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飼料情勢
平成27年11月13日
1.とうもろこしのシカゴ定期は、5月下旬には360セント/ブッシェル前後で推移していたが、6月に入り産地で雨が続き土壌水分過剰による生産量減少が懸念されたため急騰し、
6月30日米国農務省発表の全米四半期在庫、作付面積がいずれも事前予想を下回ったことから上昇が続き、一時440セント/ブッシェル台まで値上がりした。その後、受粉に適し
た天候となり作柄が改善するとの見込みから下落に転じたが、9月発表の米国農務省需給見通しで生産量が下方修正されたことから反発した。10月の需給見通しで、単収が小幅
上方修正されたこと、収穫が順調に進んでいることなどから弱含みな展開となり、380セント/ブッシェル前後で推移し、さらに11月の需給見通しで、生産量見通しが市場の事前予
想を上回る上方修正となったことから、360セント/ブッシェル前後まで下落している。
2.大豆粕のシカゴ定期は、5月中旬以降には330ドル/トン台で推移していたが、6月に入り産地で雨が続き土壌水分過剰による作柄悪化が懸念されたことから急騰し、一時400
ドル/トンを上回る水準まで値上がりした。その後天候の回復により作柄が改善するとの見込みから下落に転じた。8月12日発表の米国農務省需給見通しでは、史上最高の豊作
であった昨年に近い生産量が見通され、10月発表の需給見通しでも単収が小幅上方修正され、収穫が順調に進んでいることなどから340ドル/トン前後で推移し、さらに11月の
需給見通しで、生産量見通しが上方修正され昨年を上回る史上最高水準となったことから、現在は320ドル/トン前後まで値下がりしている。
3.米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、5月下旬には32ドル/トン台で推移していたが、6月に入り、中国による南米産大豆の大量買付けにより、輸送需要が増加し
たことから上昇に転じ、一時38ドル/トン台まで値上がりした。その後、中国の買付けが一段落し船腹需給が緩和したこと、燃料価格が下落したことなどから値下がりし、現在は30
ドル/トン台前半で推移している。
4.外国為替は、米国の利上げが9月に実施されるとの見込みから6月上旬には一時124円を超える円安となったが、中国経済の成長鈍化の見通しや世界的な株価の急落などに
よりリスク回避の動きが強まったことから円高となり120円前後での推移となった。その後、欧州で追加緩和が示唆され株式市場が堅調となったことなどからドルが買われ121円を
超える円安となり、11月6日発表の米雇用統計の内容が良好で12月の利上げ期待が高まったことからドルが買われ、現在は122円台で推移している。