開発者 先代の考察

[ポイントは、通る電流の量は大きいのです、今までのフイルムコンデンサが邪
魔していたのです]
今更なぜ、機械式ポイントのコンデンサーを作る気になったのか。いくつかポ
イントならではの良さが有るのです。
これが凄いのです!最新技術でポイントの復活です!どうしても作りたかった。
一言で言うと男のロマンですが!
100 年も続いたキャブレーター、ワイパーなんかはまだ現役ですが ポイント点
火も細々とまだ有ります、若い人たちが、エンジンの基本である点火システム
を理解するにはポイントは良い教材だと思うからですが
シンプルイズベストを考えるとこれも残しておきたいのです。それも完璧にし
て。
機械式ポイントの弱点は磨耗も有りますが、突然のパンクや劣化するコンデン
サーが信頼性をなくす元でした。
予備を持って行けばよいだけですが、以前からなんとかしたいと思っていまし
た。
コンデンサーは容量を増やすと理論上スパークは弱くなります。
フイルム系コンデンサーは一般的に容量を小さくすると内在する抵抗分が大き
くなりスパークが大きくなりません。
イグニッションコイルを含む点火回路は、電気回路上は直列共振回路であり、
フライバック回路でもあります。この共振回路のクオリテーを表す係数「Q]は、
コイルのインダクタンス・L が大きいほど、コンデンサー・C のキャパシタンス
が小さいほど、その LC 共振回路に内在する抵抗分・R が小さいほど良くなりま
す。
「共振回路とは、外部から加わったエネルギーに反応して振動や共鳴などの現
象を生じる電気回路のことです」
したがってコンデンサーの容量(キャパシタンス)が大きいと「Q」が小さくな
り、発生する電圧は低下します。
しかし、それは同時に内在する抵抗分にも影響されます。
今回開発のコンデンサーの特徴
その点、積層セラミックコンデンサーはフイルム系コンデンサに比べて内在す
る抵抗分は1桁以上小さいですから、スパークが大きくなるのは当然のことで
す。それと長寿命(割れないかぎり半永久)です。
問題は、今までのポイントコンデンサーに使うには寸法が大きくなりすぎる、
機械的強度が弱いなどの理由で採用されませんでしたが、これらの欠点を克服
できる手法がありますので完成しました。
問題の性能 UP は、40∼80Km の加速時に発揮されます。フィーリングです
がお客様より1.5倍?の体感 UP との事、,燃費も驚くほど良くなったとの報
告でした。個人により異なりますが、良い方向なのは間違い有りません。
更に、混雑した極低速での走行フィーリングが向上したと力説しておりました。
初期トラブルの、始まりはコンデンサー劣化(ポイントから火花が出ていたら
NG)によるところが多いのです、あちこち修理してたどり着きます。
お客様からのポイント点火への質問
ポイントのギャップは、通常の 0.45∼0.5mm でいいとか、それとも変えた方が
いいのか。
ポイントのギャップの件
ポイントのギャップは狭いほどコイルに溜まる電気が多くなるのでスパークは
大きくなります。
つまり高回転向きです、ギャップが狭くなるヒールの磨耗を考慮しなければな
りません。
ポイントは新品の場合 1000Kmまで初期磨耗が大変早いです、その後に安定し
ます。
何でも新品に換えれば良いのではないのが解ります。ヒールにグリス給油は大
切です。
プラグギャップも同じように。通常の 0.7∼0.8mm でいいのか、それとも、も
っと広いほうがいいのか。
プラグギャップの件
プラグギャップも狭いほど放電しやすいので高回転向きですが、狭いと異物(カ
ーボン)が付きやすいです。
普通広い方が火種が大きくなるように考えますが(放電した瞬間に燃焼します)
広すぎは良くなりません。
プラグの磨耗でギャップが広くなるのを考慮します、よく電極の向きを言われ
ますが燃焼室的には無意味です。
放電は、温度の低い方に飛びますので中心電極が太いほうがカブリにくいです。
プラグの場合大切なのは自己清掃温度(700 度)にキャブセッティングすること
と、特に加速ポンプに注意ですね。
ハイパーコンデンサーにすると火種(放電)のエネルギーが大きくなる(これ
が大切)ので自己清掃温度に近づきます。カブって捨てたプラグも全体を徐々
に 700 度まで暖め徐々に冷やせば蘇生します、難しいですが。
プラグコードは、ポイントには相性のいいカッパーコードが向いているのでし
ょうか。
プラグコードの件
プラグコードは銅芯製(カッパーコード)がベストですね、ただし雑音(ノイ
ズ)を撒き散らすのは考えものですので両端に抵抗を巻きつけてあるものがお
勧めですね。
被服もシリコンタイプがリークも少なく耐候性・耐熱性が優れているのでお勧
めです、カーボン芯はお勧めしません。
端子のカシメも強力な物がよいですね。
取り付け位置が雨が降ると濡れるような場所で濡れても大丈夫でしょうか?
防水の件
特殊樹脂を充填してあります、ジャブジャブに水が掛かってOKですが電装系
は乾燥しているが前提です。
バツテリーとコンデンサーは何れも蓄電出来ますが、違いは。
バツテリーとコンデンサー違いの件
バッテリーは「小さなダムで貯め池」です。
コンデンサーは「瞬間に開閉する小さな水門の有る田んぼ」の様な物です。そ
してプラスマイナスが有りません。
今までの、フイルムコンデンサーは水門が一つで容量が少ない。
ハイパーコンデンサーは水門が多く容量が大きい。ゆえに抵抗が少ない。
小川の水位が上がると水門を越え田んぼ(コンデンサー)に流れて溜まります。
水門が決壊するのがコンデンサーパンクで
土手からピチャピチャ溢れるのがポイントスパークです。
ハイパーコンデンサーはコイルに多くの電気が流れ電流の切れが良くなります。
こんな感じで、コンデンサーを理解するのに良いかと思います。
最後に、コイルのプラス側にもハイパーコンデンサー取り付けをお勧めします。
W ハイパーとなります!
理由は。
プラス側に装着することで共振回路が最短距離で半自己完結するため、最強力
になります。
1)抵抗となるバッテリーを通らない。これが大切。
2)初期電圧が安定し始動性が良くなる。
3)半自己完結なのですが、コンデンサーは一回の点火で容量を全て吐き出します
ので、メインスイッチを切るとバッテリーから電気が供給されずエンジンは停
止します。