第12回 金沢市児童科学教室 ~「教具の正しい使い方」の意味!~ 11月14日(土)、12回目の「金沢市児童科学教室」が開催されました。 明成教室と中央教室の5年生は、「ガスバーナーを使って作ろう」の1回目「べっこ う飴づくり」でした。まずは、ガスバーナーの使い方の実習です。学校ではまだやった ことがない児童が殆どで、アルコールランプとは比べものにならない火力の強さや、「ガ ス」という何だか怖そうな燃料を扱うということで、皆真剣に聞いていました。 明成教室ではマッチの扱いから始まりました。最近は家庭でも殆どマッチを使いませ ん。そこで「理科学習でのマッチ不要論」もあるようですが、科学教室では「基本的な 操作の習得」の経験や、「火の正しい扱い方」の理解のためにも、ずっと指導していま す。 今回の指導で感心し たのは、“燃えがら入れの 置き方”の説明でした。「ど こに置くのかは、利き手に よる」というのです。つま り、右利きなら右側に、左 利きなら左に置くと良いと いうことです。たったそれ だけか、と思うかもしれま 〔きちんとした指導と、真剣な子ども達(燃えがら入れの位置に注目)〕 せんが、「理科の教具の正しい扱い方には、必ず理由がある」ことに気付かせる、とて も大事なことだと思います。 上皿天秤で「物の重さを量る時と、薬品などを量りとる時」では、分銅をのせる皿が 反対になりますが、これを丸暗記するとすぐに忘れてしまいます。しかし、どちらにの せるかは利き手によって違うことを理解していると、その場で思いつくことができます。 中央教室では、べっこう飴を作る際の、砂糖を加熱するカップの話をしていました。 普通のアルミカップと、マドレーヌ用の厚手のカップを比較しながら、普通のアルミカ ップは、少し傾くと形が崩れて、高温の液状になった砂糖が流れ出て危ないから、必ず 厚手の物を使うようにと実物を見せながら話がありました。これも、授業ではここまで 言わずに、安全なマドレーヌ用のカップを黙って使わせる所だと思います。「実験は与 えられるものではなく、自分たちで作り上げていくもの」 という基本的な捉えが生きていて、良い指導だと感じま した。 泉教室は、「使い捨てカイロのあたたまるひみつをさ ぐろう」で、使い捨てカイロの自作に取り組んでいまし た。封筒の中に、きっかり20gの鉄粉を入れるのです が、見ていると、慎重に少しずつ何回にも分けて量って いるグループがある一方で、20gの目安が分かってい るグループは、最初は大胆に量り、18g当たりになって 〔鉄粉を量りとる子ども達〕 から、慎重に量り、最後は、薬さじの反対の「耳かき」のような部分を使って微調整し ていました。「機械的にただやるのではなく、目安を持って行う」ことが、本当の「正 しい使い方」につながると感じました。
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