸 塩:MgSO4,Na2SO4
前 煙 室 も
ほ 一 一・⊂土 コ (C)塩 化 物:CaC12,MgC12,NaCl
」 _虻 ± 三 … _弓_____
(d)イオン状シリカ
\
痙管
勘
,CIl
バーナ
桶
t..
l H  ̄ ̄ 1 J l 耐 火壁 燃 焼 室 細l
1 ]L l __ll
l
炉 簡 去 出弁
以上のほか,地下水などには多量の有機物を含んでいることもある。
前
(3)固形きょう雑物:砂,粘土,有機物,微生物,水酸化鉄の微粒,油脂分,コロイ
ド状シリカ
(a) 2パス炉簡煙管ボイラー(吸出し通風式)
1・1・2 スケール及びかまどろの成因
(1)給水中に含まれる溶解固形分は,ボイラー内でしだいに濃縮し,飽和状態となっ
たマグネシウム、カルシウム塩類やけい酸塩類は,単独又は他の不純物と結合して
析出し,ボイラー内面に固着してスケールを生成する。また,析出物がボイラー内
面に固着しないで軟質の沈でん物となって底部にたい模して,かまどろ(スラッ
ジ)となる。
(2)スケール,かまどろによるボイラーの損傷
スケール及びかまどろの熱
(b) 3パス炉簡煙管ボイラー(押込み通風式)
『頂
1
伝導率は表1.1に示すように
軟鋼に比較して著しく悪いた
け い酸 塩 が 主 分 成 の スケ ー ル
0.
2 ∼ 0 .4
炭 酸 塩 が 主成 分 の ス ケー ル
0.
4 ∼ 0 .6
め,次に述べるようなボイラ
R
ーの損傷を起す。
③、
、
⑥
ノ′
′r′
ノ
′
/ノ
表1.1スケール,その他の熱伝導率
ス ケ ー ル , か ま ど ろ, そ の他 の 物 質
熱 伝 導率 k c a l/m h OC
硫 酸 塩 が 主成 分 の ス ケ ー ル
0.
5′
−2 .0
油 脂 類
0.
0 5 ∼・
0.
1
す す
0.
0 5 ∼0 .1
軟 鋼
4 0 .0′
−6 0 .0
(a)ボイラーの高温伝熱面に
2
⑤\
付着,たい積して,過熱,膨出を生ずる。
(b)管の取付部に固着して,ころ広げ部にゆるみを生じ漏れを生ずる。
1 「 1 コ
(C)炉簡煙管ボイラーの主な損傷箇所
(C)かまどろがたまり,ボイラー水の循環を妨げる。
(d)圧力計,水面計,自動制御機器,排水弁などの取出口穴を閉そくさせ,低水事
図1.1炉簡煙管ボイラー
ー 36 −
ー 37 −
故,その他の事故を招く。
(e)スケールの成分によっては内部腐食を生ずる。
1.2 内面腐食
ボイラーの内面は,いたるところに腐食発生の可能性がある。腐食は,主としてボイ
ラー水中に含まれている不純物によるものである。運転中のボイラーは,温度も高く,ボ
には酸素による腐食とアルカリによる腐食がある。一般的には酸素が直接、間接に関係し
ている。
1.3 損傷の起こりやすい場所
最近の炉簡煙管ボイラーは,パッケージ形で全自動制御方式のものが多い。損傷の起こ
帯==I
謝離離
索⋮=T
イラー水が濃縮しやすいから最も腐食が発生しやすい条件におかれている。腐食発生機構
りやすい個所,すなわち,重点的に点検すべきところは、次のとおりである。(図1.1
一挺三三一
(C)参照)
(d) ガセットステー
① なんらかの原因によって水位が低下したとき,煙管及び管ステー取付け部にゆるみ
をきたし漏れを生ずる。
図1.3 煙管その他の取付部
(診(丑と同じ原因により炉筒上部に焼損及び圧かいを生ずる。
③ 炉簡前端の炉内耐火材被覆部分が脱落していることを知らずに使用すると、炉簡前
端と管板の取付吉田こ損傷を生ずることがある。
ステー自体に生じた割れ又は折損は,溶接で修繕してはならない。この場合は全体を取
り替えるのが原則である。
ステーの取替えにあたっては,発生原因をくわしく調べることが必要である0
④ 水管理が悪い場合,管や炉筒に著しい内面腐食が発生する。
⑤ 燃焼室後部に水冷管が設けられているものは,水管内部にスケールが固着し過熱や
1.5 胴内装着物
給水内管,沸水防止管等の内部装着物の例を図1・4(a),(b)に示す0図中の①,②部の溶
割れなどを生ずることがある。
(◎ 3パス形炉簡煙管ボイラーでは,煙室と本体との取付けが悪いと一次燃焼室から後
部煙室へガスが短絡して煙室板を焼損することがある。
1.4 炉筒,煙管,管ステ一,ガセットステーなどの取付部
炉筒,煙管,管ステ一,
ガセットステーなどの取付
部には損傷を生じやすい。
(図1.2∼1.3参照)
(b)沸水防止管
図1.2 炉筒取付部
図1.4 内部装置物
一 39 −
− 38 −
1.6 煙室及び煙室戸
///ノ
煙室及び煙室戸で燃焼ガスの短絡及び外部漏れの比較的多い個所は図1.5に示すとおり
である。
_⊂ 1
ヽ\
ユ⊥一一十
ノ ’
〟〃 〝 〟〃
宙
−
ンル㍑〝 カγ
一−
基準のボルト穴
甲:欠乙0∼.‰0
図1.7 矢板の用い方
−
 ̄−
憂「一+ヰ
一一
一一一一、{ : ∠
図1.8 初めのボルトの位置とフレームの基礎ボルト穴
:二二二二二三ニ
=ミプこミニここここヽ
ル%ケ みゲ
2 水管ボイラー
図1.5 燃焼ガスの短絡と外部漏れ
高圧のボイラーに最適であり,小容量のものから大容量のものまでつくられている。形
式にはいろいろあるが2胴曲管式が最も多く用いられている。図2.1に一例を示す。
1.7 爆発戸
爆発戸は炉内圧と大気圧との低い圧力の差で作動するようになっているから,すき間が
あると吸出し通風のときは冷空気の侵入,押込み通風のときは燃焼ガスの外部漏れが起こ
りボイラー効率の低下をきたす。このような場合は爆発戸と枠の蝶番のピンとピン穴の関
係が悪くなっていることが多いので補修する。図1.6に爆発戸とこれらの関係を示す。
燃焼室内作業にあたっては,内部に入る場
合,換気を十分に行い残留ガス又は酸素欠乏の
状態にないことを確認しなければならない。大
容量のボイラーでは高所作業を必要とするの
で,照明を十分に行うとともに,足場を完全な
ものとして転倒,墜落などの事故が起きないよ
うにしなければならない。
再
I
(a)爆発戸(重力式) (b)蝶番穴とピンの正しい関係
図1.6 爆発戸
1.8 据付け状態
ボイラー前面から垂直,水平を,側面から傾斜を見る。正しくないものは矢板を入れて
3
0
修正する。図1.7に,矢板の用い方を示す。
0
3 。g
°1 0 0
0
00 輿
0000
000
運転中と停止中の温度差によるボイラー本体の膨張、収縮を自由にするため基礎ボルト
0
0
0
穴は前面のもの(ボルトが固定される穴)を丸穴,他を長だ円穴とする。(図1.8参照)締
(C)平面図
付けボルト部の基礎に割れが生じている場合は,この部分が正しく加工されていないこと
図2.1 2胴曲管式水管ボイラー
が多い。
− 40 −
一 41一
〆 .
2.1 ドラム
2.3 ドラム内装着物
図2.2は,気水ドラム及び水ドラムを示す。気水ドラムにあっては水管端の割れ,①部,
水管ボイラーは蒸発量に比較してドラムの
水ドラムにあってはたい積物下の地肌②部に腐食が生じやすい0
直径が小さいので,沸水を防止するとともに
「
水の循環を整えるためにドラム内装着物が複
火炉側 嵐気1
雑になっている。図2.4にドラム内装着物の
ヽ
J
ヰ‘
1
音
一例を示す。
ドライボック
ス
バスケット
′
/川
(
スクリ
 ̄ンドライヤ ̄)
給水内管,バッフルプレートなどは取り外
1
善徳ド
ラム
1
胴阪
∴ヽ
して外に出したうえ,十分に清掃する。
や
ドレ
・
−ン
e
\
\
これらの部品を取り外したとき,部品の取
l l
I l
N .
W .
L
旦
・
荒し
内管.
、
寸
給水内
管
付けボルトとナットの数を必ず数えて碓認し
(
診
l
ケ
′
。
l
−
◆
−
ておくことがたいせつである。
・
.試;
・
e l
8−
4−
一
命 l
バッブJ
レ
′
く
ネル
組立時,ナットに不足が生じた場合,新し
図2.2 気水ドラム及び水ドラム
くナットを補給して整備を終ると,あとで運
2.2 水管取付部とケーシング
転中に水管を焼損し事故を起こすことがある。
図2.3に水管のドラムへの取付け郡を示す。水管上部(図(a))は,運転中蒸気部にある
(岳前側より見る)
図2.4 ドラム内装着物
ため蒸気の滞留が起こると焼損を生じやすい。水管下部(図(b))は,常時水中にあるため
沈でん物がたい積したり水による腐食が生じたりする。
図(a)中の①の部分は,図2.1(b)の①に示す部分にあたるところでケーシングをドラムに
取り付ける溶接部に割れが生じやすくガス漏れが起きやすい。図(a)中の②の部分は図2・1
(b)中の②に示す部分にあたり燃焼室と水管群部とのガス流路の分離壁となるところである
が,バッフル工事が難かしいのでガス短絡が生じやすいところである。
2.4 燃焼室
水管ボイラーでは,一般に水管を燃焼室の周囲に配置したいわゆる水冷炉壁(水冷壁)
が用いられている。
水冷炉壁を構成する水管には図2・5及び図2・6に示すものがある。図2・6はタンゼンシャ
ル配列炉壁水管である。
:
−
1
:
−
﹁
.
.
・〇八Y︷YnT ㍉
﹁
〇〇〇〇 ︵
h
図2.6 夕・ンゼンシャル配列炉壁水管
図2.5 炉壁水管
図2.3 水管のドラムへの取付部
一 42 −
高温度の燃焼ガスに触れる伝熱面には表面に酸化物の被膜を生じ,高温酸化現象が現わ
ー 43 −