平成27年度「全国学力・学習状況調査」結果についてのお知らせ 佐賀

平成27年度「全国学力・学習状況調査」結果についてのお知らせ
佐賀市立兵庫小学校
4月に文部科学省による学力・学習状況調査を実施しました。これは、義務教育の機会均等とその水準の
維持向上の観点から、児童生徒の学力や学習の状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、改善
を図ることが目的です。学校においては、児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てること
やこれらの取組を通じて、教育に関する継続的な検証改善を確立することを目的としているものです。
結果を基に、本校児童の学力の傾向を分析し、学力向上について対応策をまとめました。その概要につい
てお知らせいたします。
■ 調査期日
平成27年4月21日(火)
■ 調査の対象学年
小学校6年生
■ 調査の内容
(1) 教科に関する調査
主として「知識」に関する問題
〔国語A、算数A、理科〕
主として「活用」に関する問題
[国語B、算数B、理科]
・ 身に付けておかなければ後の学年等の学習内容に ・ 知識・技能等を実生活の様々な場面に活用する力な
影響を及ぼす内容
どにかかわる内容
・ 実生活において不可欠であり常に活用できるように ・ 様々な課題解決のための構想を立て実践し評価・改
なっていることが望ましい知識・技能など
善する力などにかかわる内容
(2) 生活習慣や学習環境に関する質問紙調査
児童生徒に対する調査
学校に対する調査
学習意欲、学習方法、学習環境、生活の諸側面に関
指導方法に関する取り組みや人的・物的な教育条件
する調査
の整備の状況、児童生徒の体力・運動能力の全体的な
状況等に関する調査
■調査結果及び考察について
全国学力学習状況調査は小学 6 年生(中学 3 年生)と限られた学年が対象であり、教科は国語と算数(数
学)、理科に限られています。さらに、出題は各教科の限られた分野(問題)です。したがって、この調査によ
って測定できるのは、
「学力の特定の一部分」であり「学校教育活動の一側面」であることをご了解の上、
ご覧ください。
■ 調査結果及び考察
1 国語
(1)結果
全国正答率との比較
調査A(知識)
100.0
80.0
60.0
40.0
20.0
0.0
調査B(活用)
100
80
全国
60
本校
40
全国
本校
20
0
書くこと
読むこと
基礎的な問題を問うA問題の話す・聞く、書くことが少し全国平均を下回っている。しかし、他の領域や活用力を問うB
問題では全国平均を上回っていた。無回答率が全国平均より高い問題が1つあるが、他はすべて全国平均と比べると
無回答率は低い。
(2)成果と課題
話す・聞く
聞き方の説明として適切なものを選択する問題では、全国平均正答率53.0%を本校は48.5%と下回っている。無
回答率も1.0%(全国平均0.5%)少し高い。話し手の意図をとらえながら聞き、自分の意見と比べるなどして考えをま
とめさせる手立てをとる必要がある。(知識問題)
書く
説明の文章の書き方の工夫として適切なものを選択する問題では、全国平均正答率86.0%を本校は83.5%と下
回っている。書こうとすることの中心を明確にし、目的や必要に応じて理由や事例をあげて書く力をつける必要がある。
(知識問題)
読む
登場人物の気持ちの変化を想像しながら音読する工夫を記述する問題では、全国平均正答率66.6%を本校は76.
0%と上回っている。無回答率は6.7%(全国平均15.1%)と低いものの、無回答率が問題の後半になると前半と比べ
て上がってくる。全児童に答えを書こうとする意欲を持続させる必要がある。(活用問題)
言語事項
漢字の読み書きは、全国平均正答率を上回っている。主語を選択する問題(本校正答率65.0%)、文の型として適
切なものを選択する問題(本校正答率73.8%)も全国平均正答率を上回っているものの、漢字の読み書きの問題の正
答率と比較すると少し低い。文の中の主語と述語の関係や文の構成についての理解力をつける必要がある。(知識問
題)
(3)学力向上のための取り組み
【学校では】
○全校児童が心静かに落ち着いて1日をスタートできるように朝読書に取り組みます。
○授業の中で、自分の考えを表現する場を設定し、コミュニケーション能力の向上を目指します。
○ペアや少人数グループでの学習を通して、自分の考えをまとめ、表現する力を養っていきます。
【ご家庭では】
○国語の学力向上には音読が大切です。繰り返し音読を行い、すらすら読めるようになることで、理解が深まり、
文章の要点や意図を捉えることができるようになります。音読を毎日聞いてあげてください。
○語彙力を高め、知識の幅を広げるためにも読書は有効です。ご家族で読書する機会を設けることで、お子さん
との会話が増え、文章力・表現力も高まっていきます。
2 算数
(1)結果
全国正答率との比較
調査A(知識)
100
80
60
40
20
0
調査B(活用)
全国
本校
100
80
60
40
20
0
全国
本校
基礎的な知識を問うA問題は全国平均をすべて上回っている。活用力を問うB問題は全国平均とほぼ同等であるが、
数量関係は全国平均を下回っていた。観点別では、知識・理解、技能はよくできているが、数学的な考え方に課題がみ
られる傾向にあった。
(2)成果と課題
数と計算
・計算問題についてはすべて全国平均を大きく上回った。のびのびタイム(計算タイム)や毎日の宿題による繰り返し学
習の成果が出ている。巻き尺で正三角形を作る問題や概数でペットボトルキャップの数を見積もる問題など、算数を実
生活に生かす問題に課題がみられたので、生活場面での活用を意識させていきたい。
量と測定
・角度の問題や図形の面積を求める問題は、全国平均を大きく上回った。角の大きさを正しく測ったり、図形の面積を出
したりする基本的な技能問題はよくできている。しかし、3年生の学習内容である、所要時間や終了時刻から開始時刻を
逆算する時間の計算に課題がみられた。算数の時間以外でも時刻や時間を意識させ、繰り返し使わせていく必要があ
る。
図形
・図形の性質や構成は、図形を実際に書いたり作ったりする活動を重視したことでよく理解できている。しかし、図形の
性質を用いて、考えの根拠を説明する問題に課題がみられた。これからも、問題を解くだけでなく、説明する活動も力を
いれていきたい。
数量関係
・図と式を関連付ける問題は、全国平均を大きく上回った。これは、授業でいつも図・式・言葉を関連づけて考えている
成果である。しかし、トマトパックの 1 個あたりの値段からお得な買い方を考える問題、洗剤の20%増量から増量前の量
を考える問題、割引されたパンがさらに割引されたときの値段を求める問題に課題がみられた。割合の学習では、基準
量と比較量の関係を図に表したり、生活に活用したりすることをさらに大切にしていきたい。
(3)学力向上のための取り組み
【学校では】
○授業では、話し合いの学習を取り入れ、グループで説明し合ったり、いろいろな考え方を聞きあったりす
ることで、理解をさらに深めていく学習を全学級で取り組みます。
○朝の「のびのびタイム(計算タイム)
」では、基礎基本の確実な習熟をめざします。
○TT・少人数指導、プリント、ドリル、宿題チェックなどで、個々のつまずきを早期にみつけ、指導して
いきます。
【ご家庭では】
○お子さんの宿題、テストには目を通し、お子様ががんばったことは励ましほめましょう。また、家庭生活の
中でも算数を意識させましょう。
「お菓子で加減乗除」
「料理で量や重さ」
「買い物で割合」
「生活の中で時刻と
時間」
・・・学校で学習したことと結びつき、さらに理解が深まり、表現力も高まります。
3 理科
(1)結果
全国正答率との比較
A区分
B区分
100
100
80
80
60
全国
40
本校
20
60
全国
40
本校
20
0
0
物質
エネルギー
生命
地球
A区分(物質・エネルギー)、B区分(生命・地球)ともに全国平均を上回っている。
(2)成果と課題
A区分(物質・エネルギー)
・振り子時計の進み方を調節する内容を選ぶ問題では、全国正答率よりも 15 ポイント以上上回った。振り子の運動の規
則性を振り子時計の調整の仕方に適用できているといえる。
・水の温まり方の予想を基に、温度計が示す温度が高くなる順番を選ぶ問題では、全国の正答率よりも 12 ポイント以上
上回った。予想が一致した場合に得られる結果を見通して実験を構想できているといえる。
B区分(生命・地球)
・方位についての情報から、観察している方位を選ぶ問題では、全国の正答率よりも20ポイント以上上回っていた。方
位を判断するために、観察した事実と関連付けながら情報を考察して分析することができると言える。
・顕微鏡の適切な操作方法を選ぶ問題では、全国の正答率よりも下回った。顕微鏡を操作する時間を十分に確保する
のは難しいが、手立てを考える必要がある。
(3)学力向上のための取り組み
【学校では】
〇実験する時には、
「変える条件」と「変えない条件」を明確にし、条件を整理して実験することができるよ
うにしています。
〇実験の結果を表やグラフなどにまとめて考察し、根拠や理由を示しながら自分の考えを記述できるように
します。
【ご家庭では】
〇子どもが「はてな?」と思ったときに、すぐに答えずに、大人や家族が一緒に調べたり、調べる方法を教
えたりすることで理科が好きな子に育つといわれています。
〇お子さんが科学や自然、生物など、理科の分野で興味を持ち始めたときには、本やテレビを紹介したり、
理科に関係するような展示物があるところ連れて行ったりして一層、好奇心が高まるような手立てをとって
ください。
4 生活習慣や学習習慣に関する調査
(1)結果
《生活習慣について》
調査項目
本校%
全国平均%
毎日、同じくらいに起きる。
65.4%
60.0%
毎日、同じくらいに寝る。
38.5%
39.2%
朝食を毎日食べていますか。
85.6%
87.6%
平日2時間以上テレビを見る。
58.7%
59.2%
平日2時間以上ゲームをする。
(TV ゲーム・パソコン・携帯型等も含む)
19.3%
30.2%
平日読書を30分以上している。
34.6%
45.2%
平日読書を全くしない~10分未満。
32.7%
35.7%
全国平均と比べると、ほぼ同程度の結果である。毎日朝食を食べている児童は全国平均に比べて2.0%下回ってい
るが、毎日朝食を食べていない児童が14.4%と昨年よりやや改善が見られる。しかし、14.4%の児童を改善していく
ことは、継続すべき課題である。
また、読書を30分以上している児童は全国平均に比べて10.6%下回っているため、読書の習慣をつけることが課題
である。
《家庭学習の様子》
調査項目
本校%
全国平均%
平日2時間以上勉強している。
21.1%
25.7%
平日1~2時間勉強している。
43.3%
37.0%
平日0~1時間勉強している。
35.6%
37.2%
家で、学校の宿題をしている。
(どちらかといえばしているも含む)
家で、授業の予習をしている。
(どちらかといえばしているも含む)
家で、授業の復習をしている。
(どちらかといえばしているも含む)
97.1%
48.0%
65.4%
96.8%
43.4%
54.5%
全国平均を上回っている項目が多い中で、家庭での予習、復習については、4.6%、10.9%と大きく上回っている。
しかし、「平日2 時間以上勉強している」の項目については4.6%下回っている。平日1 時間以上勉強している児童は6
4.4%いるが、全国平均62.7%と同程度であるので、学習時間が1時間未満の児童35.6%を改善し、家庭学習の時
間を伸ばすことが課題である。
(2)改善に向けての取り組み
【学校では】
○読書習慣をつけるために、通知表(みのり)に学期毎の読書数を記載したり、放送で月ごとの学級平均貸
出数などを知らせたりすることで、児童の読書意欲を掻き立てる工夫を継続して行います。
○宿題では、復習の徹底、興味をもてるような調べ学習等を出し、家庭学習の時間を1時間以上取るよう指
導をしていきます。
【ご家庭では】
○5人に1人は平日も 2 時間以上ゲームをしており、平日 2 時間以上テレビを見る児童は、6 割近くいます。
その時間を家庭学習の時間に当てるためにも、家庭での学習・ゲーム・テレビ等の約束、言葉かけをよろし
くお願いします。
○平日読書を 30 分以上している児童は、34.6%と低くなっています。もっと多くの児童が読書の習慣がつく
よう家庭でも言葉かけや読み聞かせをしていただきますよう、よろしくお願いします。
○毎日、決まった時間に寝て、起きて、朝食をしっかり食べる習慣がつくよう言葉かけをお願いします。