(4) 超・亜臨界水でのアルキル化反応(メチル基付加)

(4) 超・亜臨界水でのアルキル化反応(メチル基付加)
超臨界(亜臨界)水を用いた食品成分の改質(反応)の検討として、下記を計画しており、平成24
年度は、芳香環へのアルキル基の付加について予備検討としてアルキル基(プロピル基)のフェノ
ールへの付加反応について検討した。その結果、超臨界(圧力:30MPa、温度: 400℃)、亜臨界
(圧力:30MPa、温度:300℃)いずれの条件でもアルキル化反応進行が確認された。平成25年度
は平成24年度成果を受けて、効率的なアルキル化反応(収率向上、選択的反応進行および二次
反応抑制)条件を検討した。
1)メチル基付加確認実験
フェノールへのメチル基付加反応を試みた結果、超臨界メタノール中ではクレゾール、キシレノ
ール、アニソール等の生成反応が顕著に見られ、超臨界水中では、僅かではあるがクレゾール
の生成が確認されたことよりメチル基付加反応の進行が確認された。
2)効率化検討実験
(1) 混合溶媒比の影響
メチル基付加反応生成物の収率向上には超/亜臨界水中での原料溶液のメチル基濃度を
増加させることが必須要因であると推察され、メタノール濃度の比率(=メタノール/水)を増
大させて実験を実施した。その結果、実験条件4(溶媒比=50、反応温度=380℃の条件で
はほぼメチル基付加反応のみの進行が確認された。これは特筆すべき結果といえる。その
他の溶媒比500ではメチル基付加反応とともに副反応が進行した。
(2) 反応温度の影響
混合溶媒比(=H2O/MeOH; 50/50)、圧力30MPa におけるフェノール転化率に反応温度
は影響を及ぼし、反応温度300℃と380℃との比較では後者の方がフェノール転化率が大き
くなっている(300℃の場合の転化率は1%前後の値、380℃では70%前後の値)。
今後は、実用化に向けて、より低い温度や圧力下での反応条件の最適化を検討し、食品成分
の改質への応用を試みる。
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