4代続く歯科医院を継承。 院内のチーム力を高め、 さらなる地域医療への

INSIDE REPORT
右田歯 科 医 院・歯科口腔外科
スタッフも患者も動きやすい診療室
診療室内も明るいフローリングに
明るく広々とした待合室
バリアフリーに配慮した院内
すっきりとした受付
4代続く歯科医院を継承。
院内のチーム力を高め、
さらなる地域医療への貢献を目指す
壁側を向いた各ユニット
誇りある歯科医師を天職と考え、
前院長から受け継ぐ
右田 克行
長年に渡る地元での厚い信頼を継承しながら、次世代の歯科医院を
歯科医院・歯科口腔外科」
(以下、右田歯科医院)
の右田克行院長
新しい提案を反対され、かなり悩みました」
は4代目。長年、地元の住民から厚い信頼を得てきた歯科医院を
それでも右田院長は時間をかければ必ず分かってもらえると
受け継ぐだけに、お 父 様 の 右 田 信 行 大 先 生 から院 長 の 職を
信じ、周囲への説得をあきらめなかった。
託されたときは、責任の重さに身が引き締まったと話す。
「子どもの頃から大勢の患者さんが訪れ、父の診療を受けて笑顔
で帰る姿を見てきました。患者さんにとって本当なら苦手な場所
である歯科医院に笑顔があり、地域医療に貢献することもできる。
スタッフと患者の希望を聞きながら、
働きやすく、通いやすい歯科医院に改築
そんな誇りある歯科医師という仕事に就くことは、私にとって自然
な流れでした」
右田院長が取り組んだ変革でもっとも大きいのは、歯科医院
右田院長の専門は口腔外科。町立病院歯科口腔外科部長を
の建て替えだ。以前の建物は広さや耐震構造、配管等の設備
経て、2008年に右田歯科医院副院長に就任する。その1年後、
に限界があり、将来性を考えると長期使用が難しい状態だった。
院長の職を受け継いだ。
増 築も 考えた が 、敷 地には 余 裕 がある。思い 切って 建 て
替えたほうが、設計も費用の面でも効率がよい。
リニューアル
にあたってはスタッフだけでなく、患 者にもアンケートを取り、
どんな歯 科 医 院なら通いやすいかも 聞いて みた 。その 結 果 、
とはいえ、実際に院長の立場に立つことには、不安もあったという。
最も多かったのが、スタッフからは動線がよい院内で働きたい
前院長である信行大先生が患者からはもちろん、
経営者として金融
という希望が、患者からはもっと広く、停めやすい駐車場が欲しい
機関等からの信頼も厚かったからだ。
それだけに、息子である右田
との要望だった。
院長がその高い信頼を維持できるのか、周囲からの目は厳しかった。
成長させようと奮闘する右田克行院長先生にお話を伺った。
などの大 都 市であればまた違ったのでしょうが 、おじいちゃん
院長に就任したばかりの頃は、融資を受けている金融機関などに
『ありがとう』
と言われ、驚きましたし、感激しました」
山口県防府市の「右田歯科医院・歯科口腔外科」は4代続く歯科医院。
を吹き込もうとするのは、なかなか難しいものです。東京や大阪
親から子へ歯科医院を継承するケースは珍しくないが、
「 右田
私の真剣な思いが伝わったのでしょう。ふだんは厳格な父から
先生
という私なりの考えがありました。
しかし、長年の伝統に新しい風
おばあちゃんの代から治療に通っている方も多い土地柄です。
「 院 長を受 け 継ぐことは 、私 の ほうから父にお 願いしました 。
右田歯科医院・歯科口腔外科 院長
ロールカーテンで個室風にすることも
「院長になる以上、今の時代に合った歯科医院に変えていきたい
「患者さんには待合室にどんな雑誌を置いたらいいか、
といった
細 かいことも 伺いました 。長 年 、通ってきてくださっている
右田 克行 院長
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C&C Vol.37 2015.09
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