ヘルスケア事業

ヘルスケア事業
医療用医薬品と在宅医療の2分野を持つ強み
を発揮し、ユニークで画期的な医療ソリュー
ションを提供しています
宇野 洋 ヘルスケア事業グループ長
ープ長
FINANCIAL DATA
BUSINESS SITES
業績推移と見通し
売上高
セグメント利益
(億円)
事業拠点
医療品
(億円)
1,383
1,384
1,417
日本国内70営業所
1,500
248
245
270
248
在宅医療
日本国内65営業所
12
13
14
15
12
13
(見通し)
OUR VALUE
14
15
(見通し)
市場における価値
● 高尿酸血症・痛風治療剤:国内トップシェア、グローバルに販売を展開
● 国内外合わせて40万人以上の患者さんに在宅医療サービスを提供
● 在宅酸素療法(HOT)
:国内でのパイオニア、トップシェアを維持
● 睡眠時無呼吸症候群治療器(CPAP)
:市場急拡大、国内トップシェア
STRATEGY
中長期戦略
「骨・関節」
「呼吸器」
「代謝・循環器」を重点領域として、医薬
品と在宅医療の両事業のシナジーを最大限に活かしたヘルス
ケア・ソリューションの提供を目指しています。
め、新たな事業領域への展開に向けた取り組みを強化してい
きます。
在宅医療分野は、国内で築き上げてきた、患者さんを24時
医薬品分野では、帝人グループが世界で約40年ぶりの新
間365日体制でサポートできるサービス体制と業界最大の顧
薬として自社開発した、高尿酸血症・痛風治療剤の販売拡大
客基盤が強みです。患者数が急増している睡眠時無呼吸症候
に取り組んでいます。すでに40ヵ国以上で販売される製品と
群治療事業の拡大に注力し、さらに治療器の新規モデルの投
なっており、引き続き国内・海外での拡販に注力していきま
入やコールセンターの活用などにより競争力を強化すること
す。また同時に、積極的な医薬品の自社開発、導入、ライフサ
で、持続的成長を図っていきます。また在宅医療のビジネス
イクルマネジメントにより、製品群の拡充を図ります。さら
モデルをさらに横展開し、地域医療支援・リハビリなどの領
に、医薬品技術と素材技術を融合させた先端医療材料をはじ
域への事業拡大を図ります。
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TEIJIN LIMITED
統合報告書 2015
RESULTS
2014年度の業績
医薬品分野は、国内では高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリ
水準のレンタル台数を維持したほか、災害や停電時に対応し
ク錠」の販売が堅調に拡大しました。またそのほか長期収載
た新機種を上市しました。また睡眠時無呼吸症候群(SAS)治
品では、薬価改定や後発品の伸長により厳しい事業環境が継
療器は、携帯電話網を活用して治療状況をモニタリングする
続する中、既存薬の剤型追加によるラインナップ拡充などに
システム「ネムリンク」の訴求も奏功し、レンタル台数を順調
より販売の底支えを図りました。また海外での高尿酸血症・
に伸ばしました。一方、海外では厳しい事業環境が継続する
痛風治療剤の販売も順調に拡大しました。
中、引き続き営業所の統廃合・人員削減といった収益改善策
在宅医療分野は、在宅酸素療法(HOT)用酸素濃縮装置が高
PRESENT ACTION
を進めました。
2015年度の課題と取り組み
医薬品分野では、国内外で順調に販売を拡大している高尿
せた画期的な先端医療材料の開発を進めていきます。
酸血症・痛風治療剤の収益の最大化を目指し、高尿酸血症に
在宅医療分野では、在宅酸素療法(HOT)用酸素濃縮装置の
対する認知度アップなどにも取り組んでいきます。また、剤
レンタル台数の維持と、CPAPの拡大を目指し、開業医市場
型の追加として、小型で服用しやすく、1日1回の服用で効果
の開拓を進めていきます。脳卒中後遺障害等の歩行機能回復
が持続する徐放性気道潤滑去痰剤「ムコソルバンL錠45mg」
用の歩行神経筋電気刺激装置「ウォークエイド」についても、
の発売を2015年度上期に予定しています。さらに岩国事業
首都圏の医療機関などから順次エリアを拡大して事業展開を
所に新設する融合製剤棟では、外科手術用シート状接着剤
進めています。また米国事業は、抜本的対策の早期実施によ
「KTF-374」をはじめとして、医薬品技術と素材技術を融合さ
PIPELINE
領域
り、さらなる構造改革に取り組みます。
臨床開発段階と最近の段階移行状況
開発コード
対象疾患
ITM-058
KTP-001
PTR-36
NA872ET
TMG-123
ITM-014N
TMX-67XR
TMX-67TLS
TMX-67(中国)
TMX-049
骨粗鬆症
腰椎椎間板ヘルニア
気管支喘息
去痰
2型糖尿病
神経内分泌腫瘍
高尿酸血症・痛風
腫瘍崩壊症候群
高尿酸血症・痛風
高尿酸血症・痛風
(2015年6月現在)
臨床開発段階
Phase 1
骨・関節
呼吸器
代謝・循環器
Phase 3
申請
承認/新規上市
2014年12月
2015年2月
2014年6月
2015年4月
OPERATING
SEGMENTS
その他
Phase 2
GGS-ON、-MPA、 視神経炎、顕微鏡的多発血管炎、
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎
-CIDP
TOPICS
外科手術用シート状接着剤「KTF-374」
「KTF-374」は、帝人ファーマ(株)と一般財団法人化学及血清療法研究所(化血研)が共同で開発に取り組んでいるもので、化
血研の有するヒト組み換えタンパク質に、帝人グループの有する高機能繊維製造技術および医薬品製造技術を適用することに
より創出した画期的なシート状フィブリン糊接着剤です。薄くしなやかな不織布を使用したシート製剤であるため、凹凸のあ
る患部にも密着させることができます。また短時間で強力な止血効果を発揮し、また患部に貼付したシートは生体に吸収され
るため、止血後に除去する必要がありません。帝人グループは今後も医薬品技術と素材技術の融合領域における新たなソ
リューション提供に注力していきます。
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