5 点アップ問題 (法令上の制限編)

5 点アップ問題
(法令上の制限編)
1
都市計画法(区域指定・都市計画)
1
都市計画区域は、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全される必要が
ある区域であり、2以上の都府県にまたがって指定されてもよい。
2
市街化区域は、既に市街地を形成している区域であり、市街化調整区域は、おおむね
10 年以内に市街化を図る予定の区域及び市街化を抑制すべき区域である。
3
無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を進めるため、都市計画区域を市街化区域
と市街化調整区域に区分することができるが、すべての都市計画区域において区分す
る必要はない。
4 市街化区域は、既に市街地を形成している区域及びおおむね 10 年以内に優先的かつ計
画的に市街化を図るべき区域であり、市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域で
ある。
5
高度地区は、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機
能の更新を図るため、少なくとも建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建ぺい率
の最高限度、建築面積の最低限度を定めなければならない。
6
特別用途地区は、当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別
の目的の実現を図るために定める地区であり、用途地域内においてのみ定めることが
できる。
(解 説)
1
○
都市計画区域は、2以上の都府県にわたって指定することもできる(都市計画法
5条4項)
。この場合、指定権者は国土交通大臣である。
2 × 市街化調整区域とは、市街化を抑制すべき区域をいう(同法7条3項)
。
3
○
区域区分(市街化区域と市街化調整区域との区分)を指定するか否かは、一定の
区域を除き、都道府県の任意である(同法7条1項)。
4 ○ 市街化区域は、既に市街地を形成している区域及びおおむね 10 年以内に市街化を
図るべき区域であり、市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域である(同法
7条2項・3項)。
5
×
高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を
図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である(同法9条
17 項)
。本肢は高度利用地区で定める内容である。
6 ○ 特別用途地区の概要は、本肢にあるとおりであり、用途地域内においてのみ定め
ることができる(同法9条 13 項)
。
2
都市計画法(都市計画基準・決定)
1
都市施設は、円滑な都市活動を確保し、良好な都市環境を保持するように都市計画に
定めることとされており、市街化区域については、少なくとも道路、公園及び下水道
を定めなければならない。
2
用途地域に関する都市計画には、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合を定める
こととされている。
3
第一種低層住居専用地域に関する都市計画には、建築物の高さの限度を定めることと
されている。
4
用途地域のうち、第一種低層住居専用地域については、低層住宅に係る良好な住居の
環境を保護するため、都市計画に少なくとも建築物の容積率、建ぺい率及び高さの限
度を定めなければならない。
5
都市計画は、都市計画区域内において定められるものであるが、道路や公園などの都
市施設については、特に必要があるときは当該都市計画区域外においても定めること
ができる。
6 都市計画の決定又は変更の提案は、当該提案に係る都市計画の素案の対象となる土地
について所有権又は借地権を有している者以外は行うことができない。
7 市町村は、都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に協議し、
その同意を得なければならない。
(解 説)
1
○
市街化区域については、少なくとも道路、公園、下水道を定めるものとされてい
る(都市計画法 13 条1項 11 号)。
2
○
用途地域に関する都市計画には、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容
積率)を定めることとされている(同法8条3項2号イ)。
3
○
第一種低層住居専用地域に関する都市計画には、建築物の高さの限度を定めるこ
ととされている(同法8条3項2号ロ)
。
4
○
第一種低層住居専用地域では、都市計画に、少なくとも建築物の容積率、建ぺい
率、高さの限度を定めなければならない(同法9条1項、8条3項2号イ・ロ)。
5
○
都市施設の都市計画は、特に必要があるときは、都市計画区域外において定める
ことができる(同法 11 条1項)
。
6 × 都市計画の決定又は変更の提案は、土地の所有者や借地権者が、1人で又は数人
共同して行うことができる。また、土地所有者等でなくても、一般社団法人、一
般財団法人、独立行政法人都市再生機構も提案することができる(同法 21 条の2
第1項・2項)
。
7 × 市町村が都市計画を決定しようとする場合、あらかじめ「市」の場合は、都道府県
3
知事と協議し、
「町村」の場合は都道府県知事と協議の上、その同意を得なければ
ならない(同法 19 条3項)。
4
都市計画法(開発行為の許可の要否1)
1 市街化区域内の既に造成された宅地において、敷地面積が 1,500 ㎡の共同住宅を建築
する場合は、当該宅地の区画形質の変更を行わないときでも、原則として開発許可を
受けなければならない。
2 市街化調整区域内における庭球場の建設の用に供する目的で行う 5,000 ㎡の土地の区
画形質の変更をする場合、開発行為の許可が必要である。
3
開発行為とは、主として建築物の建築の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更
をいい、建築物以外の工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更は
開発行為には該当しない。
(解 説)
1
×
土地の区画形質の変更を伴わなければ、開発行為ではない。したがって、開発許
可は不要である(都市計画法4条 12 項、29 条1項)
。
2 × 1ha 未満の庭球場は第二種特定工作物に該当しない。したがって、その建設のた
めに行う土地の区画形質の変更をする場合でも、開発行為の許可は不要である(同
法 29 条1項、4条 11 項、同法施行令1条2項1号)
。
3
×
建築物の建築だけでなく、主として特定工作物を建設するために行う土地の区画
形質の変更も、開発行為に該当する(同法4条 12 項)
。
5
都市計画法(開発行為の許可の要否2)
1
市街化調整区域において、図書館法に規定する図書館の建築の用に供する目的で行わ
れる 3,000 ㎡の開発行為を行う場合は、
原則として開発許可を受けなければならない。
2
準都市計画区域において、医療法に規定する病院の建築の用に供する目的で行われる
4,000 ㎡の開発行為を行う場合は、原則として開発許可を受けなければならない。
3
市街化区域内の山林において、土地区画整理事業(規模5ha)の施行として開発行為
を行う場合は、原則として開発許可を受けなければならない。
4
区域区分が定められていない都市計画区域内の農地において、野球場を建設するため
2ha の規模の開発行為を行う場合は、原則として開発許可を受けなければならない。
5
市街化調整区域内の農地において、農業を営む者がその居住用の住宅を建築するため
開発行為を行う場合は、原則として開発許可を受けなければならない。
6
市街化区域内において、農業の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発
行為であれば、常に開発許可は不要である。
7
都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、都市計画事業に当たらない民
間事業者が行う 5,000 ㎡の住宅団地建設のための開発行為であれば、開発許可は不要
である。
8
都市計画区域でも準都市計画区域でもない区域内における住宅団地の建設を目的とし
た 6,000 ㎡の土地の区画形質の変更には、常に開発許可が不要である。
9 準都市計画区域における公民館の建築を目的とした 5,000 ㎡の土地の区画形質の変更
には、常に開発許可が不要である。
(解 説)
1 × 図書館法に規定する図書館の建築を目的とする土地の区画形質の変更は開発行為
である。しかし、これは、公益上必要な建築物の建築のための開発行為であり、
許可は不要である(都市計画法 29 条1項3号)
。
2 ○ 医療法に規定する病院の建築を目的とする土地の区画形質の変更は開発行為であ
る。そして、準都市計画区域で行う 3,000 ㎡以上の開発行為は、許可が必要であ
る(同法 29 条1項1号、同法施行令 19 条1項)
。
3 × 土地区画整理事業の施行として行う開発行為は、許可不要である(同法 29 条1項
5号)
。
4 ○ 区域区分が定められていない都市計画区域内において、規模が 3,000 ㎡以上の開
発行為は、許可が必要である(同法 29 条1項1号、同法施行令 19 条1項)
。
5
×
農業を営む者の居住のための建築物を建築するための開発行為は、市街化調整区
域において行う場合、開発行為の許可は不要である(同法 29 条1項2号)
。
6 × 市街化区域内において、農業の用に供する建築物の建築を目的とした開発行為が、
6
許可不要となる特例はない(同法 29 条1項2号)
。
7 〇 都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内で行う 10,000 ㎡未満の開発行為は、
許可は不要である(同法 29 条2項、同法施行令 22 条の2)
。
8 ○ 都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内で行う 10,000 ㎡未満の開発行為は、
許可は不要である(同法 29 条2項、同法施行令 22 条の2)
。
9
○
公民館の建築を目的として行う開発行為は、すべての区域において許可は不要で
ある(同法 29 条1項3号、同法施行令 21 条 18 号)。
7
都市計画法(開発許可の手続)
1
開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管
理者と協議してその同意を得なければならない。
2
開発許可を申請した場合、開発行為をしようとする土地等について開発行為の施行又
は開発行為に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意を得てい
なければ許可を受けることができない。
3
開発許可申請書には、予定建築物の用途のほか、その構造、設備及び予定建築価額を
記載しなければならない。
4 都道府県知事は、開発許可の申請があったときは、申請があった日から 21 日以内に、
許可又は不許可の処分をしなければならない。
5
都道府県知事は、用途地域の定められていない土地の区域内の土地について開発許可
をするときは、建築物の建ぺい率に関する制限を定めることができるが、建築物の高
さに関する制限を定めることはできない。
6
都道府県知事は、市街化区域内の土地について開発許可をしたときは、当該許可に係
る開発区域内において予定される建築物の用途、構造及び設備を開発登録簿に登録し
なければならない。
(解 説)
1
○
開発許可の申請者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協
議して、同意を得なければならない(都市計画法 32 条1項)
。
2
○
開発行為の施行等の実施の妨げとなる権利者の相当数の同意がなければ、許可を
受けることができない(同法 33 条1項 14 号)
。
3
×
予定建築物等の用途については記載しなければならないが、その構造、設備、予
定建築価額は、記載事項ではない(同法 30 条1項2号)
。
4
×
都道府県知事は、開発許可の申請があったときは、遅滞なく、許可又は不許可の
処分をしなければならない(同法 35 条1項)。
5
×
都道府県知事は、用途地域が定められていない土地の区域における開発行為につ
いて開発許可をする場合には、建築物の建ぺい率や高さの制限を定めることがで
きる(同法 41 条1項)
。
6 × 予定建築物等の用途は開発登録簿に登録しなければならない
(同法 47 条1項2号)
が、その構造、設備は登録事項ではない。
8
都市計画法(開発区域内の建築制限等)
1
開発許可を受けた開発区域内において、当該開発区域内の土地について用途地域等が
定められていないとき、都道府県知事に届け出れば、開発行為に関する工事完了の公
告があった後、当該開発許可に係る予定建築物以外の建築物を建築することができる。
2
開発許可を受けた土地において、地方公共団体は、開発行為に関する工事完了の公告
があった後、都道府県知事との協議が成立すれば、当該開発許可に係る予定建築物以
外の建築物を建築することができる。
3
市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内において、公民館を建
築する場合は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。
4
開発許可を受けた開発区域内の土地においては、開発行為の工事完了の公告前であっ
ても、当該開発行為に同意していない土地の所有者は、その権利の行使として自己の
土地において建築物を建築することができる。
5
開発許可を受けた開発区域内の土地においては、開発行為の工事完了の公告後であっ
ても、都道府県知事が当該開発区域の利便の増進上支障がないと認めて許可をしたと
きは、予定建築物以外の建築物を建築することができる。
(解 説)
1 × 開発許可を受けた開発区域内では、用途地域等以外の区域で、工事完了公告後に、
予定建築物以外の建築物を建築するには、都道府県知事の許可が必要である(都
市計画法 42 条1項)。
2
×
地方公共団体が当該行為をする場合には、原則どおり、都道府県知事の許可を受
ける必要がある(同法 42 条2項)
。
3
○
市街化調整区域のうち、開発許可を受けた開発区域以外の区域内において、公民
館を建築する場合は、都道府県知事の許可は不要である(同法 43 条1項、29 条1
項3号)
。
4
○
開発行為に同意していない土地の所有者は、その権利の行使として、自己の土地
において建築物を建築することができる(同法 37 条2号)
。
5
○
工事完了公告後、都道府県知事の許可を受けることによって、予定建築物以外の
建築物を建築することができる(同法 42 条1項)
。
9
建築基準法(用語等)
1
文化財保護法の規定によって重要文化財として仮指定された建築物の大規模の修繕を
しようとする場合は、建築主事の確認を受ける必要がない。
2
文化財保護法の規定によって重要文化財に指定された建築物であっても、建築基準法
は適用される。
3
建築基準法の改正により、現に存する建築物が改正後の建築基準法の規定に適合しな
くなった場合、当該建築物は違反建築物となり、速やかに改正後の建築基準法の規定
に適合させなければならない。
4
建築物が第二種低層住居専用地域と第一種住居地域にわたる場合、当該建築物の敷地
の過半が第一種住居地域であるときは、北側斜線制限が適用されることはない。
5
建築物の敷地が、都市計画により定められた建築物の容積率の限度が異なる地域にま
たがる場合、建築物が一方の地域内のみに建築される場合であっても、その容積率の
限度は、それぞれの地域に属する敷地の部分の割合に応じて按分計算により算出され
た数値となる。
6
建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合、建築物が防火地域外で防火壁により
区画されているときは、その防火壁外の部分については、準防火地域の規制に適合さ
せればよい。
(解 説)
1
○
文化財保護法の規定によって、重要文化財として仮指定された建築物は、建築基
準法の制限は受けない(建築基準法3条1項1号)
。
2
×
文化財保護法の規定によって、重要文化財に指定された建築物は、建築基準法の
制限は受けない(同法3条1項1号)。
3
×
本肢の場合は、違反建築物ではなく、既存不適格建築物になる。既存不適格建築
物には、改正後の規定は適用されない(同法3条2項)
。
4
×
高さに関する制限は、異なる地域にまたがるときは、それぞれの地域の高さ制限
が適用される。したがって、北側斜線制限の適用を受ける第二種低層住居専用地
域にある部分のみ、北側斜線制限を受ける(同法 56 条1項3号・5項)。
5
○
敷地が、容積率の限度が異なる地域にわたる場合、容積率の限度は、各地域に属
する敷地部分の割合で按分計算して算出された数値となる(同法 52 条7項)。
6 ○ 防火地域や準防火地域にまたがる地域では、「厳しいほう」の規定である防火地域
の規定が適用される。しかし、防火地域外で防火壁で区画されている場合、防火
壁外の部分が準防火地域内であれば、準防火地域内の制限を受ける(同法 67 条2
項)
。
10
建築基準法(建築確認等)
1
建築確認を申請しようとする建築主は、あらかじめ、当該確認に係る建築物の所在地
を管轄する消防長又は消防署長の同意を得ておかなければならない。
2
建築主は、工事を完了した場合においては、工事が完了した日から3日以内に到達す
るように、建築主事に文書をもって届け出なければならない。
3
防火地域内において建築物を増築する場合で、その増築に係る部分の床面積の合計が
100 ㎡以内であるときは、建築確認は不要である。
4 木造3階建て、延べ面積 500 ㎡、高さ 15mの一戸建て住宅について大規模の修繕をす
る場合は、建築確認を受ける必要はない。
5
建築主は、共同住宅の用途に供する建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計
が 180 ㎡であるものの大規模の修繕をしようとする場合、当該工事に着手する前に、
当該計画について建築主事の確認を受けなければならない。
6 事務所の用途に供する建築物を、飲食店(その床面積の合計 150 ㎡)に用途変更する
場合、建築主事又は指定確認検査機関の確認を受けなければならない。
(解 説)
1
×
消防長又は消防署長の同意を得なければならないのは、建築主事又は指定確認検
査機関である(建築基準法 93 条1項)
。
2
×
建築主は、工事完了の日から4日以内に建築主事に到達するように、完了検査を
申請しなければならない(同法7条1項・2項)
。
3
×
防火地域内において建築物を増築する場合、その増築に係る部分の床面積にかか
わらず、建築確認が必要となる(同法6条1項4号、参照:同法6条2項)
。
4
×
木造建築物で階数が3以上のものについて、大規模の修繕をする場合には、建築
確認を受ける必要がある(同法6条1項2号)。
5 ○ 特殊建築物の用途に供する部分の床面積が 100 ㎡を超えるものの大規模の修繕に
は、建築確認が必要である(同法6条1項1号)
。
6
○
建築物の用途を変更して特殊建築物にする場合も建築確認を受けなければならな
い(同法6条1項)
。本肢は、床面積 100 ㎡を超える飲食店へ用途変更するもので
あり、建築確認が必要となる。
11
建築基準法(道路に関する規定)
1 道路法による道路は、すべて建築基準法上の道路に該当する。
2 建築物の敷地は、必ず幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならない。
3
地方公共団体は、土地の状況等により必要な場合は、建築物の敷地と道路との関係に
ついて建築基準法に規定された制限を、条例で緩和することができる。
4 地盤面下に設ける建築物については、道路内に建築することができる。
5
建築基準法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員
4m未満の道路法による道路は、特定行政庁の指定がなくとも建築基準法上の道路と
みなされる。
6 建築基準法第 42 条第2項の規定により道路の境界線とみなされる線と道との間の部分
の敷地が私有地である場合は、敷地面積に算入される。
7 敷地が建築基準法第 42 条に規定する道路に2m以上接道していなくても、特定行政庁
が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて利害関係者の同意を得て許
可した場合には、建築物を建築してもよい。
(解 説)
1
×
道路法による道路であっても、幅員4m未満であれば、特定行政庁が指定しなけ
れば、
「道路」に該当しない(建築基準法 42 条1項1号・2項)
。
2 × 建築物の敷地の周囲に広い空き地を有する場合や、特定行政庁が交通上、安全上、
防災上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものにつ
いては2m以上接していなくてもよいとされる(同法 42 条1項かっこ書・2項、
43 条1項)
。
「必ず」ではない。
3
×
地方公共団体の条例で、建築物の敷地と道路との関係についての制限を付加する
ことができるが(同法 43 条の2)
、緩和することはできない。
4 ○ 地盤面下に設ける建築物は、道路内に建築することができる(同法 44 条1項1号)
。
5
×
幅員4m未満の道は、特定行政庁の指定がなければ、建築基準法上の道路とはみ
なされない(同法 42 条2項)
。
6
×
道路の境界線とみなされる線と道との間が私有地であっても、敷地面積には含ま
れない(同法 42 条2項、同法施行令2条1項1号)
。
7
×
敷地が道路に2m以上接していなくとも、特定行政庁が建築審査会の同意を得て
許可した場合、建築することができる(同法 43 条1項)
。利害関係者の同意では
ない。
12
建築基準法(建ぺい率と容積率)
1 街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地内にある建築物の建ぺい率については、特
定行政庁の指定がなくとも都市計画において定められた建ぺい率の数値に 10 分の 1 を
加えた数値が限度となる。
2 建ぺい率の限度が 80%とされている防火地域内にある耐火建築物については、建ぺい
率による制限は適用されない。
3 建築物の敷地が、幅員 15m以上の道路(以下「特定道路」という。)に接続する幅員6
m以上 12m未満の前面道路のうち、当該特定道路からの延長が 70m以内の部分におい
て接する場合における当該敷地の容積率の限度の算定に当たっては、当該敷地の前面
道路の幅員は、当該延長及び前面道路の幅員を基に一定の計算により算定した数値だ
け広いものとみなす。
4
容積率を算定する上では、共同住宅の共用の廊下及び階段部分は、当該共同住宅の延
べ面積の3分の1を限度として、当該共同住宅の延べ面積に算入しない。
5
隣地境界線から後退して壁面線の指定がある場合において、当該壁面線を越えない建
築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの
建ぺい率は、当該許可の範囲内において建ぺい率による制限が緩和される。
6
建築物の前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得た数値による容積率の制限について、
前面道路が2つ以上ある場合には、それぞれの前面道路の幅員に応じて容積率を算定
し、そのうち最も低い数値とする。
(解 説)
1 × 街区の角の敷地又はこれに準ずる敷地にある建築物は、建ぺい率制限が 10 分の 1
緩和される。この街区の角の敷地は、特定行政庁が指定するものでなければなら
ない(建築基準法 53 条3項2号)
。
2 ○ 建ぺい率の限度が 80%とされている防火地域内にある耐火建築物については、建
ぺい率による制限は適用されない(同法 53 条5項1号)
。
3
○
特定道路に接続する一定の前面道路に接する場合、前面道路の幅員は一定の計算
で算出した数値を加算して算定する(同法 52 条9項)
。
4
×
共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、その建築物の延べ
面積には算入しない(同法 52 条6項)
。3分の1を限度とする規定はない。
5
○
一定の場合、壁面線を越えない建築物は、特定行政庁の許可があれば建ぺい率の
制限が緩和される(同法 53 条4項)
。
6
×
前面道路が2以上ある場合、幅員が最大のものをもとに、前面道路による容積率
を算定する(同法 52 条2項)
。
13
建築基準法(防火地域と準防火地域)
1 防火地域内において、延べ面積が 50 ㎡の平屋建の附属建築物で、外壁及び軒裏が防火
構造のものは、必ず耐火建築物としなければならない。
2
準防火地域内にある木造建築物の外壁及びその軒裏で延焼のおそれのある部分は、防
火構造としなければならない。
3
建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について準防火
地域内の建築物に関する規定が適用される。
4 防火地域又は準防火地域以外においても、建築物の高さが 15mを超える建築物は、必
ず耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。
5 準防火地域内においては、延べ面積が 1,200 ㎡の建築物は耐火建築物としなければな
らない。
6 防火地域又は準防火地域において、延べ面積が 1,000 ㎡を超える建築物は、すべて耐
火建築物としなければならない。
(解 説)
1 × 延べ面積が 50 ㎡以内の平屋建の附属建築物で、
外壁及び軒裏が防火構造のものは、
耐火建築物等とする必要はない(建築基準法 61 条1号)
。
2
○
準防火地域内にある木造建築物の外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分は、防
火構造としなければならない(同法 62 条2項)
。
3
×
建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合、建築物の全部について制限の厳し
い防火地域内の規定が適用される(同法 67 条2項)。
4 × 防火地域及び準防火地域以外において、高さ 15mを超える建築物を、耐火建築物
等としなければならないとする規定はない(同法 27 条等参照)
。
5 × 準防火地域内の、地階を除く階数4以上又は延べ面積が 1,500 ㎡を超える建築物
は、耐火建築物にする必要があり、500 ㎡を超え 1500 ㎡以下の建築物は耐火建築
物又は準耐火建築物としなければならない(同法 62 条1項)
。したがって、本肢
は準耐火建築物でもよい。
6 × 防火地域は延べ面積が 100 ㎡を超えていれば耐火建築物にしなければならない。
また、準防火地域では、延べ面積が 1,500 ㎡を超えていれば耐火建築物としなけ
ればならない(同法 61 条、62 条1項)
。
14
国土利用計画法(届出の要否1)
1
土地に関する賃借権の移転又は設定をする契約を締結したときは、対価として権利金
その他の一時金の授受がある場合以外は、事後届出をする必要はない。
2 個人Aが所有する都市計画区域外の 30,000 ㎡の土地について、その子Bが相続した場
合、Bは、相続した日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。
3
土地を交換する契約を締結した場合、金銭の授受がなければ、事後届出が必要となる
ことはない。
4 宅地建物取引業者Cが都市計画区域外の 10,000 ㎡の土地を時効取得した場合、Cは、
その日から起算して2週間以内に事後届出を行わなければならない。
(解 説)
1
○
権利金その他の一時金の授受がない賃借権の移転又は設定の契約は、対価がない
ものとして、事後届出は必要ない(国土利用計画法 23 条1項、14 条)
。
2
×
相続による取得は、土地売買等の契約による取得ではないので、事後届出は必要
ない(同法 23 条1項、14 条)
。
3
×
交換差金の授受がなくとも、交換契約は土地の売買等の契約に該当し、例外に該
当しなければ、事後届出が必要である(同法 23 条1項、14 条)
。
4
×
契約ではなく時効により土地の所有権・地上権・賃借権を取得する場合、届出を
する必要はない(同法 23 条、14 条)。時効取得は、契約ではない。
15
国土利用計画法(届出の要否2)
1
土地売買等の契約を行う場合、当事者の一方が国又は地方公共団体である場合であっ
ても、その契約について事後届出をしなければならないが、勧告されることはない。
2 甲市が所有する市街化区域に所在する面積 3,000 ㎡の土地をAに売却する契約を、甲
市と A が締結した場合、A は事後届出を行う必要がある。
3 B は、市街化調整区域において、C の所有する面積 8,000 ㎡の土地を民事調停法に基づ
く調停により取得し、その後当該土地を D に売却したが、この場合、B と D はいずれ
も事後届出を行う必要はない。
4 宅地建物取引業者Eが所有する市街化区域内の 1,500 ㎡の土地について、宅地建物取
引業者Fが購入する契約を締結した場合、Fは、その契約を締結した日から起算して
2週間以内に事後届出を行わなければならない。
5
宅地建物取引業者Gが所有する、都市計画法第5条の2に規定する準都市計画区域内
に所在する面積 7,000 ㎡の土地について、Hに売却する契約を締結した場合、Hは事
後届出をする必要がある。
6 市街化調整区域においてIが所有する面積 4,000 ㎡の土地について、Jが一定の計画
に従って、2,000 ㎡ずつに分割して順次購入した場合、Jは事後届出を行わなければな
らない。
7 K及びLが、M市が所有する都市計画区域外の 24,000 ㎡の土地について共有持分 50%
ずつと定めて共同で購入した場合、K及びLは、それぞれ事後届出を行わなければな
らない。
(解 説)
1
×
土地売買等の契約の当事者の一方が国又は地方公共団体である場合は、事後届出
は不要である(国土利用計画法 23 条2項3号)
。
2
×
土地売買等の契約の当事者の一方が国や地方公共団体である場合は、事後届出は
不要である(同法 23 条2項3号)
。
3 × B は民事調停法に基づく調停で取得したため届出不要である
(同法 23 条2項3号)
が、D は売買契約により市街化調整区域内の 5,000 ㎡以上の土地を取得したので
届出が必要である(同法 23 条2項1号ロ)
。
4 × 市街化区域内の 2,000 ㎡未満の土地の売買契約等を締結した場合、事後届出は不
要である(同法 23 条2項1号イ)
。
5 × 準都市計画区域内の 10,000 ㎡未満の土地の売買契約等を締結した場合、事後届出
は不要である(同法 23 条2項1号ハ)
。
6 × 市街化調整区域では、5,000 ㎡未満の土地売買等の契約は、事後届出は不要である
(同法 23 条2項1号ロ)
。本肢では、分割して購入しているが、購入する土地全
16
体が 5,000 ㎡未満であり、事後届出は必要ない。
7 × 当事者の一方又は双方が国、地方公共団体である場合は、事後届出は不要である
(同法 23 条2項3号)。本肢は、M市が所有する土地についての売買契約であり、
事後届出は必要ない。
17
国土利用計画法(届出の要否3)
1 Aが、市街化区域において、Bの所有する面積 3,000 ㎡の土地を一定の計画に基づき
1,500 ㎡ずつ順次購入した場合、Aは事後届出を行う必要はない。
2 Cが所有する市街化区域に所在する面積 5,000 ㎡の一団の土地を分割して、1,500 ㎡を
Dに、3,500 ㎡をEに売却する契約をCがそれぞれD及びEと締結した場合、Dは事後
届出を行う必要はないが、Eは事後届出を行う必要がある。
3 監視区域内の市街化調整区域に所在する面積 6,000 ㎡の一団の土地について、所有者
Fが当該土地を分割し、4,000 ㎡をGに、2,000 ㎡をHに売却する契約をG、Hと締結
した場合、当該土地の売買契約についてF、G及びHは事前届出をする必要はない。
4 宅地建物取引業者Iが所有する都市計画区域外の 13,000 ㎡の土地について、4,000 ㎡
を宅地建物取引業者Jに、9,000 ㎡を宅地建物取引業者Kに売却する契約を締結した場
合、J及びKはそれぞれ、その契約を締結した日から起算して2週間以内に事後届出
を行わなければならない。
(解 説)
1
×
届出を要しない面積で数回に分け取得しても、一定の計画に基づき取得すれば、
合計面積で届出の要否が判断される(国土利用計画法 23 条2項1号イ)
。
2 ○ 市街化区域内での 2,000 ㎡未満の土地の売買契約等を締結しても、事後届出は不
要である(同法 23 条2項1号イ)
。したがって、Dは事後届出が不要であるが、
Eは事後届出が必要である。
3
×
監視区域は事前届出制である。事前届出の場合において、一団の土地を分割して
売却するときは、大きいほうの面積で判断する(同法 27 条の7第1項、27 条の4
第1項・2項1号)
。したがって、本肢の場合、6,000 ㎡で判断するので、FG、
FHいずれの売買契約も届出が必要となる。
4 × 事後届出の面積は取得者で判断する。都市計画区域外では、10,000 ㎡以上の土地
の権利取得者は、事後届出をしなければならない(同法 23 条2項1号ハ)
。した
がって、双方とも 10,000 ㎡未満であるから、事後届出は不要である。
18
国土利用計画法(届出後の手続)
1
土地売買等の契約を締結した場合には、当事者のうち当該契約による権利取得者は、
その契約に係る土地の登記を完了した日から起算して2週間以内に、事後届出を行わ
なければならない。
2
事後届出が必要な土地売買等の契約を締結したにもかかわらず、所定の期間内にこの
届出をしなかった者は、6月以下の懲役又は 100 万円以下の罰金に処せられる。
3
都道府県知事は、事後届出があった場合において、その届出書に記載された土地に関
する権利の移転等の対価の額が土地に関する権利の相当な価額に照らし著しく適正を
欠くときは、当該対価の額について必要な変更をすべきことを勧告することができる。
4
都道府県知事は、事後届出があった日から起算して3週間以内に勧告をすることがで
きない合理的な理由があるときは、3週間の範囲内において、当該期間を延長するこ
とができる。
5
事後届出に係る土地の利用目的について勧告を受けた場合において、その勧告を受け
た者がその勧告に従わなかったときは、その旨及びその勧告の内容を公表されるとと
もに、罰金に処せられることがある。
(解 説)
1
×
事後届出は、土地売買等の契約で権利を取得する者が、契約締結日から2週間以
内に行う必要がある(国土利用計画法 23 条1項)
。
2 ○ 届出をせずに土地売買等の契約を締結した場合、6月以下の懲役又は 100 万円以
下の罰金に処せられる(同法 47 条1号)
。
3
×
事後届出の場合、土地利用が土地利用基本計画等に適合しなければ勧告されるこ
とがあるが、価額に関しては勧告されない(同法 24 条1項)
。
4
○
事後届出から3週間以内に勧告ができないときは、3週間の範囲内において、当
該期間を延長することができる(同法 24 条2項・3項)
。
5
×
勧告に従わなかったときは、都道府県知事はその旨及び勧告内容を公表すること
ができる(同法 26 条)
。したがって、公表されることはあるが、罰金に処せられ
ることはない。
19
農地法(農地の定義)
1
土地登記簿上の地目が山林や原野であっても、現況が農地であれば、その所有権を取
得する場合は、原則として農地法第3条又は第5条の許可を受ける必要がある。
2
現況は農地であるが、土地登記簿上の地目が「山林」である土地を住宅建設の目的で
取得する場合には、農地法第5条の許可を要しない。
3
市街化調整区域内の山林の所有者が、その土地を開墾し果樹園として利用した後に、
その果樹園を山林に戻す目的で、杉の苗を植える場合には、農地法第4条の許可を受
ける必要がある。
4
農業者が山林原野を取得して、農地として造成する場合、農地法第3条第1項の許可
を受ける必要がある。
5
山林を開墾し現に水田として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山
林である限り、農地法の適用を受ける農地には当たらない。
6
現況は農地であるが、土地登記簿上の地目が原野である市街化調整区域内の土地を駐
車場にするために取得する場合は、農地法第5条第1項の許可を受ける必要はない。
(解 説)
1
○
土地登記簿上の地目にかかわらず、現況が農地であれば、農地として農地法の制
限を受けるので、権利変動に許可が必要である(農地法2条1項、3条1項、5
条1項)
。
2
×
土地登記簿上の地目にかかわらず、現況が農地であれば、転用のための権利移動
には、農地法5条の許可が必要である(同法5条1項)
。
3
○
農地に該当するか否かは現況で判断する。本肢では現況は果樹園であり、その果
樹園を山林に転用するには、農地法4条の許可が必要である(同法2条1項、4
条1項)
。
4
×
取得したのは農地ではなく山林原野であるため、農地法の許可は必要ない(同法
3条1項)
。
5
×
土地登記簿上の地目にかかわらず、現に耕作の用に供されている土地は農地であ
り、農地法の適用を受ける(同法2条1項)
。
6
×
土地登記簿上の地目にかかわらず、現況が農地であれば、転用のための権利移動
には、農地法5条の許可が必要である(同法5条1項)
。
20
農地法(農地法の許可)
1
農地を転用するため買い受ける場合は、農地法第3条の権利移動許可と同法第4条の
農地転用許可の両方の許可を受ける必要がある。
2
市街化区域内にある農地について、農地以外のものに転用するため所有権を取得する
場合で、転用する農地の面積が4ha を超えるときは、都道府県知事に農地法第5条の
届出をする必要がある。
3
市街化区域内の農地を耕作目的で取得する場合には、あらかじめ農業委員会に届け出
れば、農地法第3条の許可を要しない。
4
農地の所有者がその土地に住宅を建設する場合で、その土地が市街化区域内にあると
き、必ず農地法第4条の許可を受けなければならない。
5
市街化調整区域内の農地を宅地に転用する目的で所有権を取得する場合、あらかじめ
農業委員会に届け出れば農地法第5条の許可を得る必要はない。
6
農業者が自ら居住している住宅の改築に必要な資金を銀行から借りるため、自己所有
の農地に抵当権を設定する場合、農地法第3条第1項の許可を受ける必要はない。
(解 説)
1
×
農地を転用するために権利移動をする場合には、農地法5条の許可が必要である
(農地法5条1項)
。
2
×
市街化区域内にある農地を転用目的で権利移動する場合、面積に関係なく、農業
委員会に届出をする(同法5条1項6号)。
3 × 市街化区域内の農地を耕作目的で取得する場合には、市街化区域内の特例はなく、
農地法3条の許可が必要である(同法3条1項)
。3 条には市街化区域の特例はな
い。
4
×
市街化区域内の農地を転用する場合には、あらかじめ、農業委員会に届出をすれ
ば、農地法4条の許可は不要である(同法4条1項7号)。
5
×
市街化区域内ならば農業委員会に届出をすることで農地法5条の許可は不要であ
るが、市街化調整区域内であれば許可が必要である(同法5条1項6号)
。
6
○
農地に抵当権を設定することは権利移動に該当しないため、農地法3条の許可は
不要である(同法3条1項)。
21
農地法(農地法の許可の例外等)
1 相続した農地を遺産分割する場合は、農地法第3条の許可を受ける必要がない。
2 農家が、その農業用倉庫として利用する目的で自己の所有する農地を転用する場合は、
転用する農地の面積のいかんにかかわらず、農地法第4条の許可を受ける必要がある。
3
農家が農業用施設に転用する目的で1aの農地を取得する場合には、農地法第5条の
許可を受ける必要がある。
4 採草放牧地の所有者がその土地に 500 ㎡の農業用施設を建設する場合、農地法第4条
の許可を受けなければならない。
5
民事調停法による農事調停により農地の所有権を取得する場合には、農地法第3条の
許可を受ける必要はない。
6
都道府県知事は、農地法第5条第1項の許可を要する農地取得について、その許可を
受けずに農地の転用を行った者に対して、必要な限度において原状回復を命ずること
ができる。
7 農地法第 3 条第 1 項又は第 5 条第 1 項の許可が必要な農地の売買について、これらの
許可を受けずに売買契約を締結しても、その所有権は移転しない。
(解 説)
1
○
遺産の分割により農地の権利が移転する場合、農地法3条の許可を受ける必要は
ない。ただし、農業委員会に届出をする必要はある(農地法3条1項 12 号)。
2
×
2a未満の農地を農業用施設に転用する場合には、農地法4条の許可は必要ない
(同法4条1項8号、同法施行規則 32 条1号)
。
3
○
自己が所有する2a未満の農地を農業用施設に転用するだけであれば、農地法 4
条の許可は不要であるが、農地を転用目的で取得するときは農地法 5 条の許可が
必要である(同法5条1項、4条1項8号、同法施行規則 32 条1号参照)
。本肢
のような特例はない。
4 × 採草放牧地を採草放牧地以外に転用することは、農地法4条で制限されていない。
したがって、農地法の許可は不要である(同法4条1項)。
5
○
民事調停法による農事調停により農地の所有権を取得する場合、農地法3条の許
可は不要である(同法3条1項 10 号)
。
6
○
都道府県知事は、農地法5条1項の許可を要する農地取得について、その許可を
受けずに農地の転用を行った者に対して、相当の期限を定めて原状回復その他違
反を是正するため必要な措置をとることを命ずることができる(同法 51 条1項1
号)
。
7 ○ 農地の権利移動については、許可を必要とする(同法3条1項、5条1項)
。これ
は、食料の安定供給を確保する上で大切な手続であり、許可を受けないでした行
22
為は、無効となる(同法3条7項、5条3項)。
23
宅地造成等規制法(宅地造成の定義)
1 宅地を宅地以外の土地にするために行う土地の形質の変更は、宅地造成に該当しない。
2 宅地以外の土地を宅地にするための切土であって、当該切土を行う土地の面積が 400
㎡あり、かつ、高さが1mの崖を生ずることとなる土地の形質の変更は、宅地造成に
該当しない。
3 宅地以外の土地を宅地にするための盛土であって、当該盛土を行う土地の面積が 1,000
㎡であり、かつ、高さが 80cm の崖を生ずることとなる土地の形質の変更は、宅地造成
に該当する。
4
宅地造成工事規制区域内の宅地において行われる切土による土地の形質の変更に関す
る工事で、当該宅地に高さ 1.5mの崖が生じ、かつ、その面積が600㎡のときには、
造成主は、あらかじめ都道府県知事の許可を受けなければならない。
5
宅地造成工事規制区域内において、森林を宅地にするために行う切土であって、高さ
3mの崖を生ずることとなるものに関する工事を行う場合には、造成主は、都市計画
法第 29 条第1項又は第2項の許可を受けて行われる当該許可の内容に適合した工事を
除き、工事に着手する前に、都道府県知事の許可を受けなければならない。
(解 説)
1 ○ 宅地を宅地以外の土地にするために行う土地の形質の変更は、規模にかかわらず、
宅地造成に該当しない(宅地造成等規制法2条2号)。
2 ○ 宅地以外の土地を宅地にする切土であっても、崖が2m以下で、面積が 500 ㎡以
下のため、宅地造成に該当しない(同法2条2号、同法施行令3条1号・4号)。
3 ○ 宅地以外を宅地にする盛土で、土地の面積が 500 ㎡を超えれば、宅地造成に該当
する(同法2条2項、同法施行令3条4号)
。
4
○
宅地造成工事規制区域内の宅地において、切土又は盛土をする土地の面積が 500
㎡を超えれば、宅地造成に該当し、許可が必要である(同法8条1項、2条2号、
同法施行令3条4号)。
5
○
宅地以外を宅地にするための切土であって、高さ2mを超える崖が生じる工事で
あれば、一定の場合を除き、許可が必要である(同法2条2号、8条1項、同法
施行令3条1号)。
24
宅地造成等規制法(許可申請後の流れ)
1
都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事に
ついての許可に、当該工事の施行に伴う災害の防止その他良好な都市環境の形成のた
めに必要と認める場合にあっては、条件を付することができる。
2
新たに指定された宅地造成工事規制区域内において、指定の前に既に着手されていた
宅地造成に関する工事については、
その造成主はその指定があった日から 21 日以内に、
都道府県知事の許可を受けなければならない。
3
宅地造成工事規制区域内の宅地において、擁壁に関する工事を行おうとする者は、宅
地造成等規制法第8条第1項の工事の許可を受けなければならない場合等を除き、工
事に着手する日までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
4
宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成等規制法第8条第1項の許可に係
る工事が完了した場合、造成主は、都道府県知事の検査を受けなければならない。
5
都道府県知事は、宅地造成等規制法第8条第1項の工事の許可の申請があった場合に
おいては、遅滞なく、文書をもって許可又は不許可の処分を申請者に通知しなければ
ならない。
(解 説)
1
×
工事の施行に伴う「災害を防止するため」であれば許可に必要な条件を付するこ
とができる(宅地造成等規制法8条3項)が、その他の理由で条件を付けること
はできない。
2 × 宅地造成工事に着手後、宅地造成工事規制区域内に指定された場合、指定から 21
日以内に、都道府県知事に対し届出をする必要がある(同法 15 条1項)
。
3
×
擁壁等に関する工事を行おうとする者は、許可を受けた場合等を除き、工事に着
手する日の 14 日前までに届出を行う必要がある(同法 15 条2項、同法施行令 18
条)
。
4
○
宅地造成に関する工事の許可を受けた造成主は、許可を受けた工事を完了した場
合には、都道府県知事の検査を受けなければならない(同法 13 条1項)
。
5
○
都道府県知事は、宅地造成の工事の許可の申請があった場合、遅滞なく、文書に
より許可又は不許可の処分を申請者に通知しなければならない(同法 10 条1項・
2項)
。
25
宅地造成等規制法(監督処分・造成宅地防災区域等)
1
都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地で、宅地造成に伴う災害で相当数の
居住者に危害を生ずるもの(以下、この問において「災害」という。
)の防止のため必
要な擁壁が設置されていないため、これを放置するときは宅地造成に伴う災害の発生
のおそれが大きいと認められるものがある場合、一定の限度のもとに当該宅地の所有
者以外の者に対しても擁壁の設置のための工事を行うことを命ずることができる。
2
都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地について、宅地造成に伴う災害の防
止のため必要があると認める場合においては、宅地の所有者に対し、擁壁の設置等の
措置をとることを勧告することができる。
3
都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内における宅地の所有者、管理者又は占有者
に対して、当該宅地又は当該宅地において行われている工事の状況について報告を求
めることができる。
4
都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内においても、宅地造成に伴う災害の発生の
おそれが大きい一団の造成宅地の区域を造成宅地防災区域に指定することができる。
5
宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事は、擁壁、排水施設
又は消防の用に供する貯水施設の設置その他宅地造成に伴う災害の発生を防止するた
め必要な措置が講じられたものでなければならない。
6
造成宅地防災区域内の造成宅地の所有者等は、災害が生じないよう、その造成宅地に
ついて擁壁の設置等の措置を講ずるよう努めなければならない。
7
都道府県知事は、造成宅地防災区域内の造成宅地について、災害の防止のため必要が
あると認める場合は、当該造成宅地の所有者等に対し、擁壁の設置等の措置をとるこ
とを勧告することができる。
(解 説)
1
○
都道府県知事は、一定の場合、所有者以外の管理者や占有者に対しても、擁壁の
設置のための工事を命令できる(宅地造成等規制法 17 条2項)
。
2
○
都道府県知事は、一定の場合においては、宅地の所有者に対し、擁壁等の設置等
の措置をとることを勧告できる(同法 16 条2項)
。
3
○
災害を防止し、宅地の安全を確保するため、都道府県知事は,宅地造成工事規制
区域内の宅地の所有者、管理者又は占有者に対して、当該宅地又は宅地において
行われる工事の状況について報告を求めることができる(同法 19 条)
。
4
×
造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域に指定されていない区域で指定され
る(同法 20 条1項)。
5 × 宅地造成に関する工事の技術的基準には、
「消防の用に供する貯水施設の設置」は
定められていない(同法9条1項、同法施行令4条~15 条)
。
26
6
○
造成宅地防災区域内の造成宅地の所有者等は、擁壁等の設置などの必要な措置を
講ずるよう努めなければならない(同法 21 条1項)。
7
○
都道府県知事は、造成宅地防災区域内の造成宅地について、所有者等に対し、災
害防止のため必要な措置をとることを勧告することができる(同法 21 条2項)。
27
土地区画整理法(組合)
1
土地区画整理組合を設立しようとする者は、事業計画の決定に先立って組合を設立す
る必要があると認める場合においては、5人以上共同して、定款及び事業基本方針を
定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる。
2
土地区画整理組合は、当該組合が行う土地区画整理事業に要する経費に充てるため、
賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができるが、
その場合、都道府県知事の認可を受けなければならない。
3
宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は、当該権利
の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行すること
ができる。
4 土地区画整理組合は、総会の議決により解散しようとする場合において、その解散に
ついて、認可権者の認可を受けなければならない。
5 土地区画整理組合は、土地区画整理事業について都市計画に定められた施行区域外に
おいて、土地区画整理事業を施行することはできない。
(解 説)
1
×
定款及び事業基本方針は、7人以上共同して定める必要がある(土地区画整理法
14 条2項)
。
2
×
組合は、参加組合員以外の組合員に対して賦課金を徴収できるが、都道府県知事
の認可は必要ない(同法 40 条1項)
。
3
○
宅地の所有者又は借地権者が設立する土地区画整理組合は、一定の土地について
土地区画整理事業を施行できる(同法3条2項)
。
4
○
土地区画整理組合は、総会の議決により解散することができるが、この場合、解
散について都道府県知事の認可を受けなければならない(同法 45 条2項)
。
5
×
土地区画整理事業には、都市計画事業として施行する事業と都市計画事業ではな
い事業がある。公的施行は施行区域内で必ず都市計画事業として行う(同法3条
の4第1項)
。しかし、土地区画整理組合は、どちらの事業でもできるので、都市
計画事業ではない場合は、都市計画で定められた施行区域外で施行することにな
る(同法3条2項)
。
28
土地区画整理法(組合員)
1
土地区画整理組合が成立した場合において、施行地区内の宅地について所有権又は借
地権を有する者はすべて組合員となるが、施行地区内の借家人は組合員とはならない。
2
組合施行の土地区画整理事業において、施行地区内の宅地について所有権又は借地権
を有する者は、すべてその組合の組合員となるので、当該宅地について事業施行中に
組合員から所有権を取得した者は、当該組合の組合員となる。
3
組合施行の土地区画整理事業において、施行地区内の宅地について所有権を有する組
合員から当該所有権の一部のみを承継した者は、当該組合員とはならない。
(解 説)
1
○
施行地区内の宅地の所有者及び借地権者はすべて組合員になるが、借家人は組合
員にはならない(土地区画整理法 25 条1項)。
2
○
施行地区内の宅地について事業施行中に組合員から所有権を取得した者も、組合
員となる(同法 25 条1項)
。
3
×
施行地区内の宅地について、所有権又は借地権を有する者は、すべて組合員とな
る(同法 25 条1項)。
29
土地区画整理法(建築等の制限)
1
土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業にあっては、事業の完成による解散に
ついての認可の公告の日までは、施行地区内における建築物の新築について都道府県
知事の許可を受けなければならない。
2
都道府県知事は、建築行為等の許可をしようとするときに、土地区画整理審議会の意
見を聴かなければならないことがある。
3
建築行為等の制限に違反して都道府県知事の許可を受けずに建築物を新築した者から
当該建築物を購入した者は、都道府県知事から当該建築物の除却を命じられることが
ある。
4
土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日から当該組合が行う土地区画整理事
業に係る換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、事業の施行の障害と
なるおそれがある土地の形質の変更や建築物の新築等を行おうとする者は、当該組合
の許可を受けなければならない。
5 土地区画整理事業の施行地区内においては、土地区画整理法第 76 条の規定により、一
定の建築行為等について、国土交通大臣又は都道府県知事の許可を必要とする規制が
なされるが、仮換地における当該建築行為等については、仮換地の換地予定地的な性
格にかんがみ、当該規制の対象外となっている。
(解 説)
1
×
建築行為等の制限は、組合解散の認可の公告の日までではなく、換地処分の公告
がある日までである(土地区画整理法 76 条1項)
。
2
×
都道府県知事が意見を聴かなければならないのは、土地区画整理審議会の意見で
はなく、施行者の意見である(同法 76 条2項)
。
3
○
都道府県知事は、許可を受けずに新築した者から権利を承継した者に対して、建
築物の除却を命じることができる(同法 76 条4項)。
4
×
建築行為等の許可権者は、施行者が国土交通大臣である場合を除き、都道府県知
事(市の区域内では、個人施行・組合施行・区画整理会社・市の施行の場合は市
長)である(同法 76 条1項)
。
5
×
土地区画整理事業の事業決定等の公告から換地処分の公告までの間に、建築行為
等をする場合は、許可が必要である。したがって、仮換地であっても許可が必要
となる(同法 76 条1項)
。
30
土地区画整理法(仮換地1)
1
仮換地となるべき土地について質権や抵当権を有する者があるときは、これらの者に
仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知しなければならない。
2
土地区画整理組合は、仮換地を指定しようとする場合においては、あらかじめ、その
指定について、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。
3
仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は
収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある
日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益
と同じ使用又は収益をすることができる。
4
施行者は、仮換地の指定を行うに当たっては、従前の宅地について抵当権を有する者
に対して、仮換地について仮にその目的となるべき宅地又はその部分を指定しなけれ
ばならない。
5
仮換地となるべき土地について質権や抵当権を有する者があるときは、これらの者に
仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知しなければならない。
(解 説)
1 × 仮換地となるべき土地の使用収益権者にも通知する
(土地区画整理法 98 条6項)
。
ただし、抵当権者には、使用収益権がないので、通知は不要である。
2
×
土地区画整理審議会の意見を聴かなければならないのは、個人又は土地区画整理
組合以外の施行者である(同法 98 条3項)
。
3
○
仮換地の効力発生日から、仮換地を、従前の宅地について有する権利と同じ内容
で、使用し収益をすることができる(同法 99 条1項)
。
4
×
従前の宅地について使用収益権のない抵当権者に対して、仮換地を指定する必要
はない(同法 98 条1項)
。
5 × 仮換地となるべき土地の使用収益権者にも通知する(同法 98 条6項)
。ただし、
抵当権者には、使用収益権がないので、通知は不要である。
31
土地区画整理法(仮換地2)
1
施行者は、仮換地を指定した場合において、特別の事情があるときは、その仮換地に
ついて使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生日と別に定
めることができる。
2
仮換地の指定を受けた場合、その処分により使用し、又は収益することができる者の
なくなった従前の宅地は、当該処分により当該宅地を使用し、又は収益することがで
きる者のなくなった時から、換地処分の公告がある日までは、施行者が管理するもの
とされている。
3
土地区画整理組合が仮換地を指定した場合において、当該処分によって使用し又は収
益することができる者のなくなった従前の宅地については、換地処分の公告がある日
までは、当該宅地の存する市町村がこれを管理する。
4
土地区画整理事業の施行者は、仮換地を指定した場合において、必要があると認める
ときは、仮清算金を徴収し、又は交付することができる。
(解 説)
1
○
特別の事情があるときは、仮換地の使用収益開始日を、効力発生日と別の日に定
めることができる(土地区画整理法 99 条2項)
。
2
○
施行者は、仮換地指定によって使用収益できる者がなくなった宅地を、換地処分
の公告の日まで管理する(同法 100 条の2)
。
3
×
仮換地指定によって使用収益できる者がなくなった宅地は、市町村ではなく施行
者である組合が管理する(同法 100 条の2)
。
4
○
施行者は、仮換地を指定した場合において、必要があると認めるときは、仮清算
金を徴収し、又は交付することができる(同法 102 条1項)
。
32
土地区画整理法(換地処分)
1
換地処分は、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事がすべて完
了した場合でなければ、することができない。
2
土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の換地計画において保留地が定められ
た場合、当該保留地は、換地処分の公告のあった日の翌日においてすべて土地区画整
理組合が取得する。
3
換地処分は、施行者が換地計画において定められた関係事項を公告してするものとさ
れている。
4
施行地区内の宅地について存する地役権は、行使する利益がなくなった場合を除き、
換地処分に係る公告があった日の翌日以後においても、なお従前の宅地の上に存する。
5
換地処分に係る公告後、従前の宅地について存した抵当権は消滅するので、換地に移
行することはない。
6
土地区画整理事業の施行により生じた公共施設の用に供する土地は、換地処分に係る
公告があった日の翌日において、すべて市町村の管理に属する。
(解 説)
1 × 換地処分は、工事完了後にするのが原則であるが、規約等に別段の定めがあれば、
工事完了前でもできる(土地区画整理法 103 条2項)
。
2
○
換地計画で定められた保留地は、換地処分の公告のあった日の翌日に、施行者が
取得する(同法 104 条 11 項)
。
3
×
換地処分は、関係権利者に換地計画において定められた関係事項を通知すること
により行われる(同法 103 条1項)
。
4
○
地役権は、行使する利益がなくなった場合を除き、公告の日の翌日以降も、従前
の宅地の上に存する(同法 104 条4項・5項)。
5
×
従前の宅地について存した抵当権は、換地処分の公告のあった日の翌日に換地に
移行する(同法 89 条2項、104 条2項)
。
6
×
土地区画整理事業により生じた公共施設の用に供する土地は、公共施設を管理す
べき者に帰属する(同法 105 条3項)
。
33
その他の法令
1
道路法によれば、道路の区域が決定された後、道路の供用が開始されるまでの間に、
当該区域内において、工作物の新築を行おうとする者は、道路管理者の許可を受けな
ければならない。
2
都市緑地法によれば、特別緑地保全地区内において、土地の形質の変更を行おうとす
る者は、公園管理者の許可を受けなければならない。
3
地すべり等防止法によれば、地すべり防止区域内において、地下水を誘致し、又は停
滞させる行為で、地下水を増加させるものを行おうとする者は、河川管理者の許可を
受けなければならない。
4 河川法によれば、河川保全区域内において工作物の新築又は改築をしようとする者は、
原則として、河川管理者の許可を受けなければならない。
5
生産緑地法によれば、生産緑地地区内において建築物の新築、改築又は増築を行おう
とする者は、原則として、市町村長の許可を受けなければならない。
6
海岸法によれば、海岸保全区域内において土石の採取等の行為をしようとする者は、
原則として、海岸管理者の許可を受けなければならない。
7
文化財保護法によれば、史跡名勝天然記念物の保存に重大な影響を及ぼす行為をしよ
うとする者は、原則として、市町村長の許可を受けなければならない。
(解 説)
1
○
道路の区域が決定された後、道路の供用が開始されるまでの間に、工作物の新築
を行おうとする者は、道路管理者の許可が必要である(道路法 91 条1項)
。
2
×
特別緑地保全地区内において、土地の形質の変更を行うには、都道府県知事の許
可を受けなければならない(都市緑地法 14 条1項2号)
。
3
×
地すべり防止区域内において、地下水を増加させる一定の行為を行うには、都道
府県知事の許可が必要である(地すべり等防止法 18 条1項1号)
。河川管理者の
許可ではない。
4
○
河川保全区域内において、工作物の新築又は改築をしようとする者は、原則とし
て、河川管理者の許可が必要である(河川法 55 条1項2号)
。
5
○
生産緑地地区内において、建築物の新築等をするには、原則として、市町村長の
許可が必要である(生産緑地法8条1項1号)。
6
○
海岸保全区域内において、土石の採取等をしようとする者は、原則として、海岸
管理者の許可を受けなければならない(海岸法8条1項1号)
。
7
×
史跡名勝天然記念物の保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、原則とし
て、文化庁長官の許可が必要である(文化財保護法 43 条1項)
。市町村長の許可
ではない。
34