だから私は努力を続ける 魚沼市立小出中学校2年 湯本 雅 「みやび」はぁ

だから私は努力を続ける
魚沼市立小出中学校2年 湯本 雅
「みやび」はぁ。また私が交代かぁ。なんで?どれだけがんばっても、どれだけ努力し
ても、どうしていつも私なんだろう?私はバスケットボール部に入っている。試合の途中
そんなことを思いながらベンチに戻った。今日もいつもと同じだ。私の頭の中には、
「不満」
や「疑問」しかなかった。
もうこんな思いはしたくない。そう思い、毎日の練習を一生懸命がんばった。しかし、
試合中考えるのは、
「交代自分だったら嫌だなぁ」「ナイスプレーしなきゃ」などと、自分
のことしか考えられず、いつもと同じで終わってしまった。こんな情けない自分にイライ
ラして、涙すらでない日々が続いた。
そんな気持ちのまま、ついに迎えた郡市大会。私たちが目標としてきた、県大会出場に
つながる大事な大会だ。一日目、一試合目は、今まで引き分けや、五点差で負けるなど、
同じ位の強さの相手だ。この試合に負けてしまうと、県大会出場をのがしてしまう試合だ
ったので、練習から選手や先生、外部コーチが一丸となって、毎日頑張ってきた。アップ
中も両チームの間にピリピリした雰囲気がただよっていた。私は緊張でひざがガクガクだ
った。
「ピーーーー」いよいよだ。
「お願いします‼」両チームあいさつをし、試合が始まった。
みんなの足を引っ張らないように自分のできることを精一杯やろう。そう思い、自分なり
に頑張った。しかし、ただ走って、パスして、シュートを打ってはずれて、とくに何もで
きないまま、
「みやび」そう呼ばれ、他の選手と交代してベンチに戻った。悔しかった。試
合にでたかった。もっとみんなの役に立ちたかった。チームとして試合には勝ち、それは
とても嬉しかったけど、自分自身に克てなかった悔しさで、心にモヤモヤしたものが残っ
ていた。
なかなか切りかえられず、ずっと、ボーーーーっとしていたとき、「男バスの試合応援し
よ!」と言われ、女バスみんなで、応援歌をさけびながら応援していた。
「え?ヤバくない?」
私たちの視線の先には、ゴール下で歯を食いしばり、とても苦しい表情をして三年生が倒
れていた。その三年生は、前日の練習でケガをしてしまっていたのだ。それでもその三年
生は、意地でも立ち上がり、シュートがはずれたボールをとり、ゴールに押し込んでいた。
私は、その必死にがんばる姿を見て、やっぱり、チームのために、ケガをしてまでも一生
懸命がんばっている人は、周りからは応援したいと思われるだろう。コーチも、教えてあ
げたい。もっと上手くなってもらいたい。と思ってもらえるんだなぁと感じた。
二日目、完全に気持ちを切り換えることは出来なかったけど、「昨日の自分を超える」と
心に誓い、試合に臨んだ。一試合目、結果は大差で負けてしまった。試合中、先生とコー
チに、
「何でベンチに下げられるか分かるか?一回ミスしてまた同じミスを繰り返して、全
く反省していないからだ。
」と言われた。あぁ、その通りだと気付かされた。試合が終わっ
てから、涙がボロボロボロボロ止まらなかった。こんなまま、またいつもと同じでいいの?
今まで頑張って努力してきたんじゃないの?ここで泣いたって何も変わんないよ?こんな
自分に絶対克ってやる。もう負けたくない。今までの気持ちがグルグル頭の中を回ってい
た。このとき、何かが目覚めた。
「そうだ、私は負けることが嫌いなんだ。
」
二試合目、三位決定戦。「強い気持ち。強い気持ち。」と心の中で何度も言い続けた。プ
レッシャーに押しつぶされそうになったけど、一心不乱に走り回って、最後まであきらめ
なかった。シュートをうつとき、今までの練習の記憶がよみがえってきた。スパッ!「や
ったぁ!」練習してきて良かった、無駄じゃなかった、と初めて思えた。
バスケを通して、改めて、気持ちや努力だけでは認めてもらえない実力の世界があると
いうことを学んだ。それと同時に、努力は裏切らない、努力したことは必ず結果となって
返ってくるということも感じた。私は、これからもっともっと努力を続けて、自分を成長
させていきたい。そして来年こそ、上の大会にいけるように、今年の悔しさ、涙、努力の
大切さを忘れず、日々の練習をがんばっていく。