MEだより 第93号(PDF:248KB)

ME だより
第 93 号
葛西昌医会病院
臨床工学科
今月病院から発行していただいた心臓カテーテル助手認定書について紹介したいと思いま
す。
当院では心臓カテーテル検査時のみコメディカルが行う事になっており、現在は ME 科か
ら 2 人認定書をいただき(現在1人教育中)業務を行っています。
しかし、血管撮影室で従事していない職員の方々にはいまひとつ分かりづらい内容であり、
想像のつかないことと思います。そこで今回は私達が行なっている業務を簡単にではあり
ますが紹介したいと思います。
まずは簡単に心臓カテーテル検査の紹介をしたいと思います。
・心臓カテーテル検査とは、心腔内や大血管、冠動
脈内に専用のカテーテルを挿入し、血管を造影し
たり、内圧を測定したりする検査法。
冠動脈造影、左心造影、右心カテーテル等様々な
検査法がある。
・穿刺部位は橈骨動脈、上腕動脈、大腿動脈を用い
て行い、カテーテルを血管撮影装置で透視しなが
ら進めて各種検査を行う。
図1.穿刺部位
・カテーテル検査時は、通常 4Fr(約 1.35mm)の管
を使用することが多い。
カテーテル治療を行う場合は、より太い管が必要
になる。
・冠動脈バイパス術と比較し、局所麻酔であり比較
的侵襲度は少なく、当院では止血部位等問題なけ
れば2泊3日で行える利点があるが、治療できる
病変も限られるという側面も存在する。
図2.検査用カテーテル
H27.7.24
・CAG(冠動脈造影)の準備
・血管撮影装置の管球及び台操作
・各種画像診断デバイスの準備
・PCI(経皮的冠動脈インターべーション)の準備 etc…
おおまかにですが上記のような業務を助手業務として行なっています。
教育にあたっては下記のようなチェックリストを用いて進めており、指導者によって教育
に偏りが出ないように行なっています。
心臓カテーテル2nd教育チェックリスト
・主に指導は ME 内で行い、より
氏名: 指導者: 学習項目
内容
評価
第1期
第2期
1 心臓の構造、冠動脈のAHA/Segment分類を把握している
専門的な部分に関しては医師が
行うように分担し、教育期間と
2 心内圧及び心内圧波形を把握している
しては約 9~12 カ月で行ってい
3 心臓カテーテル検査(CAG)の流れ及び手技を把握している
4 心臓カテーテル検査に伴う合併症を把握している
ます。
5 血行動態の観察が出来る
6 各種カテーテル検査(LVG,右心等)の流れ及び手技を把握している
7 各部位止血法及び止血デバイスの使用法を把握している
8 放射線被爆、放射線防護の知識を有してる
・清潔操作等は看護部へ、管球操
9 清潔操作、ガウンテクニック、消毒を理解している
作に関しては放射線科へそれぞ
10 廃棄物の分別が出来る
れ教育をお願いしており、カテ
検査準備及び術者介助
内容
評価
第1期
第2期
室内で包括的かつ多角的に見守
11 清潔操作、ガウンテクニック、消毒を実施できる
12 物品の受け取りが出来る
13 シースセット、造影カテーテル、0.035mmワイヤーの水通し及び接続
14 ゾーンマスター(造影剤注入器)、3連コックのプライミング及びセッティング
ることで教育に当たっての患者
安全性を高めています。
15 血管造影装置の管球操作及び台操作が出来る
16 左室造影検査のセットアップが出来る
17 右心カテーテル検査のセットアップが出来る
・最終的にこのチェックリストを
18 大動脈造影、バイパス前後造影検査のセットアップが出来る
19 下肢造影検査のセットアップが出来る
20 FFR,iFRのセットアップが出来る
21 PCI移行時の準備(ガイディング、インデフレータ等)が出来る
22 IVUS(Revolution)のセットアップが出来る
23 IVUS(Eagle Eye)のセットアップが出来る
24 OFDI(Fast View)のセットアップが出来る
総合的に判断し、医師及び指導
者の了解のもと認定書の発行を
もって教育課程修了としていま
す。
*評価は3段階で行う。 A:十分できている B:概ね出来ている C:不十分
*第1期は2ヶ月、第2期は1ヶ月を目安にして行う
図 3.チェックリスト
簡単にではありますが、以上のような教育を行う事によって心臓カテーテル助手認定書の
発行を行なわせて頂いています。今回の認定書発行にあたり、より一層気を引き締めて励
んでいきたいと思いますのでよろしくお願いします。
夏日になる日も段々と増えてきました。
熱中症などにならないように水分補給など忘れずにしてください。
H27.7.24