海外安全対策情報(PDF)

在チェンナイ総領事館
平成26年 10月 24日
安全対策情報
(平成26年度第2四半期)
この安全対策情報は、過去3か月の間に南インド4州(タミル・ナド、アンドラ・
プラデシュ、テランガナ及びケララの各州)及びプドゥチェリー連邦直轄地において
発生した重要事件・事故をまとめたものです。
私たちの身近でもこの種事件・事故が発生していることを承知していただき、「海
外では自分の身は自分で守る」ことを基本に、事件・事故に巻き込まれないようご注
意ください。
なお、最新のインド国内渡航情報については、外務省ホームページ(www.mofa.go.
jp/mofaj/)内の「海外安全ホームページ」をご覧ください。
1.治安情勢及び一般犯罪の動向
(1)治安情勢
ア
全国的に治安当局からテロ警戒警報が発出されている。
2013年2月,AP州ハイデラバード近郊において連続爆弾テロが発生し,1
6名が死亡,117名が負傷した。
2013年4月にはカルナタカ州バンガロール市内では,政党事務所(BJP)
近くの路上で二輪車に仕掛けられた爆弾が爆発し,少なくとも16名が負傷した。
同年7月8日,在コルカタ総領事館管轄の仏教聖地であるビハール州ボドガヤ
(Bodh Gaya)の大菩提寺(マハーボディ-寺)とその周辺において,9つの手製
爆弾が爆発し、少なくとも5人が負傷した。
同年10月27日,ビハール州パトナにて開催されたナレンドラ・モディの演説
会場で,連続爆弾テロが発生し,5名が死亡,83名が負傷した。
2014年5月1日,チェンナイ中央駅に停車中の寝台急行列車「BANGALORE GUWAHATI EXPRESS」の2等寝台車両で2発の時限式爆弾が爆発し,22歳のインド
人女性が死亡,14名が負傷した。
イ
6月2日、AP州から新しい州としてテランガナ州が誕生した。現在のところ大
規模な抗議活動等は行われていないが,今後も政治状況等によっては集会や抗議活
動から暴動行為が派生し,AP州,TL州及び両州の共同州都であるハイデラバー
ド市において騒擾状態が発生する可能性も否定できず注意が必要である。
ウ
2014年9月27日、ジャヤラリタ州首相(当時)に対する有罪判決前後、与
党AIADMKの党員が暴徒化し野党事務所等で投石や襲撃を行い,チェンナイ市
内又はTN州内の道路が暴徒により封鎖された。チェンナイ市郊外では公共バスが
放火され,以後チェンナイ市内、TN州内の各地でハンガーストライキや店舗閉鎖
等の各種抗議活動が発生した。
2013年4月下旬から5月上旬にかけて,指導者が逮捕されたことに反発した農
業カーストを中心とする政党PMK(Pattali Makkal Katchi)の党員が,TN州内
各地の農村地域で暴力的抗議活動を実施し,州議会議員事務所の放火,多数のバスを
破壊,道路を封鎖するなどの被害が発生した。インドでは全国的に,政党間・カース
ト間の争いが加熱し,大規模な騒擾状態になることが多く,政治・治安情勢について
常に注意する必要がある。
(2)一般犯罪
南インドは北インドと比較して,一般的に治安がいいと言われていたが,犯罪発生
件数は増加傾向にあり,体感治安は急速に悪化している。昨年度の犯罪発生件数は一
昨年と比較して約4パーセント増加し,中でも強盗、屋内侵入窃盗などの凶悪犯罪の
増加が顕著である。
2014年1月,チェンナイ市内で日本人旅行者が被害者となる強盗致傷事件が発
生し,同年2月には同市内において日本人旅行者に対するひったくり事件,在留邦人
に対する公共バス内での高額のすり被害が発生した。また,在留邦人の間でカードス
キミング被害が複数発生している。
2012年12月,首都デリーで女性が集団暴行を受け大きな社会問題になった
が,その後も女性を対象とした暴行事件が頻繁に発生している。また,幼女に対する
性犯罪も多発している。
報道によると,TN州では過去3年間で強姦事件の発生件数が37%増加するな
ど,性犯罪の危険が高まっている。安全を常に自覚し,夜間は外出しない,一人で行
動しない,派手な服装はしない等の注意が必要である。
2.殺人・強盗等凶悪犯罪の事例
(1)強盗
邦人被害の事件は認知していない。
(2)殺人
邦人被害の事件は認知していない。
(3)強姦
邦人被害の事件は認知していない。
3.テロ・爆弾事件発生状況
(1)概況
インド全土でテロの脅威は存在しており十分な注意が必要である。テロの標的とな
る軍事関連施設,政党の集会・演説会場,その他政府の重要施設等危険な場所には近
づかない,市場,ショッピングセンター,宗教関連施設等多数の人が集まる場所への
訪問は極力避け,用事がある場合にはできるだけ短時間で済ませる等,一層慎重を期
す対策が必要である。
(2)南インドにおけるテロ関連事件の発生状況
ア
1(1)のとおり,2014年5月1日午前7時15分ころ,チェンナイ市内中
心部に所在するチェンナイ中央駅9番プラットフォームに停車中の,カルナタカ州
バンガロール発アッサム州グワハティ行寝台急行列車「BANGALORE - GUWAHATI
EXPRESS」の2つの2等寝台車両で2発の時限式爆弾が爆発し,22歳のインド人
女性が死亡,2名が重傷を負い,12名が負傷した(邦人被害はなし)。
2013年2月21日午後7時頃,AP州ハイデラバード近郊の街ディスクナガ
ール地区において連続爆弾テロが発生した。報道によると,犯行には自転車に取り
付けられた簡易爆発物(IED)が用いられた模様であり,爆発により16名が死
亡,117名が負傷した。
イ
当館管轄地域と隣接するスリランカでは,長年の多数派のシンハラ人と,同国北
東部に多く居住する少数派タミル人過激派グループとの間の武力対立は終結した
ものの,両民族間の問題は依然続いている。2014年3月には国連人権委員会に
よるスリランカ内戦時の人権侵害についての調査勧告がスリランカ政府に対し発
出された。当地にはスリランカ・タミル人支援団体も多く存在し,これらの団体に
よるスリランカ関連施設への抗議やデモ活動等もしばしば発生している。今後の中
央政府、州政府の対応次第で,大規模な抗議等に発展する可能性も排除できず,そ
の動向を注視する必要がある。
4.誘拐・脅迫事件発生状況
邦人に対する誘拐・脅迫事件の発生は認知していない。
5.対日感情
対日感情は基本的に良好であり,特段の変化は見られない。