PS 及び SM の 2015 年 9 月度及び 7~9 月期実績概況 1) PS の 2015

2015 年 10 月 20 日(火)
日本スチレン工業会
PS 及び SM の 2015 年 9 月度及び 7~9 月期実績概況
1) PS の 2015 年 9 月度の実績概況
生産は 63.6 千㌧と前月より増えて+4%、また、前年同月比では+13%となり 3 か月続いてプラス
となった。
国内出荷は 52.6 千㌧と前月比+14%となった。8 月は出荷が少ない月であり今月増えた形となった。
一方、前年同月比では-7%と減っている。包装用、雑貨・産業用、フォームスチレン用、電機・工業用全て
前月比プラスとなっているが、前年同月比では逆に全用途がマイナスになった。
用途別では、包装用は前月比+7%、前年同月比では-7%の 23.0 千㌧。HI シート、OPS、乳酸菌、射
出成型その他全て前月比プラスとなっている。一方、前年同月比では全用途マイナスとなった。雑貨・産
業用は前月比+2%の 6.1 千㌧となったが、前年同月比では-25%と大きくマイナスに転じた。フォームスチレ
ン用は前月比+23%と大きく増やしており、前年同月比ではほぼ前年並み-1%の 16.2 千㌧となった。
PSP、ボードとも前月比大きくプラスとなったが、前年同月比で PSP は 3 か月続いてマイナスとなった。一方、
ボードは 4 か月続いて大きくプラスで推移している。電機・工業用は 7.3 千㌧と前月比+27%と大きく増
やしており、前年同月比ではほぼ前年並みの-1%に留まっている。この 6 か月は比較的好調に推移
している。生活家電、事務機器、記録メディアは比較的好調な出荷を続けている。
輸出は 2.7 千㌧となり前月比+34%、前年同月比では+23%と少ないながらも大きく増やしている。
出荷合計は 55.3 千㌧となり前月比+14%と大きく増えているが、前年同月比では-6%となった。
在庫は生産が大きく増えており、8.6 千㌧程増えて 77.7 千㌧となった。(在庫月数 1.4 ヶ月)
2) PS の 2015 年 7~9 月期実績概況
生産は前期比+22%増えて 190.5 千㌧となり、前年同期比でも+11%となった。
国内出荷は前期比-15%、前年同期比-5%の 153.5 千㌧と減少したが、第 3 四半期までの累計では
まだ前年並みとなっており、今後の動向が気になるところである。出荷用途別では、量は少ないが前年
同期比電機・工業用はプラスだが、その他包装用、雑貨・産業用、フォームスチレン用は各々マイナスとなった。
包装用は前年同期比-4%の 70.0 千㌧となったが第 3 四半期までの累計では前年をやや上回っている。
HI シート、射出成型その他はプラスだが、OPS、乳酸菌はマイナスとなっている。雑貨・産業用は前年同期比
-11%と減らし 18.5 千㌧となった。フォームスチレン用も前年同期比-5%の 43.9 千㌧とマイナスになった。ボ
ードは第 2 四半期、第 3 四半期と好調に推移してきているが、PSP は第 3 四半期までの累計ではマイナス
となっている。雑貨・産業用、フォームスチレン用とも第 3 四半期までの累計では前年を下回っており、第 4 四
半期の動きが気になる。電機・工業用は前年同期比+1%の 21.2 千トンとなり、第 2 四半期、第 3 四半
期とプラスを維持している。
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2015 年 10 月 20 日(火)
日本スチレン工業会
輸出は前期比+15%、前年同期比+9%の 7.3 千㌧と増えている。第 3 四半期までではほぼ前年並み。
出荷合計は、国内出荷が減少しているため前期比-14%、前年同期比-4%の 160.8 千㌧となった。
輸入は 8 月までで 28.1 千㌧と少なく、特に 7 月、8 月は各々1.5 千㌧、1.3 千㌧と 2 か月続いて 2 千㌧
を割り込んできている。今後 1.5 千㌧程度で推移すると年間 40 千㌧を切り、35 千㌧程度になる可能性
もある。
在庫は、前期がかなり低かったためこの第 3 四半期は増えた形となり、在庫月数では 1.4 ヶ月となった。
3) SM の 2015 年 9 月度の実績概況
生産は、196.5 千㌧となり、前月比-1%とほぼ前月並み、しかし前年同月比では+19%と大きく増えて
いる。これは昨年 2 社 2 工場が 9 月定期修理をしていたが、今年は 1 社 1 工場の定期修理が 9 月下
旬からとなっていることも影響していると思われる。それでも、日本オキシラン(412 千㌧)が撤退した後
の生産量としては、やはり高いレベルが維持されている。
国内出荷は 127.3 千㌧となり前月比-2%、しかし前年同月比では+21%と前月に続き大きくプラスを維
持している。用途別では、PS 向けが 57.8 千㌧と前月比-6%と減らしたものの、前年同月比では
+18%とこの 3 か月大きく増やしている。ABS は前月比+7%と増えて 19.0 千㌧となった。前年同月比
でも+14%と大きくプラスに転じている。合成ゴムは前月比-12%と減って 11.3 千㌧になったが、前年同
月比では少し増えて+6%となった。EPS は前月比+16%と大きく増やし 8.7 千㌧となったが、前年同月
比では-9%となりこの 5 か月マイナスを継続している。不飽和ポリエステルは前月比+34%の 1.9 千㌧、但
し、前年同月比では-16%とマイナスとなっている。
輸出は 68.7 千㌧と前月比+9%となったが、前年同月比では-7%となり、日本オキシラン停止により 5
月以降は前年同月比マイナスで推移している。
出荷合計は 196.0 千㌧となり、前月比+2%、前年同月比では+9%となった。出荷全体に占める輸出
の割合は今月も約 1/3 に相当しており、日本オキシラン停止後の生産減分は輸出で調整している構造
になっている。
在庫は、59.3 千㌧とほぼ前月並みで推移し、在庫月数も 0.3 ヶ月と横ばい。
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2015 年 10 月 20 日(火)
日本スチレン工業会
4) SM の 2015 年 7~9 月期実績概況
生産は、この第 3 四半期は 589.8 千㌧となり、前期比-2%だが、前年同期比では+1%とほぼ前年並
みに留まっている。昨年は 8 月下旬から 2 社 2 工場の定期修理があったが、今年は 1 社 1 工場の定期
修理が 9 月下旬より始まっているのみである。日本オキシランの停止があったものの高い生産量となっ
ている。今年は春の定期修理も少なかった一方、日本オキシランの停止があり第 3 四半期まではほぼ
前年並みで推移しており、今後 1 社 1 工場の定期修理が 11 月中旬まで続く見込みだが、このまま他の
プラントの高稼働が続けば年間 2,400 千㌧に近い生産が見込まれる。
国内出荷は、前期比+12%、前年同期比+9%の 383.2 千㌧と高い出荷レベルとなっている。この第 3 四
半期までの累計ではほぼ前年並みの出荷を維持しており、やはり今後月 125 千㌧程度出荷維持できれ
ば 1,400 千㌧程度の年間出荷量となる。 主力の PS 向けは 185.6 千㌧と前期比+24%、前年同期比
+17%と増やしている。現在は前年を上回る出荷量を維持している。ABS は 54.1 千㌧となり前年同期比
では-9%と減っており、第 3 四半期までの累計でも昨年を下回る数量で推移している。一方、合成ゴム
向けは前期比+4%の 36.3 千㌧と少し増えているが、前年同期比では-2%となった。第 3 四半期まで
の累計ではほぼ前年並みで推移している。EPS は前年同期比-4%となり、今年は総じてマイナスで推移
しており厳しい状況。不飽和ポリエステル向けは前年同期比-11%とマイナスに転じているが、第 3 四半期ま
での累計では比較的堅調に推移している。
輸出は、前期比-35%、前年同期比-19%の 190.5 千トンと大きく減少しており、日本オキシラン停止
の影響がこの第 3 四半期で顕著に現れてきている。今後も国内出荷をある程度維持し、輸出でバランス
を取ることになりこの傾向が続くものと思われる。
出荷合計では輸出が大きく減っており前期比-10%だが、前年同期比では-2%の 573.7 千㌧に留
まっている。第 3 四半期累計でもプラスを維持しており、この出荷が維持できれば昨年並みの 2,400 千㌧
が見込める。
在庫は、前期よりは少し増えて 59.3 千㌧となったが、在庫月数では 0.3 ヶ月を維持している。
(以上)
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