「片倉高校野球部への入部を考えている中学生・保護者の皆様へ」 片倉

「片倉高校野球部への入部を考えている中学生・保護者の皆様へ」
片倉高校野球部の宮本秀樹です。現在、片倉野球部は秋季大会ブロック予選(会場 片倉
高校)で3連勝し、ブロック代表となり、10 月 10 日からの都本大会での活躍、上位進出めざし、
練習に励んでいます。部員は現在、1 年生男子 33 名[9 月より他県よりの転入生含む]女子マネ
3 名、2 年生男子 20 名、女子マネ 3 名、合計 59 名です(1,2 年生)
私は、大学時代母校である東京学芸大附属高校の野球部 OB 監督を引き受け選手を指導
する楽しさを知り都立高校の教員になりました(社会科・世界史)。それから 34 年監督、部長と
して高校野球の指導に携わってきました。
初任の野津田高校 6 年のあと 29 才の時、2 度目の準優勝の直後の東大和高校へ着任しまし
た。東大和は「甲子園のこころを求めて」の著者である佐藤道輔先生が指導するチームで「都
立の星」として多くの学校から目標とされ、期待されているチームでした。100 名を超える部員
達は東大和の部員であることに大きな誇りを持っているようにおもえました。その東大和で監
督として選手を指導する一方で、佐藤道輔先生より高校野球の在り方、指導者としての心構
え、チームづくりの基本などを直接学んだことは今思えば私の宝物であり、今の私の指導の原
点です。
「最初にスパイクを履き替えた者がグランドの一番遠くまで(キャッチボールのため)走ってい
け。それを損したなんて思うな」「先輩だからといって頭を下げる必要はない、たかが 1、2 年早
く生まれただけじゃないか。あの人は尊敬できると思えば自然と頭は下がる。上級生はそういう
先輩になれ」「ベンチで指揮官の監督がいつも偉そうに座っているようなチームが勝てるか。戦
う先頭に立て」「相手への本当の敬意の気持ちなしでは試合は成立しない」「ボールが飛んだり
跳ねたりするところに友がいるから野球は素晴らしいんだ」「大人数のチームは常に活性化して
いないと組織が淀み腐ってしまう」「俺は選手に理不尽な要求をしながら選手全員と戦ってい
るんだ」「全体として、ひとつにまとまっていながらも、その中で 1 人 1 人が自己主張している。
そんなランニングを目指せ」「全員野球は単なる形式ではない思想であり哲学だ」「選手はこん
な野球をしたくてここにきているんじゃない選手の期待に答えてやることも指導者の責任だ」な
どなど次々に思い出されます。言われた時にはカチンときたり、意味がわからない言葉もありま
したが今は自分自身の財産です。
次の府中工業では、東大和の卒業生の大学生コーチの協力で一からのチームづくりに着手
しました。メンバーぎりぎりのチームが年々選手が増加 80 名を超えるチームになり、それととも
に着実に力をつけていき 3 度の秋季大会ブロック優勝(24 校)や秋季大会ベスト 8 になりまし
た。
1 年生の秋に内野手から投手にコンバートした高江洲拓哉が急成長し、都立高校の投手と
して初のドラフト指名を受け中日ドラゴンズに入団したことなど数多くの経験をさせてもらいまし
た。チームの成長を実感できた 11 年間でした。
そして現在の片倉。平成 21 年秋より監督となり現在 6 年目。平成 22 年春夏ベスト 16、23
年春ベスト 16、24 年春ベスト 16 夏、西東京大会ベスト 4 に進出しました。そして昨年も春ベス
ト 16 で夏は 2 年ぶりのシード校で戦いました。
3 年前の神宮球場での準決勝の勝利の喜びと準決勝での悔しさ、知らない人から注目され
応援してもらえる喜びとプレッシャーなどを選手といっしょに経験しました。あの場所で緊張のな
かでのびのびと笑顔でプレーする選手たちを本当に頼もしく感じました。
卒業生で大学に進学して野球を続ける者もふえてきました。駿河台大学に進学、新大学リ
ーグで二部優勝、入れ替え戦で勝って一部昇格の立役者となった。後藤凌太投手(4 年)の活
躍などは後輩たちにいい刺激になっています。
すべての選手がそれぞれの目標をもって、努力し、生き生きと活動し、成長していけるチー
ムを目指し、努力していくつもりです。
君たちが入学し、入部してくれる頃はもっと成長したクラブになっていきたいと思っています。
いっしょに大きな目標を持って頑張っていきましょう。
2015 年 9 月
東京都立片倉高等学校
野球部監督
宮本秀樹