ヨハネ・パウロ 2 世「広島平和アピール」

ヨハネ・パウロ 2 世「広島平和アピール」
・戦争は人間のしわざです。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死です。この広島の町、
この平和記念堂ほど強烈に、この真理を世界に訴えている場所はほかにありません。
・あの陰惨な一瞬に生命を奪われた、数多くの男女や子供たちのことを考えるとき、私は
頭をたれざるをえません。また、身体と精神とに死の種を宿しながら、長い間生き延び、
ついに破滅へと向った人々のことを思うときにも、同様の気持ちに打たれます。
・この地で始まった人間の苦しみは、まだ終わっていません。人間として失ったものが、
全部数え尽くされたわけではありません。
・「各国で、数多くのより強力で進歩した兵器が造られ、戦争へ向けての準備が絶え間なく
進められています。それは、戦争の準備をしたいという意欲があるということであり、準
備がととのうということは戦争開始が可能だということを意味し、さらにそれは、あると
き、どこかで、なんらかの形で、だれかが世界破壊の恐るべきメカニズムを発動させると
いう危険を冒すということです。」
・人類は、自己破壊という運命のもとにあるものではありません。イデオロギー、国家目
的の差や、求めるもののくい違いは、戦争や暴力行為のほかの手段をもって解決されねば
なりません。人類は、紛争や対立を平和的手段で解決するにふさわしい存在です。
・この地上の生命を尊ぶ者は、政府や、経済・社会の指導者たちが下す各種の決定が、自
己の利益という狭い観点からではなく、「平和のために何が必要かが考慮してなされる」よ
う、要請しなくてはなりません。
・正義のもとでの平和を誓おうではありませんか。今、この時点で、紛争解決の手段とし
ての戦争は、許されるべきではないというかたい決意をしようではありませんか。暴力と
憎しみにかえて、信頼と思いやりを持とうではありませんか。
・窮乏の中にある兄弟姉妹に手をさし伸べ、空腹に苦しむ者に食物を与え、家のない者に
宿を与え、踏みにじられた者を自由にし、不正の支配するところに正義をもたらし、武器
の支配するところには平和をもたらそうではありませんか。
・
「彼らはその剣を鋤に打ちかえ、その槍を鎌に打ちかえる。国は国に向かいて剣を上げず、
戦闘のことを再び学ばない」(イザヤ2・4)。
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・神を信じる人々に申します。われわれの力をはるかに超える神の力によって勇気を持と
うではありませんか。神がわれわれの一致を望まれていることを知って、団結しようでは
ありませんか。 愛を持ち自己を与えることは、かなたの理想ではなく、永遠の平和、神の
平和への道だということに目覚めようではありませんか。
神よ、わたしの声を聞いてください。
それは、個人の間、または国家の間でなされた、
すべての戦争と暴力の犠牲者たちの声だからです。
神よ、わたしの声を聞いてください。
それは人々が武器と戦争に信頼をおくとき、
真っ先に犠牲者として苦しみ、
また苦しむであろうすべての子供たちの声だからです。
神よ、わたしの声を聞いてください。
わたしは、主がすべての人間の心の中に、
平和の知恵と正義の力と兄弟愛の喜びを注いでくださるよう、祈ります。
神よ、わたしの声を聞いてください。
わたしはすべての国、またすべての時代において戦争を望まず、
常に喜んで平和の道を歩む無数の人々にかわって、話しているからです。
神よ、わたしの声を聞いてください。
わたしたちがいつも憎しみには愛、不正には正義への全き献身、
貧困には自分を分かち合い、戦争には平和をもってこたえることができるよう、
英知と勇気をお与えください。
おお、神よ、わたしの声を聞いてください。
そして、この世にあなたの終わりなき平和をお与えください。
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聖体礼拝
1.顕示~「ひせきにこもりて」
2.ロザリオ~光の玄義
①ヨルダン川での洗礼…ガザ地区の平和のために
②カナでの婚礼…ウクライナの平和のために
③回心と「神の国」…東日本大震災の被災地の平和のために
④御変容…戦争や災害で苦しむすべての人々の平和のために
⑤聖体の制定…すべての家庭と私たち自身の平和のために
3.賛美~「タントゥムエルゴ」
4.祈願
5.祝福
6.結びの歌~「サルヴェ・レジナ」
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