17 <小児科>―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1.研修対象者 ; 小児科を専門として研修希望する大学卒業後 3 年目以降の医師 2.研 修 期 間 ; 3 年間(希望により 1 年毎の更新も可能) 3.研修システムの目的; 小児科専門医を目指す医師に必要な知識、技術、判断力、態度の習得を目的とする。小児疾患は、症状、 疾患の種類、重症度、頻度が年齢により異なることを理解し、また患児の保護者との医療面接では保護者の 不安を理解し、保護者との信頼関係を構築することが重要となる。当院小児科は日本小児科学会認定の研 修施設であり、基本領域の専門医として小児科専門医資格の取得ができる。また、サブスペシャリティー領域 として日本周産期・新生児学会周産期専門医(新生児)の基幹病院、日本アレルギー学会専門医の教育研 修施設としても認定されており、小児科専門医資格取得後、引き続き当院小児科で研修を継続することも可 能である。 4.研修システムの特徴; 当院は NICU を 15 床有し、大阪府の地域周産期センターとして、新生児の高度専門医療を行っている。地 域に根ざした病院として、common disease の診療、乳児健診、予防接種、小児救急医療等の基本的な研 修に加え、アレルギー外来、神経外来、腎臓外来と国立循環器病研究センター小児循環器科医師による心 臓外来、兵庫医科大学小児科医による代謝内分泌外来を専門外来として有していることから、幅広い疾患に ついても専門医の指導を受けることができる。当科は新生児医療と一般小児医療を分けずに研修を行ってお り、出生時より成人するまでの小児を区切ることなく診療できる。また、当院で習得できない小児外科疾患は 兵庫県立こども病院周産期医療センター新生児科、社会医療法人愛仁会高槻病院小児科、神戸大学小児 科、兵庫医科大学小児科の協力により、研修できるシステムもある。 5.年次別研修内容 知識 1 年目 健常新生児の生理と成長、発達の理解 病的新生児の病態についての理解と診断、問題対処能力の体得 予防接種の意義、副反応の理解 一般小児疾患における病態の理解 新生児の取り扱い 診療技能 健常児の乳児健診、予防接種 一般小児医療、その一次救急の対応 診療態度 疾患の説明技術の体得 2 年目 研究 学会発表及び学会参加 研修医・看護師・医学生・看護学生への教育体験 知識 母体搬送、ハイリスク胎児についての知識 分娩立会い(正常及び異常分娩) 診療技能 軽症症新生児の全身管理及び集中治療 一般小児医療の二次救急の対応 診療態度 家族への面接技術の体得 研究 学会発表及び学会参加 臨床的もしくは実験的研究計画の作成と実施への参加 18 知識 診療技能 3 年目 小児・周産期医療の地域化などの社会医学の理解 新生児搬送 一般小児医療の高次救急の対応 診療態度 家族の心理の理解と支援 研究 学会発表及び学会参加 研究論文の刊行 当院の昨年度(2014 年 4 月〜2015 年 3 月)の診療実績 表 1 月別一日平均外来患者数 4月 5月 6月 7月 8月 9月 102 102 94 89 78 92 10月 11月 12月 95 111 1月 2月 3月 122 111 97 93 表 2 月別時間外外来患者数 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 163 146 119 111 102 113 128 178 136 131 112 201 表 3 新生児センターの保育成績 出生体重(g) 入院数 院内出生 (母体搬送) 院外出生 人工換気数 転院数 死亡数 死亡率 ~ 499 4 4 3 0 4 0 2 50.0 500~ 999 20 20 16 0 20 3 1 5.0 1000~1499 24 24 11 0 20 2 0 0.0 1500~1999 38 35 17 3 22 1 3 7.9 2000~2499 153 149 23 4 24 1 0 0.0 2500~ 645 613 44 32 39 12 1 0.2 884 845 114 39 129 19 7 0.8 計 表 4 一般病棟の疾患別入院数 呼吸器疾患 気管支炎 (喘息様気管支炎を含む) 肺炎・気管支肺炎 気管支炎喘息 クループ症候群 細気管支炎 扁桃炎・中耳炎・咽頭炎 縦隔気腫 消化器系 ウイルス性胃腸炎 (乳幼児嘔吐下痢症を含む) 細菌性腸炎 腸重積 急性虫垂炎 新生児黄疸 乳児肝炎 腸間膜リンパ節炎 術後イレウス 神経系疾患 てんかん 熱性痙攣 腸炎関連性痙攣 ウイルス性髄膜炎 腎尿路系疾患 急性腎盂腎炎 尿路感染症 46 急性糸球体腎炎 26 ネフローゼ症候群 46 2 16 1 6 2 70 55 1 55 4 3 3 1 1 2 1 4 35 6 2 感染症 インフルエンザ アデノウイルス感染症 ヘルパンギーナ ヘルペス感染症 突発性発疹症 手足口病 溶連菌感染症 伝染性膿痂疹 蜂窩織炎 化膿性リンパ節炎 組織球性壊死性リンパ節炎 ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群 7 4 3 1 1 3 3 1 3 5 1 1 その他 心筋炎 上室性頻拍症 川崎病 アナフィラキシー ミルクアレルギー 食物アレルギー 蕁麻疹 アレルギー性紫斑病 多形滲出性紅斑 特発性血小板減少性紫斑病 急性リンパ性白血病 小人症 先天性表皮水疱症 周期性嘔吐症 虐待 異物誤飲 薬物中毒 頭部打撲 呑気症 ワクチン接種副反応 合計 1 1 22 4 1 1 4 5 1 1 1 2 1 9 1 1 4 2 1 1 485 19 【指導医】 吉井 勝彦 副院長/小児科部長 (小児科指導責任者) 神戸大学医学部臨床教授 兵庫医科大学臨床教育教授 〔学会資格〕 日本小児科学会専門医 西野 昌光 小児科部長 神戸大学医学部臨床教授 〔学会資格〕 日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医 髙寺 明弘 小児科医長 〔学会資格〕 日本小児科学会専門医、日本周産期・新生児学会新生児専門医 牟禮 岳男 小児科医長 〔学会資格〕 日本小児科学会専門医、日本小児神経学会専門医 髙野 勉 小児科医長 〔学会資格〕 日本小児科学会専門医 水野 洋介 小児科医長 〔学会資格〕 日本小児科学会専門医 五條 あい 小児科医長 〔学会資格〕 日本小児科学会専門医 平松勢津子 小児科医員 〔学会資格〕 日本小児科学会専門医 下村真由美 小児科医員 〔学会資格〕 日本小児科学会専門医 南 麻衣子 小児科医員 〔学会資格〕 日本小児科学会専門医
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