Ⅲ 都市づくりの理念と基本目標(PDFファイル 231.0KB)

Ⅲ.都市づくりの理念と基本目標
1.都市づくりの理念
我国における都市づくりの方向性
-都市を取り巻く時代潮流の変化○急速な経済成長社会が終焉(時代の大きな転換期)
○今後予想される人口減少・超高齢社会※の到来
※一般に高齢者(65 歳以上人口)比率が 7%を超える
と「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、
21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれる。
○地球環境問題や安全・安心・癒しのある暮らし等に対する住民意識の高まり
○厳しい財政状況などの時代変化を的確に踏まえた都市づくり 等
-都市計画法の改正趣旨(平成 18 年改正)○これまでの都市づくりの方向性を大きく転換する必要性の高まり(モータリゼーションの進展等に
よる都市機能の無秩序な拡散が引き起こす「環境負荷の増大」や「財政投資の分散による効率性の
低下」
、「公共交通網の縮小」や「生活利便性の低下」等への対応が強く求められる。)
今後の都市づくりの方向性
○人口増加に伴い都市の規模や機能が拡大・成長する社会から、生活関連の社会資本
の整備・充実等による生活環境を重視した社会への転換
○都市を構成する多様な都市機能(居住、公共公益、商業等)が適切に集積され、また、
自動車に過度に依存しない都市構造への再構築
本市の状況(今後の基本的課題)
・本市では、当面、人口増加の傾向が続くことが予想される。
・ただし、郊外部の住宅団地や集落地では、既に人口減少・高齢化が進む地区
もみられ、これら地区ではコミュニティの維持・増進や生活利便性の確保、
さらには地域間のバランスに配慮した都市づくりが必要。
・また、市街化調整区域における住宅団地と農地に介在する集落地区がモザイ
ク状に混在するなど、全体として「分散形態」が本市の都市構造上の特徴。
・その一方、現在の市街化区域内には多くの低・未利用地が残存し、さらに生
活関連の社会資本が不足する地区等も見受けられていることから、長期的な
人口減少・超高齢社会の到来を想定した場合は、これらへの対応も必要。
今後、本市の都市づくりにあたっては、上記のような都市づくりの基本的な方向性を前提とした
都市づくりを進めることが必要であり、上位計画である第5次日進市総合計画における本市の将来都
市像を踏まえ、今後の都市づくりの理念を以下のように定める。
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第5次総合計画における将来都市像
いつまでも暮らしやすい
みどりの住環境都市
《都市づくりの理念》
農地や緑地をはじめとする豊かな自然を守り・育みつつ、
「ベッドタウン」から多様な世代が暮らし続けることのできる
「生活環境が豊かで充実した都市」へと再構築を進める
2.都市づくりの基本目標
農業振興・緑地保全と調和した集約的・効率的な土地利用の実現
人口減少・超高齢社会の到来、自然環境に対する負荷の軽減等の観点から、本市の緑地構造の骨格
である東部丘陵に広がる緑地や天白川・岩崎川沿い農地の保全を図ることで無秩序な市街地の拡大を
抑制し、居住密度が高く、多様な都市機能が集約された市街地の形成を目指す。
“にぎわい”と“ふれあい”を生み出す新たな『都市拠点』の形成
本市の“顔”となり、市民等との交流を促進することで、にぎわいとふれあいを生み出す新たな都
市拠点の形成を目指す。
本市ならではの資源・既存ストックを活かした都市づくり
本市固有の教育・研究開発機能や緑地機能の維持・増進を図りつつ、これらを積極的に活用した都
市づくりを目指す。
誰もが安全・安心・快適に生活し、移動できる都市環境の創出
鉄道駅周辺や住宅団地センター地区等への日常的な生活支援機能の立地を促進することにより、自
動車交通に過度に依存せず、歩くことを主体に暮らせる日常生活圏の構築を目指すとともに、市内に
分散する居住地や各種都市施設間の密な連絡を図るため、サービス水準の高い道路や公共交通の確保
により、移動しやすく動きやすい都市環境の創出を目指す。
互いの役割と責任に基づいた市民・行政による協働の都市づくり
地域住民が主体となった快適な居住環境づくりや市民参加による緑地保全、
「アダプト・プログラ
ム」制度※の導入などにより、市民等と行政が手を取り合ってまちづくりを実践していくことができ
る都市づくりを目指す。
※住民団体、企業等が道路や公共空間で、植栽や清掃等を行
うボランティア制度のこと。アダプトとは「養子」の意味
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