麦飯石の遠赤外線効果は本当か これからの新商品の開発に挑戦する。 生体に関する遠赤外線効果と誤った商品が多く出まわっている中で、注目さ れたものに麦飯石があった。そこで非加熱遠赤外線グッズの一例として麦飯石 を挙げてみよう。 麦飯石は、東洋医学における薬石効果と遠赤外線効果を結び付けるようにし て遠赤外線ブームの走りの時、いち早く登場した。果たして麦飯石の効能はあ るのだろうか。日本での産品で見解を述べてみよう。外観は麦飯石といわれる ものであるから、斑な米粒位の混合土石であって、その中には土石に含まれて いる鉄分の風化した褐色の斑紋がある。それは、あたかも東海地方の幾分粘土 化を伴った砂婆(花崗岩の風化物)と思われるものであった。その分析値は表 のようである。 分析値から、TiO2、Fe2O3,MgO,CaO などは、鉱物構成のいずれかの成分に なっていることが多いが、ここでは不純物成分として取り扱った。このように 解析してみると、日本の東海地方にみられる花崗岩の風化物に粘土が混入した ものに酷似している。X 線解析で鉱物同定をしたところ、ほぼ砂婆と同じであ った。その分光赤外線放射率曲線は、図のようであって著者の定義する遠赤外 線放射体的特性というべきものであるが、そのあたりの岩石と特に変わった特 徴をもつものではない。したがって、麦飯石に効果があるとしても遠赤外線プ ロファイルの効果とするのには厳しさがある。 ちなみに中国産といわれる麦飯石も同じような放射率曲線であった。このよ うに麦飯石といわれるものは、塩基性マグマが地中深くで岩石化し、それが地 表に現れて風雨に曝され、粘土化を伴うように変質したものである。そのよう なものはアルカリ成分が溶け出しやすい。したがって、仮に麦飯石に何らかの 効果があったとしたら、それはむしろ水との共存において溶け出るアルカリ成 分の還元効果であるかもしれない。この還元力効果と遠赤外線効果で、どちら に優位性があるか判定するのは大変苦しいことであると思っている。 (参考資料 工業調査会 遠赤外線の科学 ブームの中の光と影 高嶋廣夫 著 P95~P97 抜粋) これまでの記をふまえ、日本独自の遠赤外線効果の食器(石器)を開発しよ うとしました。
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