リチウムイオン電池の輸送規則改訂に関するお知らせ 2015 年 1 月

リチウムイオン電池の輸送規則改訂に関するお知らせ
2015 年 1 月
2015 年 1 月 1 日から発効される輸送規制の改正に伴い、お客様が弊社のリチウムイオン電池を輸送す
るにあたって注意すべき点を説明いたします。ただし、本資料は規則変更の要約をまとめたものであり、詳
細につきましては、最新の危険物規則書をご確認ください(末尾の参考法令参照)。
■ 航空輸送規則の主な変更内容
(1) リチウム金属電池の旅客機輸送禁止
(リチウムイオン電池は適用外です。)
(2) Section IB に分類されるリチウムイオン電池の量制限
PI965 Section IB に分類されるリチウムイオン電池の量制限の基準が総重量(Gross weight)から正味
量(Net quantity)に変更される。それに伴い、外装容器や輸送書類等に表示する単位を「○○KgG」か
ら「○○Kg」に変更しなければならない。
Table 965-IB
Net quantity per package
Contents
Passenger
Cargo
10 kg
10 kg
Lithium ion cells and batteries
それぞれの要件の概要をまとめますと以下のようになります。
1
1.リチウムイオン電池単体の航空輸送(Packing Instruction 965)
表 リチウムイオン電池を航空輸送する場合の包装基準(PI 965)
Section II
Section IB
単電池:2.7Wh以下 単電池:20Wh以下 単電池:20Wh以下
(定格容量x公称電圧)
組電池:2.7Wh以下 組電池:100Wh以下 組電池:100Wh以下
制限なし
単電池:8個以下
単電池:9個以上
電池個数
1包装物
組電池:2個以下
組電池:3個以上
当たりの
2.5kg以下
制限なし
旅客機:10kg以下
制限
正味量
貨物機:10kg以下
危険物分類
非危険物扱い
C lass
セクション
Wh値
包装・容器
国連規格容器は不要。
包装物は1.2mの落下試験に合格すること。
Section IA
単電池:20Whを越える
組電池:100Whを越える
制限なし
旅客機:5kg以下
貨物機:35kg以下
9
国連規格容器
ラベル
注1)
注2)
注3)
書類要件
航空貨物運送状(Air Waybill)
追加書類
危険物申告書
Air Waybill
追加書類
教育訓練
職務に応じた適切な指示を
受けていること
危険物教育訓練(試験付き)の受講が必要
危険物申告書
Air Waybill
注1):ハンドリングラベル 注2):クラス9危険性ラベル 注3):貨物機専用ラベル
・Section IIの場合、Air WaybillのNature and quantity of goods 欄に“Lithium ion batteries in compliance with Section II of PI965”
および貨物機で輸送する場合は“Cargo Aircraft Only”または“CAO”の文言を記載すること。
・Section IAおよびSection IBの場合、Air WaybillのHandling Information 欄に“Dangerous Goods as per attached Shipper's Declaration”
および貨物機で輸送する場合は“Cargo Aircraft Only”または“CAO”の文言を記載すること。
・追加書類には、以下の①-④の情報を記載すること。
①包装物はリチウムイオン電池を含んでいること、②包装物は損傷を受けると引火の危険性があるため注意深く取り扱うこと、
③包装物が損傷した場合、必要に応じて検査および再包装を含む特別ね措置がとられること、④追加情報を得るための電話番号。
追加書類の記載文言は、危険物申告書のAdditional Handling Information 欄またはAir Waybillに記載してもよい。
弊社の電池は、ISO9001 を取得した工場で、品質管理プログラムのもとで生産しており、UN Manual of
Tests and Criteria, Part Ⅲ, sub-section 38.3 の各試験を満足しています。したがって、弊社の単電池を
航空輸送する場合の適用されるセクションと具体的な品種は以下になります。
(ただし、2 個以上の電池を直列 and/or 並列に接続した組電池については、Wh 値の合計量によってセ
クションが変わりますので、弊社営業までお問い合わせください。)
Wh 値/単電池
2.7Wh 以下
2.7Wh を超えて、
製品名
適用 Section
CLB 電池のすべて
Section II
角形リチウムイオン電池、円筒形リチウムイオン電池、
20Wh 以下
小形ラミネート形リチウムイオン電池
20Wh を超える
大形ラミネート形リチウムイオン電池
2
Section IB
(ただし、8 個以下の場合は、
Section II が適用される)
Section IA
2.機器同梱のリチウムイオン電池の航空輸送 (Packing Instruction 966)
・Section II:1 包装物あたりの最大 Net 重量は下表に従うこと。
包装物質量(Section II)
内容
1 包装物あたりのリチウムイオン単電池
および組電池の Net 重量
旅客機
貨物機
5 kg
5 kg
※Air waybill を使用する際は、「Lithium metal batteries, in compliance with Section II of PI 966」の文
言を記載すること。
・Section I:1 包装物あたりの単電池および組電池の最大 Net 重量は下表に従うこと。
包装物質量(Section I)
UN 番号および品名
UN3481 機器に同梱されたリチウム
旅客機
貨物機
5kg
35kg
イオン電池
3.機器組込のリチウムイオン電池の航空輸送(Packing Instruction 967)
・Section II:1 包装物あたりの最大 Net 重量は下表に従うこと。
包装物質量(Section II)
内容
1 包装物あたりのリチウムイオン単電池
および組電池の Net 重量
旅客機
貨物機
5 kg
5 kg
※Air waybill を使用する際は、「Lithium metal batteries, in compliance with Section II of PI 967」の文言
を記載すること。
・Section I:1 包装物あたりの単電池および組電池の最大 Net 重量は下表に従うこと。
包装物質量(Section I)
UN 番号および品名
UN3481 機器に組込まれたリチウム
旅客機
貨物機
5kg
35kg
イオン電池
■ 国連勧告 Model Regulations 18th revised edition の主な変更内容
損傷/欠陥のあるリチウム電池の輸送および廃棄/リサイクル目的のリチウム電池の輸送のための特別
規定が新規に追加され、特別規定のための包装基準が新たに設定された。
規則の概要は以下の通り。
(1) 損傷/欠陥のあるリチウムイオン電池の輸送条件(特別規定 376)
損傷/欠陥のあるリチウムイオン電池は、包装基準 P908 または LP904 に従って梱包し、包装物に
「DAMAGED/DEFECTIVE LITHIUM-ION BATTERIES」と表示した上で、Class 9 危険物として輸送しなけ
ればならない。
3
(2) 廃棄/リサイクルされるリチウムイオン電池の輸送条件(特別規定 377)
廃棄/リサイクルの目的で輸送するリチウムイオン電池および電池を組込んだ機器は、包装基準
P909 に従って梱包し、包装物に「LITHIUM BATTERIES FOR DISPOSAL」または「LITHIUM
BATTERIES FOR RECYCLING」と表示した上で、Class 9 危険物として輸送しなければならない。
この内容は国際海上危険物規定(IMDG Code)2014 年版に反映され、2015 年 1 月 1 日から適用されます。
1 年間の猶予期間があり、2016 年 1 月 1 日から必須となります。
また、上記の内容は各国の陸上輸送規則にも反映されますが、国、地域によっては独自の輸送規則を
設けている場合がありますので、事前に確認することをお勧めします。
(参考用)
航空以外の輸送
リチウムイオン電池を非危険物扱いで輸送するためには以下の 7 つの条件を満たすことが必要です。
(1) 品質管理プログラムのもとで生産された単電池あるいは組電池であること。
(2) Wh値が 20Wh 以下の単電池であること、100Wh 以下の組電池であること。
(3) 単電池および組電池*1)は安全性試験(UN Manual of Test and Criteria, Part Ⅲ, sub-section 38.3 の
試験)をすべて満足すること。
*1) 組電池とは 2 個以上の単電池が保護回路などの素子に接続されケースに入ったものです。
(4) 内容物がリチウムイオン電池であること、包装物が損傷を受けたときの取扱い手順および追加情報を
得るための電話番号を記載したラベルを外装包装に貼付すること。
(5) 出荷ごとに、以下の内容を記載した輸送書類を添付すること。
・包装物はリチウムイオン電池を含んでいること
・包装物は損傷を受けると引火の危険性があるため注意深く取り扱うこと
・包装物が損傷を受けた場合、必要に応じて検査や再梱包を含めた特別な措置が取られること
・追加情報を得るための電話番号
(6) 各包装物は 1.2m の落下試験に合格すること。
(7) 機器同梱または機器組込みの場合を除き、1 包装物あたりの質量は 30kg を超えてはならない。
上記の(2)と(3)の証明書は必要に応じ弊社が提供いたします。(4)と(5)はお客様に実施いただくことにな
ります。(5)は弊社出荷時の梱包をそのままご利用される場合には必要に応じ弊社が証明書を発行いたし
ますが、お客様が独自に梱包された場合には、その包装物の 1.2m 落下試験はお客様ご自身で実施いただ
く必要がございます。また、弊社出荷時の梱包をそのままご利用される場合でも、ラベルに表示している電
話番号を削除し、お客様の電話番号を上書きいただきます。
参考法令
国連危険物輸送勧告(陸海空)

UN(United Nations) Recommendations on the Transport of Dangerous Goods: Model Regulations 18th
revised edition

UN(United Nations) Recommendations on the Transport of Dangerous Goods: Manual of Test and
Criteria 5th revised edition, Amendment 2
4
航空輸送規則

The International Civil Aviation Organization (ICAO): Technical Instructions for Safety Transport of
Dangerous Goods by Air, 2015-2016 edition

The International Air Transport Association (IATA): Dangerous Goods Regulations, 56th edition 2015
海上輸送規則

International Maritime Organization (IMO): International Maritime Dangerous Goods (IMDG) Code, 2012
edition

(2015 年 12 月 31 日まで適用可能)
International Maritime Organization (IMO): International Maritime Dangerous Goods (IMDG) Code, 2014
edition
(2015 年 1 月 1 日から適用可能、2016 年 1 月 1 日からは適合していることが必須)
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