数学 4 B ノート 3 2015 年 10 月 14 日 群 (group) 集合 G に演算 ∗ が定義されていて (任意の a, b ∈ G に対して a∗b ∈ G が定義されていて)、次をみたすとき G は群であると言う。 (1) (a∗b)∗c = a∗(b∗c) for all a, b, c ∈ G (2) 元 1 ∈ G があって、すべての a ∈ G に対して、a∗1 = 1∗a = a が成 立する。 (3) G の任意の元 a に対して、a∗b = b∗a = 1 となる元 b ∈ G が存在す る (b を a−1 と書く)。 例. 1. 整数全体の集合 Z は加法 + に関して群をなす。実数全体の集合 R も 加法 + に関して群をなす。 2. R× を 0 以外の実数全体とすると、 R× は乗法 × に関して群をなす。 ( ) a b 3. 2 次正則行列全体 { | ad − bc ̸= 0, a, b, c, d ∈ R} は行列の積 c d に関して群をなす。 置換群 Sn n を正の整数とする。Sn を 集合 {1, ..., n} から {1, ..., n} への全単射 (n 次の置換と呼ばれる) 全体のなす集合とする。f , g ∈ Sn に 対して、f ◦ g ∈ Sn を (f ◦ g)(x) = f (g(x)) と定義する (写像の合成)。Sn はこの写像の合成に関して群をなす。 演算 ◦ は省略することも多い。また、この演算を積と呼ぶ。 i と j を入れ換える置換を (i, j) と書き互換と呼ぶ。Sn の任意の元は 互換の積で表される。偶数個の互換の積で表せるとき、偶置換と呼び、奇 数個の互換の積で表せるとき、奇置換と呼ぶ。σ ∈ Sn が偶置換のとき、 sgn(σ) = 1, 奇置換のとき、sgn(σ) = −1 と定義する。 1 行列式 n 次行列 A = (aij ) に対して、 det A = ∑ sgn(σ)a1σ(1) · ... · anσ(n) σ∈Sn と定義する。 演習問題 ( 1 2 3 4 2 3 4 1 ) 3-1.(1) S4 の 24 個の元のうち、(1, 2, 3, 4) = 型のも ( ) 1 2 3 4 の、(1, 2, 3) = 型のもの、(1, 2)(3, 4) 型のもの、 2 3 1 4 (1, 2) 型のものは全部でいくつあるか。 (2) (1, 2, 3, 4), (1, 2, 3), (1, 2)(3, 4), (1, 2) は偶置換か奇置換かそれぞれ判 定せよ。 (3) 4 次の行列の行列式を求め、187 ページ図 7.4 の計算法が間違ってい ることを説明せよ。 以上の問題を解いて、10 月 21 日の授業のときに提出すること。 2
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