感染症ひとくち情報「感染性胃腸炎(ノロウイルス等)にご注意ください」

感染症 ひとくち情報
感染性胃腸炎(ノロウイルス等)にご注意ください
2015年12月4日
東京都健康安全研究センター
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感染性胃腸炎とは
感染性胃腸炎とは、主にウイルスなどの微生物を原因とする胃腸炎
の総称です。原因となるウイルスには「ノロウイルス」「サポウイル
ス」「ロタウイルス」「アデノウイルス」などがあり、主な症状は腹
痛、下痢、おう吐、発熱です。
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2014-15年シーズン ウイルス別
検出割合(74件)
サポウイルス ノロウイルス
GⅠ16.2%
16.2%
ロタウイルス
13.5%
季節的な流行と変異型の出現
ノロウイルス
感染性胃腸炎は、例年、10 月から増加し、12 月頃をピークとして
GⅡ54.1%
3 月まで多発します。感染性胃腸炎の原因として最も多いものがノロ
ウイルスですが、ノロウイルスは他 (人/定点 *)
患者報告数の推移
のウイルスと比較して変異しやすく、25.0
昨シーズン(東京都)
新しい変異型がたびたび出現します。
過去5シーズン平均(2010-15)
20.0
今シーズン(全国)
最近では、2012 年から 2013
今シーズン(東京都)
年にかけて流行しました。変異型は、15.0
過去の免疫が効きにくくなるため、
10.0
そのことが流行を引き起こす一因と
考えられます。
5.0
今年の 1 月以降、新たな変異型の
0.0
ノロウイルスが国内や中国で検出さ
36
41
46
51
4
9
14
19
24
29
34 (週)
れています。この変異型が大流行の
* 定点医療機関:患者が多い疾患を把握するために受診患者数を報告
している都指定の医療機関
きっかけとなるかは予測できませんが、
* シーズン:感染性胃腸炎は流行時期に合わせ、毎年、第 36 週(8
冬場に向けて十分な注意が必要です。
月末~9 月初旬)から翌年の第 35 週までの 1 年間を感
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染性胃腸炎の流行シーズンとして情報提供を行っていま
す。2015-2016 年シーズンは 2015 年 8 月 31 日か
ら 2016 年 9 月 4 日までです。
予防のポイント
どのウイルスであっても予防のポイントは変わりません。
• こまめな手洗いを習慣づけましょう。特に排便後、調理や食事の前には、その都度、石
けんと流水で十分に手を洗いましょう。
• おう吐物やふん便を処理する時は、使い捨ての手袋、マスク、エプロンを着用し、次亜
塩素酸ナトリウム(塩素系の漂白剤)で処理しましょう。処理をした後は石けんと流水
で十分に手を洗いましょう(施設では処理用具のセットを予め準備しておきましょう)。
• ノロウイルスはカキなどの二枚貝に潜んでいることがあります。調理する際は、中心部
まで十分に加熱しましょう(中心温度85~90℃で少なくとも90秒間の加熱が必要
です)。
*都内のノロウイルスの検出状況や、今年の流行状況をお知りになりたい場合は、東京都感染
症情報センターの「感染性胃腸炎」のページをご参照ください。
感染性胃腸炎
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