小児科専攻医コース こども医療の最後の砦を担う医師

小児科専攻医コース
【概要】
研修期間 3 年間のプログラムである。
こども病院の専門診療科のうち、新生児、循環器、血液腫瘍、集中治療はローテート、
それ以外の診療科(代謝内分泌、脳神経、腎臓、アレルギー、リウマチ)は救急総合
診療としてローテートし、一般小児科を兼務しながら初期対応から二次、三次症例ま
で経験する。
研修連携施設では、総合的な診療、初期から二次救急を中心に、common disease を数
多く経験する。健診事業、予防接種にも参画する。
各専攻医の研修進捗状況によっては、選択として小児麻酔、放射線分野をローテート
することや、先端医療として大学病院での研究分野にも触れることも可能である。
【一般目標】
日本小児科学会専門医の資格を取得できることが最低限であり、小児医療の最後の
砦を守る小児科医として、基礎的な臨床能力を習得する。
研修期間を通じて、A.こどもの専門医、B.人間性・プロフェッショナリズム、C.学
習者・研修者の 3 つの視点から、医療者としての総合的な能力を培う。
こども医療の最後の砦を担う医師
【個別目標】
A.こどもの専門医
1 こどもの特性・疾患に応じた評価と重症度判定に基づいた初期医療ができる。
2 病態評価・重症度判定をもとに治療立案し、高次医療を含む全身管理ができる。
3 重症疾患や特殊疾患に関する専門レベルの検査・治療を理解し、そのチーム医療
に貢献できる。
4 地域病院の特性と限界を知り、かかりつけ医の大切さを理解し、地域病院と協力
して小児医療を行うことができる。
B.人間性・プロフェッショナリズム
5 社会人、医師としての倫理観・ルールを遵守し、自分の医療や行動に責任が持て
る。
6 チーム医療において他職種の立場を尊重し、良好な関係を築き、かつリーダーと
しての医師の役割が理解できる。
7 患児とその家族の心情を理解し、共感できる。
8 医療における安全性・経済性について知識を有し、重要性を理解できる。
- 患者・家族の訴えをよく聞き、良好な人間関係を作ることができる。
- 心身の状態を適切に評価し,思いやりのある態度で診察を行うことができ
る。
- 病状、一般的な治療・予後などを分かり易く説明し,適切な生活指導を行
うことができる。
- こどもが重症疾患に罹患していると知った時の両親の気持ちを理解し,精
神的ケアができる。
- 長期治療が必要となった患児の心情を理解し、年齢に応じた精神的ケアが
できる。
- 同じ病名でも患者毎に病態は異なっており、個々の病状を判断することが
できる。
- 自己の限界を知り、適切なタイミングで応援を要請し、安全な医療を行う
ことができる。
C.学習者・研究者
9
学習と自己啓発を継続できる。
10 臨床の場で感じた疑問を自ら探求し、学会発表や論文発表を実践できる。
- 適切に症例のプレゼンテーションができる。
- 臨床症状から問題点を抽出し、科学的にアセスメントができる。
- 診療の倫理的・科学的妥当性を評価し、EBM に基づいた治療ができる。
- 各分野で行われている臨床研究や治験の意義・目的を理解する。
- 症例の問題点を見出し臨床研究につなげる意識を養う。
症例の問題点、治療の有効性を科学的に検証できる。
難治希少疾患の診断、治療における臨床試験の重要性を理解する。
症例報告や学術発表を通して、学術研究への理解や姿勢を深める。
- 研修期間中に、1 篇以上の学術論文を作成する。
【研修方法】
① プログラムの一例
1 年目:研修連携施設 A(6 か月)-総合診療*(6 か月)
2 年目:総合診療*(6 か月)-新生児(4 か月)-集中治療(2 か月)
3 年目:循環器(4 か月)-血液・腫瘍(4 か月)-選択(4 か月)
(*:神経、腎臓、代謝・内分泌、リウマチ、アレルギーを含む)
ローテートの順番は専攻医ごとに異なります。
② 週間スケジュールの例
ローテートの状況により参加する回診やカンファレンスが異なります。
月
朝
火
水
木
金
回 診 (ICU 系 )
回 診 (ICU 系 )
回 診 (ICU 系 )
回 診 (ICU 系 )
回 診 (ICU 系 )
救 急 カンファ レ ンス
救 急 カンファ レ ンス
救 急 カンファ レ ンス
救 急 カンファ レ ンス
救 急 カンファ レ ンス
午
頭 部 外 傷 カ ンフ ァ レ
腎臓内科抄読会
前
ンス( 第 3 週 )
午
退院症例検討会
血液腫瘍科回診
救急抄読会
後
夕
Case c on fe rence
循 環 器 カ ンファレ ン
血液腫瘍科抄読会
ス
医 局 会 (月 1 回)
症 例 検 討 会 (隔 週 )
腫 瘍 カンファ レ ンス
専攻医勉強会
・全医師を対象としたセミナー及びカンファレンスが月 2 回開催される。
・診療科ごとにカンファレンスが設定されている。
・内科系総回診が週1回設定されている。
・専攻医を対象にした勉強会が月 1 回開催される
【研修体制】
研修管理責任者
上谷良行
小児科専攻医プログラム責任者
中岸保夫
指導責任医
上谷良行(副院長兼小児科部長)日本小児科学会専門医
神戸大学臨床教授
指導医
田中敏克(循環器内科)
日本小児科学会専門医
日本小児循環器学会暫定指導医
中尾秀人(新生児内科)
日本小児科学会専門医
日本周産期・新生児医学会指導医
郷司克巳(代謝・内分泌内科)
日本小児科学会専門医
日本内分泌学会指導医
小阪嘉之(血液・腫瘍内科)
日本小児科学会専門医
日本血液学会認定医
三好麻里(リウマチ科、
アレルギー科)
日本小児科学会専門医
日本アレルギー学会認定指導医
日本リウマチ学会指導医
田中亮二郎(腎臓内科)
日本小児科学会専門医
日本腎臓学会認定専門医
永瀬裕朗(脳神経内科)
日本小児科学会専門医
日本小児神経学会専門医
香川哲郎(麻酔科)
日本麻酔学会専門医
前田貢作(一般外科)
日本外科学会認定医
日本小児外科学会指導医・専門医
神戸大学外科学講座小児外科臨床教授
赤坂好宣(放射線科)
放射線科専門医
核医学専門医