古代史 邪馬台国 再発掘の旅 ――「 距離・方位・日数の謎 」が動いた ―― 和田 潤(紀行作家)著 四六判並製 256 頁 2016 年 2 月刊 予価本体 2000 円 邪馬台国は本当にどこにあったのか !? 前人未踏のルートで女王国に至るまでの全旅程 国宝8万点が出土した「神宿る島」沖ノ島。「海の正倉院」沖ノ島と宗像、釜山をむすぶ直線こそが、古代における「国 際幹線航路」だったのではないか ―― の着想で始まる本書は、邪馬台国や卑弥呼に多少とも関心のある人なら、面白く 読める本です。 また、すでに邪馬台国を深く掘り下げてきた人に対しても、「気づかなかった視点」「知らなかった解釈」「忘れていた 事実」を鋭く語りかけます。「邪馬台国 = 大和」説の人には『魏志倭人伝』が残した「南」の謎解きを提示し、「邪馬台 国 = 九州」説の人には「陸行一月」の道筋を詳しく示します。 「不彌国より邪馬台国まで千三百余里、水行一月、陸行一月」というあまりにも難解な『魏志倭人伝』の記述。江戸期 より多くの人が挑み、突破しきれなかった「距離・方位・日数」の三次元連立方程式に、本書は、ほとんど矛盾のない、 理にかなった答えをきれいに出して、邪馬台国のあった場所にたどり着きました。そこは、これまでに『古事記』 『日本書紀』 を論拠とする人たちによって邪馬台国に比定されていたところなのですが、このたび、考古学上きわめて重要な遺跡が 発掘されていたことも明らかになったことを本書は報告しています。 これに『魏志倭人伝』の解明が加わり、いよいよ邪馬台国の位置はしぼりこまれたのです。 【収録内容】 序章 邪馬台国論争 入門 (1)定説を覆し 伊都国の比定を見なおす私見 (2)南へ水行二十日、南へ水行十日 陸行一月 (3)邪馬台国論争の系譜 1章「方位」 「距離」 「日数」全解に至るまで、その前編 (1)海・船・港の実像を求める旅 (2)「邪馬台国 = 九州」説をふり返る (3)卑弥呼の墓は福岡県糸島市の平原古墳か? 2章 邪馬台国 大和説への疑念 (1)一大国と末盧国の新たな比定 (2)三世紀の船の形を想定する (3)女王の都の直前で船は沈没した 3章 邪馬台国 九州北上回帰説 (1)九州をめぐった使者、その名を逞儁という (2)「水行二十日」は邪馬台国および投馬国 滞在日数を含む (3)「水行十日 陸行一月」で邪馬台国へ戻る 4章 邪馬台国が動いた (1)邪馬台国の比定は振り出しに戻った (2)駅館川の堤に自転車専用道がのびる (3)「邪馬台国 = 宇佐」説を支える三本目の柱 付章 女王の都で手をとりあう論者たちの既刊書を読む 【著者紹介】 1949 年長崎県生れ。広島大学教育学部教育学科卒。これまでの紀行作品に『ローカル線各駅下車の旅』 (ちくま文庫書下ろし) 、 『大人の青春 18 きっぷのんびり旅行術』 (河出書房新社)などがある。 『週刊鉄道の旅』 (講談社) 『 、週刊鉄道絶景の旅』 (集英社) 『 、ノジュール』 (JTB パブリッ シング) 、 『日本の名随筆』 (作品社)などに寄稿。 和田 潤著 予価(本体 2000 円+税) 邪馬台国 再発掘の旅 (仮) ――「距離 ・ 方位・日数の謎」が動いた ISBN978-4-7791-2211-8 C0021
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