「北村慈郎牧師の処分撤回を求め、ひらかれた合同教会をつくる宣言」

「北 村 慈 郎 牧 師 の処 分 撤 回 を求 め、ひらかれた合 同 教 会 をつくる宣 言 」
私 たちは歴 史 を導 き給 うイエス・キリストの主 権 を信 じ、「戦 争 責 任 告 白 」を明 らかにし
た日 本 基 督 教 団 として、現 在 の急 速 に右 傾 化 する日 本 国 家 のあり方 に深 い憂 慮 を覚 え
るものであります。この時 に当 たり、日 本 基 督 教 団 現 執 行 部 が歴 史 的 な教 会 の責 任 を
無 視 するかのごとく、会 議 制 の無 視 と権 威 主 義 的 な強 権 発 揮 により、北 村 慈 郎 牧 師 と
の充 分 な対 話 をすることなく、免 職 処 分 に至 ったことは誠 に遺 憾 と言 わざるを得 ません。
北 村 牧 師 が手 続 きの不 当 を人 権 問 題 として提 訴 した裁 判 は、残 念 ながら内 容 審 議 に至
らず最 高 裁 の上 告 棄 却 という結 果 で終 了 しました。私 たちはこのことを、事 柄 を徹 底 して
教 会 の問 題 として自 主 的 に解 決 せよとの促 しとして積 極 的 に受 け止 め、ここに「ひらかれ
た合 同 教 会 としての教 団 」をつくる決 意 を 新 たにしました。まず、何 より も処 分 の撤 回 と
対 話 を求 めます。
日 本 基 督 教 団 は歴 史 の中 に建 てられた教 会 です。「教 団 信 仰 告 白 」及 び「教 憲 教 規 」
は、教 団 成 立 の歴 史 的 経 過 の中 で定 められたもので、「絶 対 的 な」信 仰 基 準 として閉 ざ
されたものではありません。「解 釈 相 互 間 の争 点 については、法 的 処 置 の前 に、必 ず神
学 的 論 議 の領 域 が設 定 されねばならない」(1954 年 10 月 26~29 日 開 催 第 8 回 教 団 総
会 「信 仰 告 白 制 定 特 別 委 員 会 報 告 」) と歴 史 的 発 言 にあるよう に、信 仰 的 対 話 に開 か
れたものです。北 村 牧 師 の信 仰 的 選 択 の背 景 には、 釜 ヶ崎 や山 谷 と同 じ寄 せ場 である
「寿 地 区 」に象 徴 される権 力 や社 会 構 造 によって虐 げられた人 々が存 在 し、その地 域 へ
の福 音 宣 教 を使 命 とする教 会 の決 断 があります。そこでは「聖 餐 」のあり方 も問 い直 され
るべき重 要 課 題 であり、法 的 処 置 の前 にまず神 学 的 ・教 会 的 討 論 に開 かれるべき現 代
的 な課 題 です。それは同 時 に全 国 各 地 の地 域 各 個 教 会 の課 題 でもあります。その各 個
教 会 のかなりの部 分 は、国 家 が戦 争 協 力 を強 いるための「宗 教 団 体 法 」による教 団 統
合 以 前 の教 派 の諸 伝 統 を負 っており、またはじめから合 同 教 会 として教 会 形 成 をしてき
ている教 会 もあります。ここに教 団 が今 なお形 成 途 上 の「合 同 教 会 」である所 以 がありま
す。そこでは、開 かれた対 話 こそが、教 団 を「教 会 」たらしめます。また、 教 団 成 立 を含 め
「戦 争 協 力 」という過 去 の責 任 をふりかえり、戦 争 体 制 がつくられつつある現 在 への責 任
を受 け止 めるため、「戦 争 責 任 告 白 」は今 改 めて取 り上 げるべき対 話 のテーマです。さら
に、「本 土 」と「沖 縄 」の関 係 史 における構 造 的 差 別 の中 で、私 たちの教 団 もまた、「沖 縄
教 区 との断 絶 」という痛 恨 の事 態 を作 り出 しており、この現 状 を打 開 するための開 かれた
対 話 が何 よりも必 要 となっています。
私 たちは、教 団 の会 議 制 がその内 実 を失 って硬 直 したままである現 在 、教 団 の法 的 構
成 員 であるからこそ、それに先 立 って、信 仰 の召 命 に基 づ き「キリストの前 での自 分 」に
立 ち返 り、「ひらかれた合 同 教 会 としての教 団 」をつくる教 会 的 責 任 を負 っています。この
責 任 を果 たすために、以 下 5項 目 を掲 げて、ここに「北 村 慈 郎 牧 師 の処 分 撤 回 を求 め、
ひらかれた合 同 教 会 をつくる宣 言 」をいたします。
1、 北 村 慈 郎 牧 師 の免 職 処 分 の即 時 撤 回 と教 団 教 師 としての復 権 を求 めます。
2、 聖 餐 についての論 議 の場 が設 定 されることを求 めます。
3、 「戦 責 告 白 」の教 団 史 における意 義 を踏 まえ、歴 史 に向 かい合 う教 団 となることを
求 めます。
4、 沖 縄 教 区 に対 する謝 罪 と関 係 回 復 への具 体 的 作 業 を求 めます。
5、 一 方 的 な「公 同 教 会 」の主 張 を再 考 して「合 同 教 会 」の形 成 を求 めます。
2015年 4月 18日
北 村 慈 郎 牧 師 の処 分 撤 回 を求 め、ひらかれた合 同 教 会 をつくる会
代表
関 田 寛 雄
【賛 同 者 】
斉 藤 圭 美 、沖 田 忠 子 、小 海 基 、勝 亦 一 江 、伊 東 永 子 、北 村 千 賀 、岩 橋 常 久 、久 保 博 夫 、岡 安 博 、
北 村 慈 郎 、髙 橋 史 子 、渡 辺 晉 、 岡 安 茂 祏 、瀬 戸 英 治 、気 賀 健 生 、秋 吉 隆 雄 、山 本 昇 平 、佐 々木
允 子 、加 藤 真 規 子 、武 田 利 邦 、小 島 道 彌 、小 島 真 理 子 、大 谷 義 彦 、有 森 和 可 奈 、村 瀬 汎 昭 、
佐 々木 泰 雄 、篠 木 孝 、森 野 善 右 衛 門 、一 條 英 俊 、山 村 恵 美 子 、宮 川 喜 代 子 、岩 井 健 作 、古 郝 荘
八 、山 本 昌 実 、秦 克 彦 、三 森 妃 佐 子 、須 永 祥 雍 、和 田 忠 典 、金 子 芙 美 子 、野 沢 香 代 子 、渡 辺 英
俊 、石 崎 秀 行 、佐 々木 雅 子 、三 宅 和 夫 、熊 田 郁 子 、山 口 泰 彦 、田 中 夫 伎 子 、平 井 俊 江 、 工 藤 玲
子 、依 田 康 子 、関 田 寛 雄 、山 口 徳 江 、飯 田 さか え、片 山 禎 二 、井 上 巌 、最 上 光 宏 、永 沼 昭 子 、高
柳 富 夫 、大 塩 清 之 介 、渡 辺 幸 子 、泉 谷 厚 、谷 口 尚 弘 、谷 口 悦 子 、泉 谷 五 十 鈴 、菅 根 信 彦 、
渡 部 展 夫 、池 田 照 幸 、原 田 伸 子 、辻 野 禎 胤 、村 瀬 喜 久 子 、西 崎 紀 代 、藤 巻 惠 子 、龍 口 奈 里 子 、
今 井 直 子 、黒 川 純 、竹 内 憲 一 、片 山 洋 子 、山 村 恵 美 子 、北 村 恵 子 、真 鍋 孝 幸 、宮 原 雄 一 、亀 岡
顕 、鈴 木 重 正 、坂 敬 夫 、阿 佐 光 也 、松 井 直 樹 、佐 原 眞 、佐 原 繁 子 、市 川 義 和 、市 原 和 彦 、羽
賀 早 智 子 、井 波 いく代 、竹 内 忠 美 、長 野 和 範 、三 宅 義 人 、中 野 順 子 、青 山 博 光 、市 川 和 子 、関 本
達 也 、吉 田 慈
(2015 年 5 月 20 日 現 在
100 名 )