2015年度 麻生明星幼稚園関係者評価・第三者評価報告

2015年9月30日
2015年度
麻生明星幼稚園関係者評価・第三者評価報告
日時:2015年9月30日(水)午前9:30~11:45 会場:麻生教会会議室
関係者評価:麻生明星幼稚園監査委員、運営委員、預かり保育責任者、在園児保護者×2名。
第三者評価:麻生明星幼稚園卒園児保護者(麻生教会役員)×2名、麻生教会員×2名
前回の関係者評価において、現場の教師や幼稚園関係者の声があった方がよいとの反省があったため、
今年度は幼稚園運営委員や幼稚園保護者(卒園生を含む)や麻生教会役員・近隣の方々を中心に呼びかけ
を行った。
当日のスケジュール
9時30分
礼拝堂集合・開会祈祷・幼稚園評価開始
自発遊び見学
於
各保育室&ホール
※本日は見学開始後に雨が降ってきた為、園庭での見学はできなかった。
10時15分
片付け
10時30分
ぽぴー(年長)設定保育見学
礼拝見学
出欠・歌遊び
聖書:マタイによる福音書4章4節
10時50分
「英語で遊ぼう」見学
11時10分
関係者・第三者懇談会
11時35分
評価用紙記入・回収
11時45分
解散
1.自発活動・自由遊び(登園~10:30)
於
聖話:中野加代子
幼稚園全体
子ども同士の間で自由に展開される「遊び」こそが子どもたちの成長に最も重要な手段だと考え保
育を行っています。そのためには子どもたちが自分で考え、自発的に「遊び」を選び取っていく必要
がありますが、近年、大人も子どもも「自分で考え・自分で行う力(生きる力)」が弱まっているよう
です。自由を使いこなすことは難しいことですが「異年齢」の遊びの中でお兄さんお姉さんを良い模
範としつつ、保育者が園児の間に入って適切な刺激を与え、子どもたちの「考える力」「行う力」を育
むことができるように援助することを目指します。
子どもたちは幼稚園内の至る所で好きな遊びを展開しています。最終目標は教師が間に入らなくて
も皆が自分で好きな遊びを展開することです。子どもの頃から「自分の好きな遊びを選び取っていく」
ことを自然に行うことで、自分が将来歩む道も、つかみ取ることができるようになるでしょう。
<関係者評価>
・天候の関係で園内のみの遊びとなった。工作、粘土、身体を動かす運動を見学した。皆明るく元気
よく遊んでいる姿を見て、すばらしい幼児教育が行われているのだと思い、嬉しく思った。
○ホールでの遊びについて
・ゲームの勝敗について主張が食い違ってもめていたため、園児の中に「チェック係」を設けて、審
判もさせていた。全て先生に決めてもらうのではなくお友達の判断を「校正な意見」として受け止
められていた。チェック係の園児も責任感でいっぱいの表情であった。
・特に年長児はホールで身体を動かして遊んでいる子が多い。集団で遊ぶ楽しさを学んでいる。
・異年齢が加わったりもしていたが、同年齢同士の子どもたちで遊ぶ様子が見られた。
-1 -
・教師の助言で活動が活発になった様に見受けた。
○各保育室での遊びについて
・粘土で遊んでいてお友達に誘われた時に、迷っていたが「待っててね」と言って急いでお片付けを
していた。自分のやりたいことを考えて決められ、片付けもできていた。
・工作中にデザインについて意見が合わないことがあったが、それぞれ主張した後、すぐに妥協点を
見つけることができていた。きちんと意見が言えるし、また人の話も聞いていて切り替えが早いの
ですぐ一生懸命に工作に戻れていた。
・机に向かって工作等で遊んでいる子どもはじっくり集中して取り組んでいる
・年少児・満3歳児は割と大人しい印象であった。教室でめいめい好きなことをして遊んでいる。た
だ先生の片付けの号令にすぐ反応してお片付けを始める様子に驚いた。
・男女・学年に関係なく、自由にのびのびと過ごしている。
・保育室での活動は思っていたよりも落ち着いて取り組んでいた。
・あじさいでは出欠を取った後の祈りで休みの友のために祈っていた。大事なことであると思う。
・本日は見ることができなかったが、普段、園庭で遊んでいる様子を見ると、特に遊具などなくとも
個々で遊び方を考えて楽しく遊んでいるように感じている。
<第三者評価>
○ホールでの遊びについて
・普段の園庭での様子は子どもたちがいつも楽しく遊んでいる様子を知っている。砂遊びに鬼ごっこ、
木登り、うんていにぶらさがったり、それぞれ身体を元気に動かしていると思う。
・自由な遊びの中で一番大切なことを学んでいる様子が見られた。
・ホールで多くの子どもたちが遊ぶ中で教師が安全面に配慮し、子どもたちに注意を促していたこと
が印象に残った。小さな子や障がいを負う子どもたちも教師の厚い配慮の中で安心して遊ぶことが
できること、子どもたちの中に違和感が感じられず、自然体であることに感動した。
○各保育室での遊びについて
・教室の中での自由遊びはそれぞれの関心を伸ばす遊びが大事にされており、見ていても楽しかった。
・子ども同士のトラブルも放置せず、教師が仲介し、人間関係の大切な気づきの時とされていること
も印象に残った。
・御言葉を基盤とし、遊びの中で豊かに成長できるように祈っている。
・読書き等を教えるのでなく、この3歳~5歳までの間は遊びを通して学ぶことが大切と知った。
・今年50歳になった長男(明星幼稚園の卒園生)は「たくさん遊ばせてくれたから今、頑張れている」
と言っている。毎日、神さまに祈ることもできているから感謝している。神さまの愛を思えること
ができ、感謝。
2.クラス活動
自由で創造的な発想は日々の秩序正しい生活の積み重ねから生み出されると考え保育を行います。
日々のクラス活動は椅子に座り、心を静め、祈ることから始まり、工作・手遊び・絵本読み・ゲー
ムなどを通して保育を行います。これは自発活動・自由遊びと共通する点ですが、教師は「読み書
き」「計算」などを指導することは特にありません。けれども、子どもたちはそれぞれの遊びを通し
て「原体験*」を重ねることで、日々の生活や小学校での学びに必要な知恵や学びを自然と身につけ
ます。
*記憶の底にいつまでも残る幼少期の体験
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(1)礼
拝(10:30~10:50)について
聖書には人間が生きるべき正しい姿勢や指針がたくさん書かれています。幼稚園生活の中心である
礼拝を通して聖書の言葉を聞き、祈りつつ、本当に大切なものを選び取る力をはぐくみます。目標
は神と人とに愛される人間の形成です。
<関係者評価>
・担任が教会員かつベテラン教師のため、7分程度の聖話であったが、子どもたちが集中して聞いて
いる姿を見ることができ、良かった。他の先生方も教会の礼拝に毎週参加して説教を聞いて子ども
たちに聖書のお話をしてもらいたいと感じた。
・皆、集中していた。他の活動の時間とは顔つきも違っており、年少時からの積み重ねで礼拝は特別
な時間であることを認識できていると感じました。すぐ隣にも向かいにもお友達がいる中で全員が
まっすぐに先生を見ている姿が印象的であった。
・歌で気持ちを一つにし、お祈りまで導く様子は良い導入と感じた。
・聖話については静かな口調は大切と思う。年長児は教師の顔を見て聖話を聞いていた。
<第三者評価>
・教師の聖話を真剣に聞く姿が印象的であった。
・何より聖書のお話が麻生明星幼稚園の本筋なので、うれしく思いました。大切さと思うと共に、自
分の子どもをキリスト教の幼稚園に通わせることができなかったので、うらやましくも思った。
・この年齢の子どもたちが礼拝をしているとは思っていなかった。一生この礼拝を忘れないと思う。
・クラス活動について、子どもたちで話し合う様子なども見てみたい。
・幼い時期に御言葉を聞き、神の愛を知り、祈ることは人生の指針を与えられることに繋がる。なん
と大切なことかと感じた。
・聖話がとてもよく、子どもたちは熱心に聞いていた。
・何よりも教師が神の愛に「せまり」を覚えて教育して欲しい。信仰・希望・愛・・・愛が一番と思う。
(2)英語で遊ぼう(10:50~11:10)について
コーネリア・ロッグヘアー先生によるパネルシアターを用いた「英語遊び」を通して自然と英語が
身につくことを目指します。
<関係者評価>
○年長児について
・年少時からの積み重ねもあり、英語への慣れ、先生とのコミュニケーションなど関心しました。歌
や身体を動かすことも取り入れられていて、子どもが感心を持てるように構成されていました。普
段は自由なタイプの園児がいつもと別人に見えて驚きました。英語といっても勉強としてではなく
遊びの延長として楽しめていると感じた。
○年中児について
・昨年からの積み重ねで集中して自発の時と違う姿がみられた。
・パネルシアターに見入った園児たちの集中力が素敵であった。
<第三者評価>
・礼拝の時間に幾人かは集中出来ない子もあったが、そのような子どもたちも英語の時間にはイキイ
キとしていた。その子、その子の個性を感じることができた。
-3 -
・子どもたちが先生の発音をよく聞き、真似する姿があった。大切なことと思う。
・この年齢から英語を教わっていることに驚いた。この頃くらいから英語に親しんでいると良い。
・幼い頃に正しい英語の発音を知ることは大切。外国に行って通用する英会話が大切である。
3.懇談会で交わされた意見について(11:10~11:45)
それぞれが見学・評価を終えた後、様々な意見が交わされた。主な意見は下記の通り。
○麻生教会役員・卒園生保護者
・英語の時間が良かった。幼い頃から正しい英語の発音を学ぶと良いと聞いている。
・また、何より神さまの言葉を園児たちが聞いて育つことの重要性を感じている。
・45年前に息子を卒園させたが、本質は変わらずに保育を行っていることを嬉しく思う。
○麻生教会員
・室内の広さに対して子どもたちの人数が多いように感じた。子どもたちが互いにぶつかり合わない
ように上手にあそんでいたのが印象的であった。子どもたちが笑顔で明るい。
・年少組のこどもたちに教師が寄り添ってみていると感じた。
・また、子どもたちがよく聖書を理解していると思う。集中して先生の話を聞いていた。ただし「誘
惑」など子どもたちには難しい言葉を教師が用いていたと思う。もう少し平易な言葉を用いて子ど
もたちと接してはどうか。
○園長の回答
・子どもたちの人数については現在が適正と考えている。当日は雨が降ったため、園庭が利用不可で
あったことが原因の一つ。次年度は是非、園庭での遊びを見学していただければと思う。
・子どもたちに対して平易な言葉で語ることに関しては色々な議論がある。園長としては以前どこか
でやなせたかしさんが「子どもに手加減してはいけない」と言っていたことが印象に残っている。
少々難しくとも子どもたちはよく理解するので、子どもの力を信頼し、聖書の言葉を聞くことで、
これを語り、行う子どもとなって欲しいと考えている。
○在園児保護者
・自発活動をじっくり見学したのははじめての経験であった。
・異年齢保育におけるクラス同士の行き来について関心があり、どこで遊ぶか迷う子どもがいるので
はないか、自分で遊びを選ぶことができる子は少ないのではないかと予想していたが、皆自分で遊
びを決めていることに驚きを覚えた。
・自分のやりたいことを考えて決めることができ、きちんと片付けもできていた。
・トラブルが起こったときにもう少し解決に時間がかかると思っていたが、子ども同士で折り合いを
つけている様子をみることができた。
○園長の回答
・麻生明星幼稚園は聖書の「愛」と「自由」の発想から自発活動をとても大切に考えている。現在、
自分のことを自分で決めることができない、自由を使いこなすことができない大人が増えていると
感じている。個人的見解としてそれはかつての教師主導の成果主義を中心とした幼児教育の姿が原
因の一つと考えている。教師や保護者によって敷かれたレールを子どもたちが歩むことは良い面も
あるが、悪い面もある。子どもたちが自由遊びを通して幼い頃から自主的に自分の判断で遊びを選
び取る力を育むことが子どもたちの将来を切り開く原動力となることを信じている。
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