企業の約36%が「人手不足」、特にサービス業と小売業に集中

平成27年 9月 15日
第713号
ヤマダ総合公認会計士事務所
代表
山田 良平
(この資料は全部お読みいただいても60秒です)
〒124-0012
東京都葛飾区立石 1-12-11 山田ビル 1∼3 階
TEL:03-3694-6091
FAX:03-3691-6680
企業の約36%が「人手不足」、特にサービス業と小売業に集中
帝国データバンクが 7 月に実施した「人手不足に対する企業の動向調査」結果(有効回答数 1
万 1008 社)によると、現在の従業員の過不足状況について、正社員が「不足」と判断している企
業は 36.2%(前回 2015 年 1 月調査 37.8%)、「適正」は 50.5%(同 49.6%)、「過剰」は 13.3%
(同 12.7%)でした。「不足」との企業を業種別にみると、「放送」が 72.3%で最も多く、前回
調査の 4 位からトップへ浮上しました。
以下、前回調査1位の「情報サービス業」(60.6%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(60.0%)
が 6 割台になったほか、「飲食料品小売」(53.4%)、「メンテナンス・警備・検査」(52.5%)、
「飲食店」(51.3%)、「建設」(51.0%)がいずれも 50%を超え、「専門サービス」(48.4%)、
「旅館・ホテル」(46.5%)、「金融」(45.5%)までが上位 10 業種となりました。この中で 6 業
種をサービス業が占めています。
前回調査と比べて人手不足が急拡大している業種では、「飲食料品小売」(前回調査比 19.2 ポ
イント増)と「飲食店」(同 16.3 ポイント増)の 2 業種があり、ともに前回より 10 ポイント以上
増加しました。この背景には、景気回復による賃金の上昇を受けて国内旅行需要が増加している
ほか、円安の好影響によりインバウンドによる消費の増加が影響していることなどがあります。
一方、非正社員が「不足」していると回答した企業は 24.5%となり、前回調査に比べ 0.4 ポ
イント増加、「適正」は 65.5%で同 0.3 ポイント減少、「過剰」は 10.0%で同 0.1 ポイント減
少となりました。非正社員が最も人手不足と感じている業種は引き続き「飲食店」(71.8%、前
回調査 1 位)がトップで、2 位の「飲食料品小売」(61.7%、同 3 位)を 10.1 ポイント上回りまし
た。
以下、「娯楽サービス」(58.0%)、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(50.0%)が続き、「旅館・
ホテル」(48.2%)、「人材派遣・紹介」(48.0%)など、上位 10 業種のうち 9 業種がサービス業・
小売業で占められています。景気回復による国内旅行需要に加え、旅行先として入国する訪日外
国人の増加に伴うインバウンド消費も増加傾向にあるなか、消費者と接する機会の多い小売業や
サービス業で人手不足が特に拡大しています。
●同調査結果の詳細は、下記よりご確認いただけます。
(2015 年 8 月 20 日付 株式会社帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」発表資料)
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p150807.pdf