金津中学校における今後の部活動のあり方 特に生徒数減少に伴う対応

金津中学校における今後の部活動のあり方
特に生徒数減少に伴う対応について
提言書
平成27年2月
金津中学校部活動検討委員会
1.部活動の意義・目的
中学校における部活動は、教育課程外の活動ではあるが学校教育の一環として学習指導要
領の中にも明記されている。運動・文化・芸術などに興味や関心を持つ生徒が学年や学級の
枠を超えて集まり、教師(顧問)や外部指導者の指導の下で、放課後や土日に計画的に自主
的・自発的に行う活動は、中学校教育において大きな役割を担っている。活動を通して、ル
ールを学び、楽しさや喜びを味わい、先輩や後輩あるいは同学年の仲間との人間関係を築く
ことは、明るく楽しい充実した中学校生活を送るには欠かせない存在である。
また、そこで学んだり得たりした規範意識や社会性、自主性はその後の人生を送る上で大
きな宝となる。
2.金津中学校における部活動の現状と課題
1)現状
金津中学校においては、学校教育活動の一環として部活動を位置づけ、運動系と文化系の
2つの分野の20部を設け、全校生徒476名中467名(5月当初)が加入し、顧問の指
導の下、練習や活動に励んでいる。
(加入率は98.1%)生徒たちは活動を通して人間関係
を築き、楽しく充実した学校生活を送っている。
坂井地区では生徒数で4番目の規模の学校ではあるが、各種大会やコンクールでは優秀な
成績を上げ地域や保護者から評価を得ている。
下表は、坂井地区内中学校の生徒数と部数の表である。金津中学校の生徒数は中規模校で
あるが、運動部数は17と大規模校並の数である。
(坂井地区内中学校の部数と生徒数)26年度
全校生徒数
運動部数
文化部数
合計部数
金津中
476
17
3
20
芦原中
319
11
3
14
丸岡南中
416
16
4
20
丸岡中
662
19
5
24
坂井中
458
16
4
20
春江中
812
18
6
24
三国中
650
19
7
26
2)課題
少子化に伴い、金津中学校においても近年生徒数の減少が目立ってきている。今後もその
傾向は続き、生徒数が減少すれば学級数が減り、それに伴い教員数も減らされてくることに
なる。将来(31 年度)には,教員数が3~4人減少する見込みである。
下表は、金津中学校の生徒数の推移(24 年度から 30 年度までは 3 年ごと)である。
(金津中学校生徒数)
年度
男
女
合計
24年度
257
252
509
3 年後
26年度 28年度
30年度
241
239
223
235
213
239
476
452
462
3 年後
3 年後
31年度
216
240
456
32年度
209
209
418
生徒数が減少する中で現在の部数を維持することは、3学年合わせて数名(1桁台)の人数
の部もでき、運動部の団体競技種目においてはチーム編成すら難しい状況になると予想され
る。現在でも部員不足で団体戦に出場できず個人戦のみエントリーしている運動部もある。
また、高度な技術指導が必要でかつ競技人口の少ない競技種目においては、教員の競技
指導者が少なく、教員を部活動指導者として継続的に確保配置することは難しい。その対
応策として、可能な限り外部指導者招聘という方策もとられているが、競技人口の少ない
専門的な競技においてはそれも難しいのが現状である。
3.部活動検討委員会について
1)設置
学校長は生徒数減少に伴う部活動の状況を懸念し、将来にわたる部活動のあり方、特に生
徒数の減少に伴う部活動のあり方について検討・協議する組織を、外部の学校理解者を加え
平成26年1月に「金津中学校部活動検討委員会」として立ち上げた。
委員会には、各種データを元に高所大局に立って議論をおこない、最終的に学校長に提言
書を出すことを求められた。
委員には、元金津中学校校長の髙橋研一委員長のもと、外部3名学校側4名の計7名の委
員を任命した。
2)協議経過
金津中学校の生徒数の今後の状況、部活動数と所属人数、坂井地区内の各中学校の生徒数
と部活動数および改廃状況、競技人口の少ない協議種目の指導者状況、部活動と社会体育の
関係などを学校側の調査データを基に、平成26年1月から2年間にわたり5回の検討委員
会や競技種目の保護者会等を開催し検討・協議してきた。
3)方針
特に統廃合を検討しなければならない部については、頭から決めつけるのではなく、次の
ことを念頭に置いて検討することを申し合わせた。
①男女統合してでも存続できないか
②将来的にわたって、部員の確保の見込みはどうか
③指導者の確保が継続的に出来るか
④現在活動している生徒、保護者の思いはどうか
⑤社会体育としての受け皿は可能であるか
4)内容
金津中学校の今後の生徒数の推移予想。坂井地区内各中学校生徒数と部活数。金津中の全
ての部の現在の人数、今後の予想される人数(スポーツ少年団やクラブ等の状況より)
、望ま
しい部員数、指導者確保の可能性についてデータを元に検討した。
5)結論
①現在の部数を確保することは今後困難であるので、統廃合はやむを得ない。
②競技人口の少ない種目は、外部指導者の確保が困難である。
金津中学校は、生徒数に比して部活動数が多い。そのため、人気ある部は部員数は多いが
1桁台の部員しかいない部もある。今の部数を今後も確保することは生徒数減少の中では難
しい。
4.提言
5回にわたり協議した結果、次のことを提言する。ただし、この提言は委員会としての意見
であるので、実施に当たっては、教職員、生徒、保護者、地域等の理解を得て慎重におこなう
こと。
1)内容
現在の部数を続けることは、人数が確保できずに本来目的とする活動が出来ない部がたく
さん出てくる可能性がある。
また、競技人口が少なく高度の指導が必要な部は、今後も指導者確保が困難である。
よって次のことを提言する。
①男女の部を統合が必要な部
早急に統合が必要な部:剣道部、卓球部
人数を見て、将来的に統合の必要な部:バレーボール部
②社会体育に移行するか募集停止をする部
平成29年度入学生より募集を停止し、クラブ移行に取り組む必要のある部
:女子新体操部
近年中に募集停止検討が必要な部:男子ハンドボール部
2)配慮してほしいこと
いずれも学校側が一方的に進めることなく、教職員の共通理解を得た上で、生徒、保護者、
地域の理解が必要である。そのために、説明会を実施し理解を得た上で、計画的に年度を追
って進めること。
以上,部活動検討委員会報告および提言とする。
平成 27 年2月1日
検討委員会委員長
髙橋 研一 印
(ホームページ掲載用で印略)
検討委員会委員名簿
役
氏
名
備
考
委員長
髙橋 研一
元金津中学校長
委員
圓道 忠雄
金津中学校PTA会長
〃
堀口 和江
〃
松井 博文
〃
松野 信一
同
教頭
〃
山本 一郎
同
教務主任(25年度)
〃
中嶋 英雄
同
教務主任(26年度)
〃
木内 健次
同
部活動主任(25年度)
〃
近藤 純平
同
部活動主任(26年度)
同
副会長
金津中学校 校長
会議
期
日
会
議
備 考
平成26年 1月9日 第1回検討委員会
2月19日 第2回検討委員会
12月 8日 第3回検討委員会
12月16日 新体操部在校生(現 1 年生)保護者会
12月27日 新体操部入部予定保護者会(小6年生)
平成27年 1月21日 第4回検討委員会
1月26日 第5回検討委員会
7 名参加
3(4)名参加