沖縄米軍基地新設反対と無条件即時返還を求める

沖縄米軍基地新設反対と無条件即時返還を求める特別決議
70年前に敗戦を迎えた先の大戦で、沖縄県民は悲惨な地上戦により住民の4人に1
人が犠牲となりました。ここ十数年間、沖縄の辺野古で米軍「要塞基地新設」反対の座
込みを続けている沖縄戦体験者の『おじい』『おばあ』たちは声を限りに叫びます。
「命はぐくむ美ら海、人殺しの基地に変えないで! もう、これ以上戦争の加害者には
させないで!」と。
沖縄県民は、国土の0.6%しかない沖縄に、在日米軍基地の74%が押し付けられ、
騒音、振動、などの基地公害ばかりでなく、米兵が強盗・殺人・婦女子暴行などを犯し
基地内に逃げ込めば、不平等な日米地位協定で罪を免れてしまい、悔しい思いをしてい
ます。
沖縄県民は、1950年代の土地取り上げ反対の島ぐるみ闘争以来の第2の辺野古の
「要塞基地新設」阻止の島ぐるみ闘争を開始し、オール沖縄に結集して、昨年は、名護
市長選挙、名護市議選挙、沖縄県知事選挙、衆議院選挙の沖縄4選挙区の全てで圧倒的
民意を示しました。
ところが、安倍政権は、前知事が公約をひるがえし行った公有水面埋め立て承認を盾
に、民意を無視して辺野古「要塞基地新設」を「粛々と」強行しています。翁長雄志県
知事による海上作業の停止指示も無視し、反対する市民に対しては、海上保安庁や沖縄
防衛局による過剰警備によって弾圧を加えています。
また、今年の4月28日、沖縄県民にとっての「屈辱の日」には、日米首脳会談にお
いて辺野古「要塞基地新設」推進を再確認しています。
こうした日米両政府の姿勢は、「自治は神話だ」と言い放った米軍占領統治下の圧政
と何も変わらず、沖縄県民の意思を侮辱し、日本の民主主義と地方自治の根幹を破壊す
る暴挙であります。もはや辺野古は沖縄だけの問題ではありません。今や、この国の民
主主義の在り方が問われているのです。
もともと軍事基地自体が憲法違反です。敗戦後、占領下においても私有財産の没収を
禁じたハーグ陸戦法規に明白に違反して、米軍が「銃剣とブルドウザー」で土地を取り
上げて造った普天間基地は、市街地のど真ん中に位置し、世界一危険と言われます。
こうした人殺しの軍事基地は、直ちに無条件で撤去し、返還すべきものです。
安倍政権は日米安保条約を金科玉条とし、違憲の「集団的自衛権の行使を容認」する
「戦争法」で、日本国憲法第九条を骨抜きにし、米軍を何時でも何処でも支援する「戦
争する国造り」を強行しつつあります。沖縄の米軍「要塞基地新設」、欠陥輸送機オス
プレイの配備強行もそれと一体のものです。
翁長沖縄県知事らは、訪米して米国の要人と会談し、辺野古の「要塞基地」新設阻止
のゆるぎない民意を伝える第一歩を世界に向かって大きく踏み出しました。
私たち本土の国民も、沖縄の『オール沖縄』の闘いと全国の戦争法案反対の闘いを結
び付け『オール日本』として日本民族の真の独立をかけて闘おうではありませんか。
戦後70年、安保改定55年目の今年、私たちは、「憲法、安保、基地」を原点に立
ち返って吟味し、日米安保条約を日米平和友好条約に替え、他方、アジアの一員として
アセアンの仲間と連携を強め、国家間の紛争は軍事力によらないで、話し合いで解決す
る安全保障政策を取るべきと考えます。
今こそ、私たちは、沖縄県民と連帯して、基地のない平和な沖縄・日本をめざして、
市民一人ひとりが自らできる行動で平和を創って行くことを決意します。
以上、定期大会の名において決議します。
2015 年 6 月 13 日
日本科学者会議埼玉支部 第 42 回定期大会