彩の国 埼玉県 コバトン 病害虫防除情報 平成27年2月12日 埼玉県病害虫防除所 1 情 報 名 2 情報内容 トマトの灰色かび病及び葉かび病について (1)気象要因等について 2月5日に気象庁が発表した季節予報によれば、関東甲信地方の向こう1か月の 気温、降水量はともに平年並と予想されています。 施設栽培では、換気不足で湿度が高くなり、病気が発生しやすくなりますので、 日中は十分な換気に心がけてください。 (2)トマトの灰色かび病 この病気は糸状菌(カビ)が原因で、植物 体全体を侵しますが、果実、花弁、葉などに 多く発生します。果実に発生すると腐敗し、 経済的に大きな被害となります。 施設内が20℃前後、多湿時に発生しやす いので、施設の換気と温度管理に留意してく ださい。病徴が見られた葉・花がら・果実は 摘除し、ほ場外に搬出して、適切に処分して トマト果実の灰色かび病の病徴 ください。 薬剤防除を行う場合は、耐性菌の発現を防ぐために、同一系統の薬剤の連用は 避けましょう。 表1 トマトの灰色かび病防除薬剤例 ボトキラー水和剤 *1 微生物農薬 カリグリーン 炭酸水素塩 収穫前日数 使用 (使用時期) 回数 発病前~ 44(F6) - 発病初期 NC(不明) 1 - アフェットフロアブル チオフェン系 7(C2) 薬 剤 名 系 統 FRAC コード 1 3 カンタスドライフロアブル カルボキシアミド 7(C2) 1 3 * 1 野菜類で登録 (使用基準は平成27年2月9日現在) 散布以外に、ダクト内投入、常温煙霧で使用可能(発病前~発病初期) (3)トマトの葉かび病 この病気は糸状菌(カビ)が原因で、葉 に発生します。初め葉の表面に輪かくが不 明瞭な淡黄色小斑点を生じ、その裏面には 灰黄色~緑褐色のビロード状のカビを密生 します。一般的には下葉から発生し、次第 に上葉にまん延します。 病原菌の発育適温は20~25℃、特に 湿度90%以上の多湿条件で多発します。 換気不足の施設で発生しやすいので、日中 トマトの葉かび病の病徴 できるだけ換気を行い、施設内の湿度を下げてください。発病を認めたら、下葉 かきを行うとともに薬剤防除を行いましょう。 なお、葉かび病抵抗性品種においては、本病と症状が似ている「トマトすすか び病」が県内で確認されていますので、注意してください。 表2 薬 トマトの葉かび病防除薬剤例 剤 名 系 統 FRACコード 収穫前 使用 日数 回数 1 - エコショット 微生物農薬 44(F6) カリグリーン 炭酸水素塩 NC(不明) 1 - アフェットフロアブル チオフェン系 7(C2) 1 3 カンタスドライフロアブル カルボキシアミド 7(C2) 1 3 (使用基準は平成27年2月9日現在) 3 IRACコード及びFRACコードの記載について 病害虫の薬剤抵抗性発現防止の観点から、IRAC(世界農薬工業連盟殺虫剤抵 抗性対策委員会)及びFRAC(同連盟殺菌剤抵抗性対策委員会)の農薬有効成分 作用機構分類コードを平成26年度から新たに記載することとしました。農薬の使 用にあたっては、同一コード薬剤の連用を避けるよう心がけてください。 なお、IRACコード、FRACコード及び分類表については、農薬工業会ホー ムページで最新の情報を確認できますのでご活用ください。 農薬工業会ホームページ http://www.jcpa.or.jp/labo/mechanism.html <農薬使用上の注意事項> 1 農薬は、必ず最新のデータ及びラベル等を確認の上、使用する。 2 剤の使用回数、成分毎の総使用回数、使用量及び希釈倍率は使用の度に 確認する。特に、蚕や魚に対して影響の強い農薬など、使用上注意を要す る薬剤を用いる場合は、周辺への危被害防止対策に万全を期すること。 3 農薬の選定に当たっては、系統の異なる薬剤を交互に散布する。 4 農薬を散布するときは、農薬が周辺に飛散しないよう注意する。 5 周辺の住民に配慮し、農薬使用の前に周知徹底する。 問い合わせ先 埼玉県病害虫防除所 TEL:048-525-0747
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