にじみ絵 ―抽象絵画を描く―(平成26年度実施)

2014 冬の教育普及プログラム 造形ワークショップ 「にじみ絵 ― 抽象絵画を描く― 」の様子
企画展「福井青士 ―生命譜―」関連ワークショップとして美術家の小林まどかさんによる「にじみ絵」のワー
クショップを開催しました。最初に「にじみ」の原理を理解するため、水を含ませた筆で和紙に線を引いた上に
墨で直線や曲線を引いたり、点を打ったりして各人が水分量の違いや墨の濃さなどによるにじみ方の変化を実感
しました。その後はにじみをいかした様々な描画法が講師と今回の企画展出品者である福井青士さんによって紹
介されました。受講者それぞれも筆を用いた描画のウォーミングアップを兼ねて体験しました。続いて木の葉や
蓮、野菜の断面などがモノクロームで印刷された下図と白抜き液が配られ、作品づくりにとりかかります。各自
選択した下図を和紙の下に敷き、白抜き液でなぞります。細かな部分は毛先の細い面相筆を用いました。2∼3
枚の下図をなぞり終えると、自分が描きたいモチーフを何枚も描く受講者もいました。時間を見計らって、ドラ
イヤーやアイロンを使って完全に乾燥させ、着色に進みます。5色の顔料が準備され、それぞれが好きな色で和
紙をいろどってゆきました。白抜き液の部分と地の部分の色の染みこみ方の違いを利用し、その効果を楽しむよ
うにおもいおもいに着色していました。次に講師が和紙のちぎり方を実演し、各々も団扇に貼り付けるものを選
んで、好みの形にちぎって乾燥させました。そして配られた無地の団扇に貼り付けて作品が完成しました。日頃
から絵を描くことに親しんでいる方はもちろんですが、久しぶりに筆を手にした方々も、時間の経つのを忘れて
何枚もの和紙に取組み、なかには最終的に団扇に張り付けるものを選ぶのに苦心する姿も見受けられました。
( 美術館 Y.N)
● 実施日 平成 27 年 1 月 11 日(日)13:00 ∼ 16:00
● 対象 小学4年生∼大人まで
1
● 講 師 小林まどか(美術家)
● 参加者 16 名
2
「にじみ」を体感 3
白抜き液で下図をなぞる
4
おもいおもいに着色
着色の実演
5
ちぎって、貼る
6
完成 ! !
● 講師プロフィール
小林まどか(美術家)
2000 年、多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻卒業。2001 年、日本画新人選抜5人展「飛翔 5 ―日本画―」に出品。以降、多数のグループ展に参加。
第 57 回現展にて新人賞。「第 19 回 明日をひらく絵画 上野の森美術館大賞展」、「三浦美術館大賞展」に入選。2002 年、多摩美術大学大学院美術研究科絵画
専攻日本画研究領域修士課程修了。2004 年、「トーキョーワンダーウォール公募 2004」入選。2013 年、「小林まどか展―或る日の夢―」(もみの木画廊)。