震災対策農業水利施設整備事業実施要綱

震災対策農業水利施設整備事業実施要綱
最終改正
平成23年11月21日付け
23農振第1910号
平成25年2月26日付け
24農振第2110号
各地方農政局長
国土交通省北海道開発局長
内閣府沖縄総合事務局長
殿
北海道知事
農林水産事務次官
第1
趣旨
東日本大震災では、東北地方を中心にため池や排水機場、農道橋、干拓堤防などの施設
が被災し、人命が失われるなどの甚大な被害が発生した。このように、農業水利施設や農
道橋、干拓堤防等の土地改良施設が地震によって損壊することにより、農用地、農業用施
設はもとより、地域住民の生命、財産、公共施設にも甚大な被害が発生するおそれがある。
このため、土地改良施設の現状を確認し、地震による被災の影響が大きい施設の耐震性
を点検・調査するとともに、ハザードマップの作成などの対策や地震により施設の損壊の
おそれがあるなど必要な耐震性を有していない施設の整備を実施することにより災害の未
然防止や被害の軽減を図る震災対策農業水利施設整備事業(以下「本事業」という。)を
実施する。
第2
事業内容
本事業は、耐震性点検・調査計画事業及び耐震化整備事業により構成され、各事業で実
施することができる事業内容は、次に掲げるとおりとする。
1
耐震性点検・調査計画事業
(1)
計画的に耐震対策を推進するために行う土地改良施設の点検の実施
(2)
大規模地震発生のおそれのある地域において、土地改良施設の耐震性を調査すると
ともに、必要に応じてハザードマップを作成又は耐震化対策整備計画を策定
2
耐震化整備事業
大規模地震発生のおそれのある地域において、地震により施設の損壊のおそれがあ
るなど必要な耐震性を有していない土地改良施設を整備
第3
事業実施主体
本事業の実施主体は、都道府県又は団体(市町村、土地改良区その他都道府県知事が適
当と認めるもの。)とする。ただし、第2の2の事業にあっては、都道府県又は市町村に
限るものとする。
第4
1
事業の実施等
都道府県知事は、事業を実施しようとするとき又は団体の長から事業を実施したい旨
の申請があったときは、当該事業の採択を希望する年度の前年度の11月末日までに、農
林水産省農村振興局長(以下「農村振興局長」という。)が別に定める様式による事業
採択申請書及び事業計画概要書(耐震化整備事業にあっては、これらに併せて耐震化対
策整備計画)を、地方農政局長(北海道にあっては、国土交通省北海道開発局長(以下
「北海道開発局長」という。)を経由して農村振興局長、沖縄県にあっては内閣府沖縄
総合事務局長(以下「沖縄総合事務局長」という。))に提出するものとする。
2
地方農政局長等(北海道にあっては農村振興局長、沖縄県にあっては沖縄総合事務局
長、その他の都府県にあっては地方農政局長をいう。以下同じ。)は、1により提出さ
れた事業採択申請書及び事業計画概要書(耐震化整備事業にあっては、これらに併せて
耐震化対策整備計画)を審査の上、予算の範囲内において当該事業に国庫補助金を交付
して当該事業を実施させることが適当と認めるときは、当該都道府県知事(北海道にあ
っては、北海道開発局長を経由して北海道知事)に農村振興局長が別に定める様式によ
る採択通知書を交付してその旨を通知するものとする。
3
耐震化整備事業に係る2による審査の基準については、農村振興局長が別に定めるも
のとする。
第5
採択要件
本事業を構成する耐震性点検・調査計画事業及び耐震化整備事業の採択要件は、それぞ
れ次に掲げるとおりとする。
1
耐震性点検・調査計画事業
(1)
次のいずれかに該当する地域であること(第2の1の(1)に掲げる事業を実施する
場合を除く。)。
ア
大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号)に基づく地震防災対策強化地
域
イ
東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成14年法律
第92号)及び日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関す
る特別措置法(平成16年法律第27号)に基づく地震防災対策推進地域
ウ
過去に大規模地震が発生したことのある地域又は今後大規模地震が発生するおそ
れの高い地域
(2)
農業用ため池(災害防止用のダムを含む。以下同じ。)にあっては受益面積7ha以
上又は農外想定被害額が4,000万円以上であって、かつかんがい受益面積2ha以上、
農業用ため池を除く頭首工、樋門、用排水機場、水路等の農業水利施設、農道及び干
拓堤防にあっては受益面積30ha以上であること。ただし、農業用ため池であって第2
の1の(1)に掲げる事業を実施する場合にあっては、かんがい受益面積がおおむね2h
a以上であること。
2
耐震化整備事業
(1)
1の(1)のアからウまでのいずれかに該当する地域であること。
(2)
耐震化対策整備計画が策定されている事業であって、次の要件を満たすこと。
ア
震災対策ため池整備工事
大規模な地震等の発生に伴う決壊により湛水被害等が生ずるおそれのある農業
用ため池の変更又は新設並びにこれと併せ行うため池の廃止及び附帯施設の整備
(ア)大規模事業
次のいずれかに該当するもの
a受益面積がおおむね70ha以上かつかんがい受益面積がおおむね40ha以上の
もの
b受益面積がおおむね7ha以上、かんがい受益面積がおおむね2ha以上かつ
農外想定被害額が3億円以上のもの
(イ)小規模事業
受益面積がおおむね7ha以上又は農外想定被害額が4,000万円以上であって、か
つかんがい受益面積がおおむね2ha以上のもの
イ
震災対策農業用施設整備工事
大規模な地震等の発生に伴う施設の損壊により湛水被害等が生ずるおそれのあ
る頭首工、樋門、用排水機場、水路、干拓堤防及び避難路等に指定されており周
辺の公共施設等への影響が大きい農道等の変更又は当該施設に代わる農業用用排
水施設の新設及びこれらの附帯施設の整備
(ア)大規模事業
受益面積がおおむね400ha以上のもの
(イ)小規模事業
受益面積がおおむね30ha以上のもの
第6
1
事業計画書の変更
都道府県知事は、土地改良法に基づき実施する都道府県営事業の計画変更については、
補助金の交付を受ける都道府県営土地改良事業に係る土地改良事業計画に関する手続き
について(平成12年11月30日付け12構改C第704号農林水産事務次官依命通知)により行
うものとする。
2
団体の長は、土地改良法に基づき実施する団体営事業の事業計画について、次の各号
のいずれかに該当する変更を行おうとするときは、都道府県知事の承認を受けるものと
する。
(1) 事業の施行に係る地域についての次に掲げる変更
ア
事業の施行に係る地域の変更であって、これに伴う受益面積の増減が10パーセン
ト以上となるもの
イ
事業別目的面積の増減が20パーセント以上となる変更及びその位置の著しい変動
(それぞれの増減が受益面積全体の10パーセントに満たないものを除く。)
(2) 主要工事計画について、平成18年9月25日農林水産省告示第1272号(土地改良法施
行規則第38条の2等に規定する主要工事計画等であって農林水産大臣が定めるものを
定める件。以下「告示」という。)第一号(一)イ(ア)から(ウ)まで、(二)イ
(ア)及び(イ)、(三)イ(ア)及び(イ)、(四)イ並びに(五)イに掲げる変
更
(3) 事業費であって、告示第三号に規定されているものについての変更
3
都道府県知事は、1に定める変更以外の変更であって、次のいずれかに該当する変更
を行ったときは、農村振興局長が別に定めるところにより、その旨を地方農政局長(北
海道にあっては北海道開発局長を経由して農村振興局長、沖縄県にあっては沖縄総合事
務局長)に報告しなければならない。
(1)
地区概要の変更
(2)
物価又は労賃の変動によるものを除く調査計画事業の事業費の10パーセント以上の
増減(調査設計業務等の入札、契約の改善による費用の縮減による事業費の減額で
あって、変更前の耐震性点検・調査計画事業により得られる効用と同等以上の効用
が得られるものを除く。)
4
団体の長は、2に定める変更以外の変更であって、3(1)又は(2)に該当する変更を行
おうとするときは、都道府県知事の承認を受けなければならない。
5
都道府県知事は、2及び4の規定により、団体営事業計画の変更内容の適否を決定し、
これを承認したときは、地方農政局長(北海道にあっては北海道開発局長を経由して農
村振興局長、沖縄県にあっては沖縄総合事務局長)にその旨を報告するものとする。
第7
助成
国は、予算の範囲内で、本事業に要する経費のうち、耐震性点検・調査計画事業につい
ては別表1に掲げる事業費、耐震化整備事業については別表2に掲げる工事費につき別に
定めるところにより、助成するものとする。
第8
委任等
1
本事業の実施は、この要綱に定めるもののほか、農村振興局長が別に定めるところに
よる。
2
土地改良法の手続きを経て実施する第2の2の事業にあっては、土地改良法(昭和24
年法律第195号)、土地改良法施行令(昭和24年政令第295号)、土地改良法施行規則
(昭和24年農林省令第75号)その他の法令に定めるもののほか、1に定めるところによ
る。
第9
その他
1
平成23年度における事業採択申請書等の提出期限は、第4の1の規定にかかわらず、
平成23年11月末日までとする。
2
平成24年度における事業採択申請書等の提出期限は、第4の1の規定にかかわらず、
平成25年3月15日までとする。
3
地域自主戦略交付金制度要綱(平成23年4月1日付け)別紙12の運用別紙1のⅠ、Ⅱ、
Ⅲ、Ⅶ及びⅩに基づき実施してきた地区の取扱いについては、なお従前の例による。
4
平成25年度における事業採択申請書等の提出期限は、第4の1の規定にかかわらず、
平成25年10月末日までとする。
附
則
この通知は、平成25年2月26日から施行する。