2 基礎 2年春 選択 100 40 60 日本とアメリカは、1853年のペリー来航

科 目 名
担当教員名
海外地域事情:アメリカ
吉野 勇夫
基礎・専門 単位 選択・必修
基礎
2
選択
開講年次
教職課程
2年春
概要
日本とアメリカは、1853年のペリー来航以来150年以上のお付き合いがあります。特に第二次大戦後の
60年間に日米関係は一段と緊密になり、日本のあらゆる面にアメリカの影響が見られます。そういう
アメリカなのに、我々日本人の多くはアメリカの本当の姿をあまり知らないのではないでしょうか。
そこでこの講義は「アメリカ社会の理解の入門編」という位置付けとし、アメリカという国を理解す
る上で不可欠と思われる必要最低限のトピックを選び出し、講師自身のアメリカ体験でのエピソード
も交えながら、アメリカ社会について判りやすく俯瞰的に解説します。
到達目標・意義
この講義の到達目標は「世界の超大国のアメリカについて、様々な事実や客観的情報に基づいて全体
像を正しく理解すること、理解しようとする姿勢を持つこと」です。今後グローバル化は更に進み、
日本とアメリカとの関係も一層緊密になるでしょう。そうした状況の中で、日本の行方を占い、今後
我々日本人はいかに考え、いかに行動すべきかを考えるとき、アメリカという国を正しく知ることは
非常に重要です。世界がボーダーレスになった現在、アメリカについての理解を通じて、日本という
枠にとらわれず、視野を広く世界に向ける習慣が身に付くようにななればよい、と考えています。
発揮する能力要素
実施方法
主体性、発信力
課題発見力
情況把握力
創造力
基本的に講義形式です。必要に応じて映画(DVD)、Audio Visual機器を使いま
す。毎回の講義後にアンケート用紙を配布します。家に持ち帰って「講義から何
を学んだか?自分は何を感じたか?」などの感想を書いて次回の講義時に提出し
てもらいます。試験はレポートです。講義を聴いて自分はどう受け止め、何を考
えたか、を自分の言葉で表現する主体的な発信力を養います。
教科書および参考書
教科書:使いません。
参考書:特に使いません。(必要に応じ講義で紹介します)
トピック毎に講師作成の10~20ページのプリントを配布します。(このプリントが教科書代わりです)
関連科目
「アメリカの政治・経済」については若林教授(学長)の専門講義がありますので、重複を避けるた
め、当講義ではアメリカの政治・経済については概略のみに触れることとします。
履修に必要な予備知識や技能
特にありません。
受講生への希望・要望、学習上の助言
この講義では「講義を聴いて自分はどのように受け止めたか?何を感じたか?」など、自分自身で考
え、それを表現することを重要視しています。(毎回アンケートをするのもそのためです)
講義時には、プリントの内容以外の話も出てくるので、毎回出席して講義をよく聴くことは重要です。
評 価 方 法
筆記試験
評価の割合
60
レポート
小テスト
授業態度
40
成果発表
その他
合計
100
評価についてのコメント
定期試験は筆記試験とします(レポート提出)。
単に講義内容を箇条書きにしたり、講義内容をとりまとめただけの答案は不可です。自分は講義をど
のように理解したか?自分はどう感じたか?これまでの自分のアメリ理解と何がどう違っていたか?
今後自分はどのような視点をものを見ようと考えたか?など、レポートに中に自分自身の受け止め
方、考え方をしっかりと表現してあることが重要です。
回
数
テーマ・内容
留 意 点
1
・本講義の方針・評価方法
・アメリカの歴史(1)
・シラバスの説明を中心に、受講上の重要なポイントを説明する
ので、よく聴いて今後の受講の心構えを固めてください。
・植民地建設から第一次大戦までの発展の歴史を解説します。
2
アメリカの歴史(2)
第二次大戦以降、世界の超大国になったアメリカ。冷戦時代、ベ
トナム戦争、湾岸戦争、911事件を経てイラク戦争に至るまでの
アメリカの歴史を概観します。
3
アメリカの地理
(個性豊かな50州)
東海岸の13植民地から始まった合衆国は西に向かいました。日本
の25倍もの広さを持ち、地域によって気候・風土・歴史などが著
しく異なります。多様な各地域の実態について解説します。
4
多民族の国アメリカ
人種の「サラダ・ボール」と言われるように、多様な人種・民族
で構成されながら、ひとつの国としてまとまっています。各民族
の移民の歴史、現在の問題点などを勉強します。
5
アメリカの政治
独自の政治制度を持つ13植民地から始まったアメリカ。大統領
制、2大政党、厳格な三権分立を取っている。その特徴を日本と
も比較しながら勉強します。
6
アメリカの外交
移民の国として始まったアメリカ。今や超大国としてイラク、ア
フガニスタンなど世界各地の紛争に介入しています。アメリカ外
交の考え方、背景、その変遷について勉強します。
7
アメリカの軍事力
世界最大の軍事組織と最新鋭ハイテク兵器を持ち、「世界の警察
官」として日本を含めて世界中に展開するアメリカの強大な軍事
力について解説します。
8
アメリカの司法制度
争いごとの解決には「訴訟」に頼るアメリカ社会。マクドナル
ド・コーヒー訴訟、タバコ訴訟などの実例、さらにO.J.シンプソ
ン事件などをもとに「陪審員制度」について考えます。
9
アメリカの犯罪
殺人、強盗など凶悪犯罪発生率ではアメリカは世界一。犯罪発生
率の国際比較、複雑な警察機構、銃規制の実態、NY、LAなど大都
市の犯罪の実態など、具体的な状況を概観します。
10 アメリカの経済
世界一の経済大国として世界経済の中心的役割を果たしてきたア
メリカ。金融危機、新興国の台頭などで大きく変わりつつあるア
メリカ経済について様々な角度から概観します。
11 アメリカ人の思考方法
日米のものの考え方・行動様式の違い・背景、さらに講師が実際
に経験したビジネスの現場での日本人とアメリカ人の文化摩擦に
ついて、具体例を挙げて解説します。
12 アメリカ人の生活
全国に張り巡らされた高速道路網、住所の付け方、肥満問題、貧
富の差、都市と田舎など、アメリカ人の生活について、日本との
生活様式の違いも含めて解説します。
13 アメリカの文化
アメリカ文化の代名詞・ハリウッド映画、セレブの実態、音楽
(ジャズ、ブルース、カントリー)、スポーツなど、日本人にも
馴染みの深いアメリカ文化とその背景を解説します。
14 アメリカと日本(1)
1853年のペリーの「黒船来航」で日本は開国を決定。その後のハ
リス領事の下田駐在、日米和親・修好条約締結、1871年の岩倉使
節団訪米までの日米間の様々な動きを解説します。
15 アメリカと日本(2)
ペリー提督は武力を背景にした「力の交渉」で幕府を威圧し当初
の目的を達成。「ペリーの日本遠征日記」を基に、現在にも繋が
るアメリカ人の交渉術について考えます。