国家戦略化するデジタルアーカイブ

地域振興とIT
京都の観光コミュニケーションを中心に
2006年10月6日
CEATEC JAPANパネル
「関西から発信するICT利活用」
平安女学院大学教授
清水宏一
京都の特徴的産業
 「京都」の連想
歴史、文化、寺社仏閣、舞妓、京料理、京菓子、
観光地、きもの、お茶漬け、京ことば、etc
 伝統産業
西陣織、友禅、清水焼、北山杉、酒‥
 観光産業
観光地、宿泊、運輸、お土産、料理‥
 教育産業
公家、家元、大本山、大学、教材‥
 仲介産業
悉皆屋、口利き(コーディネート)‥
 先端産業
京セラ、任天堂、ローム、オムロン‥
京都の強みを生かす!
 歴史・文化力
有名寺社、由緒、家元、ノウハウ、しつらえ、‥‥
 デザイン力
友禅、西陣織、清水焼、京菓子、京料理、‥‥
 ブランド力
京もの、京風、京あしらい、京都物語、‥‥
 コンテンツ・創作力
観光物、撮影対象、文物、人物、‥‥
京都の良さを生かす!
 大学が多い
流出防止、大学コンソーシアム、単位互換
 美術館、博物館が多い
京都市内博物館施設協議会、「京のかるちゃーすぽっと」
 生涯学習機関が多い
京都民間カルチャーセンター協議会
 スポーツ・文化・観光熱が高い
情報網洛中洛外、京都VIEW
情報新世紀・京都21
 高度情報化をめざす
高度情報化推進のための京都市行動計画
 金太郎飴計画からの脱皮
アイデンティティに溢れた現実的行動計画
 イントラネット
1人1台パソコン、インターネットと電子メール
 デジタルアーカイブ
デジタルアーカイブ推進協議会
イントラネットの展開
 ネットワークセキュリティを重視
保守管理を民営委託、便利さより安全
 ライン系を主に導入
人事、財務、総務ラインを優先
 自主的パソコン研修の徹底
すでにワープロが普及、使うことを強制しない
 能率アップより過重労働の軽減
職員定数はそのまま、残業べらし
デジタルアーカイブの展開
 京都デジタルアーカイブ推進機構
理事長に稲盛会頭(当時)、民間拠出
 伝統産業での研究会
京都市染織デジタルアーカイブ研究会
 二条城などでのモデル事業
伝統と文化の重厚性
 デジタルアーカイブ・ビッグバン
デジタルアーカイブ京都宣言
デジタルアーカイブの展開
 文化遺伝子のデジタル保存(ためる)
歴史、建造物、彫刻、文化、文芸、芸術、芸能、
学術、自然、風物、風俗、産業、人物、食生活、
気質、時代のいろ、匂い、雰囲気、空気
 知的資産のネットワーク化(つなぐ)
人類共有の知的資産として情報発信
 アーカイブ資産の展開と活用(いかす)
知的財産権として管理し、展開と活用
新しいブランドの構築
 認知度 いかに多くの人が知っているか
 浸透度 何がイメージできるか
 人気度 他と差別できるものがあるか
 大事なのは「悉皆(しっかい)」




コーディネーター、プロデューサー
目利き、人脈、センス
しつらい、みやび、わびさび
格式、こだわり、えこひいき
デジタルで世の中が変わる
 電子政府、電子自治体
行政改革、国家と地方 ⇒ 地域と中央
 大学の大変革、ⅠT大学
法人化、大学統合、放送大学、VR大学
 電子図書館とWEBアーカイブ
青空文庫、電子メディア、ホームページ保存
 生涯学習、ライフスタイルの変化
文化遺産オンライン、NHKアーカイブス
デジタルの環境が変わる
 コンピュータ・システムの変化
レガシー
⇒ ネットワーク
 ITからICTへ
PDA ⇒ ウェアラブル ⇒ インティメイト
 ユビキタス社会へ
e- から u- へ、グリッド、オープンソース
無線(無銭)LAN、どこカルネット
ICカード、おさいふケータイ
デジカメ、QRコード
ライフスタイルが変わる
 生活の目標が変わる
HAVEing ⇒
DOing
⇒
BEing
 世界観、人生観が変わる
スローフード、スローライフ、エッジシティ
 ニューリッチな生き方
LOHAS (Lifestyle of Health and Sustainability )
BOBOS (BOBOS in paradise)D.ブルックス
 こだわりの生き方
しつらい、みやび、わびさび、格式
国家戦略が変わる
 コンテンツ、知的財産戦略
デジタル放送、アニメーション、エンターティメント
 新ブランド戦略
クールジャパン(ファン、有印優品、世界ブランド)
 観光立国戦略
観光ポータルサイト、海外宣伝、産業観光
 伝統知戦略
伝統知と科学技術の融合
デジタルアーカイブの実績
 コンテンツビジネス戦略
ためる、つなぐ、いかすのビジネスモデル
 新ブランド戦略
デジタル悉皆業(ファン、有印優品、世界ブランド)
 観光立国戦略
ポータルサイト、海外宣伝、産業観光
 地域戦略
国家と地方から、地域と中央に
研究センターの分割
 事業拠点を残す
京都府(京阪奈)へのランクアップと委譲
 研究拠点を残す
(財)京都高度技術研究所への引継ぎ
 成果物(コンテンツ)を残す
(財)京都国際文化交流財団への引継ぎ
 商売(企業、儲け)を残す
ベンチャー企業の創出(アーテファクトリー、Jスタイル、冨田屋)
観光財、地域振興財としての利用
産業観光、企業創生、地域再生のシーズ
なぜ観光に注目するのか
 経済波及効果
日本ブランド、対内直接投資の改善
 文化の創造と発信
文化の磁力、観光の改革効果
 国力の総合的発展
国家デザインの再構築、国・民間・地方の連携
 国際交流と世界平和
文化安全保障、ソフトパワー
国の観光立国政策
 観光立国宣言
2003年1月
国会での首相施政方針演説
観光立国関係閣僚会議
 観光立国懇談会
観光立国懇談会報告書
~住んでよし、訪れてよしの国づくり~
 観光立国推進戦略会議
観光立国推進戦略会議報告書
~国際競争力ある観光立国の推進~
観光のスタイルが変わる
 ライフスタイルが変わる
BEING、心の観光、ツーリズム
 新しい国の魅力の発見と創造
民族、コンテンツ、ブランド、産業
 観光スタイルの変化(4つのT)
滞在型、体験型、通年型、着地型
 観光の新たなテーマ(7つのK)
国際、環境、健康、寛容、交通、景観、教育
京都の観光の現状
 京都市観光調査年報 (2005年)
昭和23年からの調査統計、入込数による
 入洛観光客数
47,271,000人
10年連続の増加、5年連続の過去最高更新
 外国人旅行客数 602,456人
宿泊外国人数、対前年度比
140.6%
 修学旅行生徒数 1,005,565人
対前年度比
0.2%減
対象生徒数 1.7%減
京都観光の強さの秘密
観光全体が落ち込む中、一人勝ち
5つのポイント
「5000万人観光都市」の数値目標
豊富な文化・観光資源、ほんものの魅力
「おこしやすプラン21」の具体策 119事業
観光宣伝の強化、ITの利用(デジタルアーカイブ)
京都ブームに乗る(新選組、義経、etc)
新観光ビジョンの策定
現状分析の上に立って将来を見極める
観光施策の戦略化
5000万人観光都市を数値目標に
持てるものを最大限に利活用
戦略的施策と戦術的施策を織り交ぜ
プライオリティとメリハリをつける
イメージ作戦で新たな京都ブームを作る
新京都観光振興推進計画
~ゆとり うるおい 新おこしやすプラン21~
平成13年1月
平成17年6月
平成17年11月
平成18年1月
京都市観光振興推進計画 ~おこしやすプラン21~
第1回計画策定委員会
中間案に対するパブリックコメントの募集
新京都市観光振興推進計画の発表
4つの視点
・オール京都の計画,明確な施策実施の役割分担
・計画目標を「提案」「宣言」で提示
・数値目標、優先順位を付け、成果を重視
・環境を基軸とした観光振興
京都からのメッセージ
・京都からの旅の提案 「ゆとりの旅」
・観光振興5つの宣言
京都からのメッセージ
「ゆとりの旅」を提案 こころの時代をじっくり、ゆっくり
京都観光5つの宣言
5000万人観光都市の確かな実現
脱クルマ観光の推進
快適で満足度の高いまちづくり
日本を代表する外人観光客誘致
オール京都の観光振興体制づくり
資料: 新京都市観光振興推進計画 中間案
新しいブランドの構築
 認知度 いかに多くの人が知っているか
 浸透度 何がイメージできるか
 人気度 他と区別できるものがあるか
 大事なのは「悉皆(しっかい)」




コーディネーター、プロデューサー
目利き、人脈、センス
しつらい、みやび、わびさび
格式、こだわり、えこひいき