安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の続行を求める申し入れ

2015 年 9 月 25 日
参議院議長
山崎正昭
様
参 議 院 「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」委 員 長
鴻池祥肇
様
安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の続行を求める申し入れ
市民有志
参 議 院 に 設 置 された 「我 が 国 及 び 国 際 社 会 の平 和 安 全 法 制 に 関 する 特 別 委 員 会 」 (以 下 「 特 別
委 」)は、2015 年 9 月 17 日 、同 特 別 委 に審 議 を付 託 された安 保 関 連 法 案 等 計 5 件 の採 決 を行 い、い
ずれも賛 成 多 数 で可 決 されたと言 われています。
しかし、採 決 が行 われたとされる同 日 16 時 30 分 頃 の委 員 会 室 の模 様 を参 議 院 のインターネット中
継 やテレビの中 継 ・録 画 で視 る限 り、鴻 池 委 員 長 席 の周 囲 は与 野 党 議 員 によって何 重 にも取 り囲 まれ、
委 員 長 の議 事 進 行 の声 を委 員 が聴 き取 れる状 況 になかったことは一 目 瞭 然 です。また、委 員 長 も動
議 提 出 の声 を聴 き取 り、各 委 員 の起 立 を確 認 できる状 況 になかったことは明 らかです。
こうした状 況 の中 で、採 決 というに足 る手 続 きが踏 まれたとは到 底 言 えません。また、委 員 会 室 に
いた特 別 委 の委 員 自 身 も、「可 決 はされていません。・・・・委 員 長 が何 を言 ったかわからない。いつ動 議
を出 したのか、採 決 されたのかわからない」(福 山 哲 郎 委 員 )、「いったい何 がおきたのか、そもそも動
議 が出 たのかどうかも、委 員 長 が何 を発 言 したのかも誰 もわからない。そして、私 は自 民 党 席 の前 に
いたが、彼 らも何 もわからないまま立 っていただけですよ」(井 上 哲 士 委 員 )と語 っています。実 際 、速
記 録 (未 定 稿 )でも「議 場 騒 然 、聴 取 不 能 」と記 されるのみで、議 事 の進 行 を記 す委 員 長 の発 言 も質
疑 打 ち切 り動 議 の提 案 も記 されていません。
こうした一 連 の事 実 と状 況 に照 らせば、上 記 5 件 の「採 決 」なるものは、参 議 院 規 則 が定 めた「議 長
は、表 決 を採 ろうとするときは、表 決 に付 する問 題 を宣 告 する」(第 136 条 )、「議 長 は、表 決 を採 ろうと
するときは、問 題 を可 とする者 を起 立 させ、その起 立 者 の多 少 を認 定 して、その可 否 の結 果 を宣 告 す
る」(第 137 条 )という表 決 の要 件 を充 たしていないことは明 らかです。
国 会 での審 議 が進 めば進 むほど違 憲 の疑 いが深 まった安 保 関 連 法 案 を参 議 院 規 則 まで踏 みにじ
り、締 め括 りの質 疑 も省 いて、「採 決 」なるものを強 行 したことは憲 政 史 上 、稀 にみる暴 挙 です。
以 上 から、私 たちは貴 職 に対 し、次 のことを申 し入 れます。
1.
私 たちは 5 件 の「採 決 」と称 されるものは、すべて採 決 の要 件 を充 たさず、採 決 は
不 存 在 であると考 えます。貴 職 がこうした私 たちの見 解 を受 け入 れないのであれば、
参 議 院 規 則 にもとづいて反 証 されるよう、求 めます。
2.
「採 決 」が存 在 しない以 上 、安 保 関 連 法 案 の審 議 は未 了 です。よって、改 めて所 定
の手 続 きを取 り、法 案 の審 議 を再 開 されるよう求 めます。