綾瀬市長2016年度施政方針(PDF文書・349KB

平成 28 年度施政方針
綾瀬市長
笠間城治郎
(はじめに)
本日ここに、平成 28 年度予算案及び関連諸議案の御審議をいただくにあたり、市政に対する私
の所信を申し述べるとともに、主要な施策について御説明し、議員各位をはじめ市民の皆様の御
理解とお力添えをお願い申し上げます。
私は、市長就任 3 期目を綾瀬市が大きく「飛躍」する時と位置付け、「いうまでも住み続けたいま
ち」を目標に、日々、市民本位の行政を強力に邁進して、4 年目を迎えております。
これまで公約の多くを実現できましたのは、議員、市民の皆様が、よりよい綾瀬のまちづくりのた
めに御尽力いただいた成果であり、職員と一丸になって、誠実奉仕の考えをモットーに、市政に取
り組んできた結果であると感じております。
今年度の基本方針や重点施策については後ほど申し上げますが、引き続き、さらなる綾瀬市の
魅力を発信しつつ、市民の安全安心を図る市政運営に努めてまいります。
さて、国の動向に目を向けますと、経済・財政政策を強力に推進していますが、いまだ景気の回
復はなお鈍く、昨年秋の第 3 次安倍改造内閣では、1 億総活躍社会の実現を目指し新・三本の矢
として、戦後最大の GDP600 兆円、希望出生率 1.8、そして介護離職ゼロといつた大きな目標を掲
げ、総力を挙げて施策を推し進めると示しております。
こうした状況の中、本市においては、昨年からの地方創生の取り組みのなかで、本市の人口動
態に係る課題及び将来展望人口等を示した「綾瀬市人ロビジョン」を策定いたしました。
この人ロビジョンを踏まえ、その克服や柔軟な対応を図るため「綾瀬市まち・ひと・しごと創生総合
戦略」を策定してその中で設定した 4 つの基本目標である「出産・子育て環境の向上」、「稼ぐ力持
つ産業・仕事の創出」、「交流人口の取り込み」、「人口減少・超高齢社会に対応したまちづくり」に
位置付けた施策を着実に推進することで、地域経済の好循環モデルを構築し、活力ある持続可能
な都市として、将来の世代が希望の持てる綾瀬市の確立を目指してまいります。
また、様々な施策を着実に進めていくためには強い組織が必要と考えております。さらに現場主
義を徹底し、庁内で情報共有することにより、職員一人ひとりが力を最大限に発揮できるチームワ
ークの良い組織、そして、組織横断的な連携体制のもと、全庁一丸となり、本市の将来都市像であ
る『緑と文化が薫るふれあいのまちあやせ』の実現に努めてまいります。
(予算について)
それでは、28 年度予算編成について御説明申し上げます。
本市の財政状況につきましては、歳入面では、個人市民税や固定資産税は、増収を見込んで
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おりますが、法人市民税では、税制改正による法人税率引下げなどの影響を受け、減収を見込ん
でいるため、市税全体では、前年度と比較してほぼ横ばいとなっています。
一方、歳出面では、29 年 10 月の開所を目指した(仮称)保健福祉センターの整備が本格化する
ほか、(仮称)綾瀬スマートインターチェンジ関連事業等の都市基盤の整備費の増加に加えて、子
育て施策の推進に伴う経費、超高齢社会に対応するための社会保障費の増加が見込まれていま
す。
このような財政状況の中、引き続き「新時代 あやせプラン 21 後期基本計画」の「重点プロジェク
ト」に関連する事業を積極的に推し進めるとともに、昨年から策定している「総合戦略」に位置付け
る事業についても、予算を優先的に反映することといたしました。
こうした考え方のもと、予算編成にあたっては、5 つの力・プラス 1 の6つの取り組みを予算の柱と
し、財政状況が厳しい中でも、市民生活重視の施策を確実に推進し、真に必要な市民サービスを
提供していくとともに、綾瀬市の将来の発展に向けた事業に取り組むため、限られた財源を配分い
たしました。
これにより、一般会計当初予算案は、前年度当初予算額に対しまして、2.6%増の 314 億円となって
おります。
また、国民健康保険事業をはじめとする 5 つの特別会計の総額は、前年度と比べ 1.4%増の 209
億 6 千 3 百万円となっております。
全会計の総額では、前年度と比べ 2.1%増の 523 億 6 千 3 百万円となっております。
これより、28 年度に取り組みます主要な事業につきまして、順次御説明申し上げます。
(① 元気の力)
はじめに、「元気の力」でございます。
超高齢社会が到来する中で、いつまでも生き生きとした生活を送るためには、健康が何よりも大
切です。そのため、健康寿命の延伸に向けた取り組みを充実するとともに、超高齢社会に対応した
介護予防や介護サービスの充実などの高齢者施策を推進してまいります。また、若い世代が安心
して働き、結婚・出産・子育ての希望をかなえるための環境づくりに力をいれて取り組んでまいりま
す。
1 点目といたしましては、健康寿命の延伸についてでございます。
市民自らが健康づくりに取り組むための意識づけを行うために、気軽に健康度を測定できる、骨
密度測定器などの 5 つの機器を導入した「健康度見える化コーナー」を活用し、操作教室や相談
会を実施することにより市民への普及を図り、継続的な健康づくりに取り組んでまいります。
また、生活習慣病の重症化予防に関しましては、特定健診で生活習慣病のリスクが高いと診断
された方を対象に、保健師と管理栄養士が合同で訪問し、適切な医療受診や生活習慣の改善に
ついての支援を行い、高齢期になっても生き生きとした生活が送ることができるように意識啓発を図
ってまいります。
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2 点目といたしましては、高齢者福祉についてでございます。
高齢者が健康で、意欲と能力がある限り年齢にかかわりなく働き続けることができる社会の実現
を図るため、シニア就労支援を積極的に行い、地域でのセカンドライフ応援セミナーの開催など、
高齢者の豊かな知識と経験が埋もれることがないように、積極的な社会参加を促してまいります。
また、現在、市内に 3 か所ございます認知症高齢者グループホームが、ほぼ満床状態となって
いることから、4 か所目の整備に向けて、同施設の開設者に対して、整備費及び開設準備経費を
助成し、増加する認知症高齢者への介護サービス提供体制を充実させるとともに、介護する家族
の負担軽減を図ってまいります。
さらに、ひとり暮らし高齢者の安心・安全な暮らしを支援するため、民生委員・児童委員によるひ
とり暮らし高齢者へのふれあい手帳や救急医療情報キット配付に加え、緊急連絡先などの情報を
市に登録することで、安否確認や緊急対応時に消防や関係部署で登録情報を活用し、対応してま
いります。
3 点目といたしましては、地域医療体制の整備についてでございます。
市内の透析患者の利便性の向上や災害時の応急対応策を確保するため、これまで人工透析医
療機関の誘致を進めてきたところでございますが、この度、28 年 10 月に市内で開設されることにな
り、透析患者、そして私たち行政にとっても、その念願がかなうことになりました。そのため、人工透
析医療機関の設備導入に係る費用の一部を助成し、市内の透祈患者の方々が身近で安定的か
つ継続的に、必要な医療サービスの提供を受けることができる体制を整備してまいります。
4 点目といたしましては、子育て環境の向上についてでございます。
人口減少社会に対応していくためには、結婚や出産、子育てといった若い世代の希望をかなえ
られるような環境づくりが重要となっております。
結婚に対する意識啓発や婚活への支援として、若い世代の男女を対象としたコミュニケーション
力向上のためのセミナーの開催や、出会いの場づくり等に取り組んでまいります。
また、昨年実施した市民意識調査の結果からも、出産や子育てに関しましては、経済的負担が
大きな課題となっております。
そのため、多子世帯を対象として、子どもを産み育てることへの経済的不安を軽減するために、
第 2 子以降に対する紙おむつの支給を行ってまいります。
さらに、子育てと仕事の両立を支援する取り組みといたしましては、公立保育所の入所定員を拡
大するとともに、平成 28 年度に吉岡地区と大上地区で保育所 2 園が新設されることや、早川地区
での保育所定員の拡大に加えて、上土棚地区に新設を予定している民間保育所に対する施設整
備費用の一部を助成することで、入所定員枠を 150 人程度拡大し、待機児童の解消に努めてまい
ります。
また、放課後児童クラブ対策事業につきましては、28 年 4 月から綾瀬小放課後児童クラブ、なが
ぐつ放課後児童クラブを公設により開設し、放課後児童の健全育成を推進してまいります。
さらに、落合小学校区におきましても、29 年度の開設を目指し、新たな公設による放課後児童ク
ラブの整備を進めるとともに、土棚小学校区への設置に向けた設計にも着手してまいります。
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なお、既存民設クラブを利用している保護者の費用負担を軽減するため、低所得世帯に対する補
助の拡充を図ってまいります。
このほか、本市でも課題となっております子どもの貧困対策の推進といたしましては、生活保護
受給世帯を含めた生活困窮世帯の中学生の学習支援事業を行うとともに、ひとり親家庭の自立や
生活の安定を図るために、高等学校卒業程度認定試験の合格を目指す講座の受講費用の一部
を助成いたします。
5 点目といたしましては、障がい福祉についてでございます。
綾瀬市障がい者福祉計画では、早期療育体制の整備を基本目標に掲げており、障がい児への
早期における治療や療育・訓練を行うことは、障がいの軽減と重度化を防止するうえで大変重要と
考えております。
一人ひとりの状況にあった療育を進めるにあたり、もみの木園の職員を対象に、民間事業所の
講師を招いて療育専門研修を行い、療育体制の充実を図ってまいります。
6 点目といたしまして、(仮称)保健福祉センターの整備についてでございます。
(仮称)保健福祉センターは、現行の保健医療センターをはじめとして、市内 3 か所目となる子育
て支援センターや、地域包括ケアシステムを推進するための基幹型地域包括支援センターと在宅
療養相談室、そして休日・夜間における救急医療など、福祉・介護・保健。医療に関する複数の機
能を配置した総合的な拠点施設として整備してまいります。
(② 産業の力)
次に、「産業の力」でございます。
経済のグローバル化の進展による競争の激化、地域経済の縮小や労働力人口の減少といた
様々な懸念要因があるなか、本市の持続可能性の確保に向けて、地域経済での好循環モデルの
構築が求められています。そのため、地域産業の競争力強化や販路拡大に向けた取り組みに力
を入れるとともに、着地型観光の創出により交流人口の拡大を図ってまいります。
1 点目といたしましては、地域産業の競争力強化についてでございます。
市内中小企業の経営基盤の安定化を図るため、生産設備導入経費の助成制度を拡充し、市内
中小企業の生産能力の増強と競争力を高め、増収益を目指してまいります。
また、企業が行う一般消費者向け新商品開発のコンサルティングや、工業データベース登録企
業の受発注機会の創出を商工会と連携して実施し、市内企業の持つ「ものづくり技術」を活かした
販路拡大を図ってまいります。
一方、稼ぐ農業の推進に向けましては、販売促進活動によるブランド化の促進に力を注ぎますと
ともに、新規就農者の着実な確保と次世代の担い手の定着を目指して、就農希望者に対しまして、
経営状態が不安定な時期である就農直後の営農所得などヘの支援を行ってまいります。
これらの事業を進めることにより、稼ぐ力を持つ産業と仕事の創出を図ってまいります。
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2 点目といたしましては、着地型観光の創出と商業の活性化についてでございます。
本市の歴史、グルメ、ロケ地、イベントなどの固有資源を積極的に活かした観光誘客事業を促進
する組織となる「(仮称)綾瀬市観光まちづくり組織」の設立に向け、準備委員会を設置し、その運営
に対して支援してまいります。
また、ロケ誘致とグルメ開発といたしましては、地元農畜産物を活用した「(仮称)あやせぶたメン
チ」を商品化し、販売を開始するとともに「ロケ地とグルメマップ」の作成や、情報誌を活用した情報
発信を積極的に行うことで、ロケとグルメによるロケツーリズムにつなげ、交流人口を増加させ、市内
消費の拡大を図ってまいります。
なお、緑化フェアと同時開催いたします、「光・食・文化の祭典~アヤセベースサイドフェスティバ
ル~」に関しましては、綾瀬らしい商品を開発した飲食店のブースエリアを設置し、食の充実などを
図り、さらなる市外からの来訪者を獲得するためのイベントとして引き続き支援してまいります。
さらに、農業者自らが、来園者に対して作付けから収穫までの一連の農業体験を指導する体験
型農園を開設することにより、本市農業を活用した市外からの誘客促進を図ってまいります。
このほか、本市の魅力をより多くの方々に知ってもらうことを目的に、本市の活性化を応援する意
向のある市外にお住いの方々を対象に、「綾瀬市活性化応援寄附金制度」を創設して寄附金を募
り、返礼品として市内の優れた特産品等を贈呈することで、本市へのファン獲得と、都市としての知
名度向上を図るとともに、名産品や地場産物等の全国的な販路の拡大のきっかけづくりや、ブラン
ドカのさらなる向上などに繋げてまいりたいと考えております。
3 点目といたしましては、インターチェンジの設置についてでございます。
(仮称)綾瀬スマートインターチェンジは、まちづくりの基軸として市の重点プロジェクトに位置付け、
29 年度末までの開通を目指し、神奈川県、ネクスコ中日本とともに事業を実施しております。
事業用地の取得は、事業の進捗に大きく影響を与える大変重要な業務であることから、28 年度
中に全ての関係権利者様の御理解を得て、用地取得の契約ができるよう努めてまいります。また、
市が実施いたします周辺道路等の関連事業についても、引き続き推進してまいります。
さらに、インターチェンジの交通ポテンシャルを有効活用した工業系新市街地を創出することで、
さらなる企業誘致の推進による雇用創出と税収確保を図ってまいります。
そのためにも、第 7 回線引き見直しにおいて一般保留区域を設定するとともに、土地区画整理
組合設立準備会が設置され、事業区域の設定や土地利用計画、権利者の合意形成などが整った
時点で、市街化区域編入などの法定手続きを進めてまいります。
(③ 教育文化の力)
次に、「教育文化の力」でございます。
綾瀬市教育大綱の基本理念である「生きる力を身に付ける」を基に、目標とした「自ら学び自ら行
動する人づくり」の実現に向けて、児童・生徒が良好な環境で学ぶことができるよう教育環境の整備
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に取り組むとともに、市民が生きがいと誇りを持って人生を歩むことができるまちづくりを進めるため、
生涯学習施策を推進してまいります。
1 点目といたしましては、学校教育についてでございます。
本市では、確かな学力向上を図るため、小学校 3 年生での少人数学級の実施や、高学年での
算数の少人数指導を実施し、基礎基本の定着を図っております。
さらに、中学校に進学した際には、理解に個人差が大きくなる数学と英語において少人数指導
を実施することで、きめ細かい丁寧な指導をとおして、学力向上を支援してまいります
また、放課後に自主的な学習を行う生徒へ学習室を開放し、個々の課題に対応した学習支援も
新たに行ってまいります。
このほか、児童・生徒の情報機器活用能力の向上を図るため、情報機器の環境整備を行い、情
報教育を推進するとともに、教員の多忙化の解消を図るため、成績処理などを効率的に行えるシス
テムの導入に向け、検討を進めてまいります。
また、児童・生徒の確かな学力や豊かな心の育成に大きな役割を果たす学校図書館につきまし
ては、27 年度に小学校 1 校をモデル校として学校司書を配置いたしました。28 年度には、小学校
全校に加えて、新たに中学校 1 校に学校司書を配置し、学校図書館の利用及び図書貸出の推進
をしてまいりますとともに、利用しやすい学校図書館づくりを目指してまいります。
2 点目といたしましては、家庭教育の推進についてでございます。
子どもが基本的な生活習慣や生活能力、豊かな情操や他人に対する思いやり、社会的なマナ
ーなどを身につけていくためには、家庭教育は重要な役割を果たすものと考えております。毎月ゼ
ロのつく日には、テレビやゲームをひと休みして、読書や家族と会話しふれあう時間を過ごすことが
できるよう、「あやせゼロの日運動」の推進を図るとともに、28 年度からは、幼稚園や保育園に貸出
用絵本を配付し、園と家庭内での絵本の読み聞かせによる読書習慣の定着化を一体的に進めて
まいります。
3 点目といたしましては、生涯学習の推進についてでございます。
本市初の国指定史跡として公園整備を進めている神崎遺跡につきましては、弥生時代を体感で
きるガイダンス施設として、神崎遺跡資料館を 5 月に開館いたします。
館内には「環濠」と呼ばれる遺跡の周囲を巡る深い溝の実物大模型を展示するとともに、まが玉
教室等の体験教室を開催してまいります。
今後は、本市の新たな郷土愛を育む場として活用するとともに、市内外から人を呼び込む魅力
ある施設として、多くの皆様が来館されることを期待しております。
また、文化芸術振興に関しましては、「市民ホールコンサート」や「あやせ文化芸術祭」の開催の
ほか、公民館講座で学んだ小・中・高校生が、文化会館事業に出演する市民参加型事業を行い、
文化芸術の素晴らしさを体験する機会を提供してまいります。
スポ‐ツの振興につきましては、それぞれのライフスタイルに応じたスポーツが実践できるよう、歩
き方を学びながら綾瀬の文化財を巡るウォーキング教室等を開催するほか、市民スポーツセンター
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や綾瀬スポーツ公園内レストハウスにスポーツや健康に関する図書コーナーを設置するなど、健康
寿命の延伸に向け、運動の習慣化を図る取り組みを推進してまいります。
(④ 環境の力)
次に、「環境の力」でございます。
本市の豊かな自然を享受し、人と自然がふれあう自然共生社会と地球温暖化対策が進んだ低
炭素社会の構築に向けて、二酸化炭素排出量削減の取り組みを進めるとともに、緑地保全や公園
の整備・改修のほか、ごみの減量化にも引き続き取り組んでまいります。
1 点目といたしましては、地球温暖化対策の推進についてでございます。
昨年開催された COP21 では、地球温暖化防止の新たな枠組みとなるパリ協定が締結されました。
本市:におきましては、太陽光発電設備設置補助の共同住宅や事業所への拡大をはじめ、防犯灯
や小中学校の体育館などの照明灯を LED 化するなど、低炭素社会の構築に取り組んでおります。
さらに、道路照明灯の LED 化を進めるとともに、綾南小学校の屋上のほか、整備を進めております
(仮称)保健福祉センターに太陽光発電設備を設置し、地球温暖化対策を推進してまいります。
2 点日といたしましては、緑地保全や公園の整備・改修についてでございます。
緑のネットワークの拠点公園である蟹ヶ谷公園につきましては、桜の名所とすべく、河津桜や陽
光桜の植栽を計画的に進めております。さらに、6,500 株のシバザクラを植栽し、早春から初夏にか
けて様々な花が咲きます蟹ヶ谷公園で、憩いのひと時を楽しんでいただければと考えております。
また、現在用地買収を進めております(仮称)目久尻川親水公園でございますが、整備に向けて
具体的な施設の検討など詳細な設計を行い、一日も早く市民の皆様に御利用いただけますよう取
り組んでまいります。
3 点日といたしましては、ごみの減量化についてでございます。
「大量消費大量廃棄」型の社会から脱却し、限られた資源の有効利用を図るため、再生できない
本製家具類を新たな固形燃料としてリサイクルする事業に取り組み、ごみの減量化・資源化を推進
してまいります。
また、市民の皆様の御協力により、一般家庭から排出される可燃ごみの排出量は、僅かながらも
減少傾向にありますが、依然として資源物となる物が含まれているという現状もございます。そのた
め、「資源とごみの分け方。出し方ガイドブック」をより分かりやすく改訂し、各家庭に配布して資源
化への御理解と御協力を求めてまいります。
(⑤ 安全安心の力)
次に、「安全安心の力」でございます。
昨年は、茨城、栃本、宮城の 3 県で台風 18 号の影響により河川の堤防が決壊し、大規模な被害
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がもたらされたことをはじめ、各地で自然災害が相次ぎました。本市としても、引き続き総合的な防
災対策の強化を図るとともに、防災行政用無線のデジタル化更新をはじめとした災害情報等の提
供手段の充実に努めてまいります。このほか、長年の課題である基地対策に継続して取り組んでま
いります。
1 点目といたしましては、防災対策についてでございます。
同報系防災行政用無線に係るデジタル化整備は 28 年度で完了することから、引き続き新たな希
望者に個別受信機の無償貸与を行うなど、減災対策に取り組んでまいります。
大規模地震による甚大な人的・物的被害が懸念されるなかでは、緊急輸送道路が震災時にお
いてもその機能が確保できるよう、通行障害を引き起こす恐れのある沿道建築物の耐震化を促進
するための調査や助成をすることで、震災時における円滑な避難、救急・消防活動の実施や、避
難者への緊急物資の輸送等を行えるようにしてまいります。
このほか、自助・共助の防災まちづくりの一環として、大規模地震時における電気火災の抑制を
図るため、現在、防災まちづくり活動を行っている寺尾地区・大上地区に対して、簡易型の感震ブ
レーカーの設置に対する助成を行ってまいります。
なお、新たに東名高速道路に架かります蓼川橋の修繕を実施するほか、引き続き緊急輸送道路
に架かる武者寄橋と瀬端橋の耐震補強工事や、緊急輸送道路の路面下空洞調査等の道路ストッ
ク点検を実施することで、安全安心の確保に努めてまいります。
さらに、26 年 10 月に発生した吉岡地区のがけ崩れにつきましては、県と連携を図り取組みをして
いるところでありますが、28 年度は県が行います急傾斜地崩壊危険区域の指定及び崩壊対策工
事のための調査設計への費用負担を行ってまいります。
また、25 年度から、小園地区、落合地区及び蓼川地区の浸水対策を進めてまいりましたが、小
園地区につきましては、27 年度に着手しましたバイパス管工事の 29 年度完成を目指しておりま
す。
落合地区につきましては 28 年度から遊水地整備事業に着手し、蓼川地区につきましても浸水
対策事業に引き続き取り組み、災害に強いまちづくりを進めてまいります。
さらに、浸水対策事業は多額の費用と時間が必要であり、浸水被害家屋の早期解消を図るため、
市民が行う止水板の設置等に対する助成をしてまいります。
2 点日といたしましては、交通安全対策についてでございます。
通学路の安全性を高めるため、経年劣化により薄くなったグリーン塗装の再塗装を計画的に進
めてまいります。
また、自転車運転者の交通ルールの徹底やマナー向上を促すため、自転車の進行方向等の表
示を設置してまいります。
3 点日といたしましては、基地対策についてでございます。
厚本基地の存在は、まちづくりの阻害要因となるだけでなく、航空機騒音や墜落の不安など、市
民の日常生活に大きな影響を与えております。
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特に、航空機騒音に関しては、これまでの四次にわたる厚本基地騒音訴訟判決でも、違法な状
態であるとされており、長年にわたりこの騒音被害を受けている市民の皆様にとっては、空母艦載
機の移駐は悲願であります。国では、29 年頃までの移駐を進めておりますが、1 日でも早い実現と
ともに、移駐後の基地運用の明確化に向け、市議会をはじめ、市基地対策協議会や県及び基地
周辺自治体と連携を図りながら、国へ働き掛けてまいります。
さらに、27 年度から実施しているテレビジョン共同受信施設の民間移行につきましても、継続的
に実施しながら、良好な視聴環境の確保を図ってまいります。
(⑥ プラス 1 の力)
最後に、「プラス 1 の力」でございます。
これまで御説明いたしました 5 つの力に加え、プラス 1 の力として「行政改革・市民協働」に継続
して取り組むことで、人口減少社会においても持続可能な都市であり続ける、強固な綾瀬市をつく
る経営戦略に取り組んでまいります。
1 点目といたしましては、行政改革についてでございます。
公共施設の更新問題につきましては、27 年度に策定いたします「公共施設マネジメント基本方
針」に基づき、「綾瀬市公共施設適正配置計画」、「第 1 期アクションプラン」の策定に取り組んでま
いります。
これらの計画により、施設の機能集約と複合化による市民の利便性や施設利用率の向上を図り
ながら、施設総量の削減を実現し、将来負担の軽減を図ってまいります。
地方公会計については、統一的な基準による新しい公会計制度の導入が求められており、資産
や負債、コスト情報の見える化を進め、財政状況を市民に分かりやすく公表するとともに、財政の効
率化・適正化を目指してまいります。
特に、公共下水道事業については、総務省による地方公営企業法の適用の要請により、32 年
度の予算・決算から地方公営企業法に基づいた会計基準へ移行するための準備を行ってまいりま
す。
これにより、経営状況の明確化及び使用料の適正化など、経営基盤を強化してまいります。
2 点目といたしましては、協働についてでございます。
真に豊かで魅力と活力あふれる地域社会を実現するためには、多様な主体が地域の課題を担
い、問題解決に向けた取り組みを進めていくことが重要であります。
このため、市民と行政が協力・補完し合って地域課題を解決する市民協働事業に積極的に取り
組み、市民協働によるまちづくりを推進いたします。
(おわりに)
以上、28 年度の市政を進めるにあたり、予算の概要及び主要な事業について申し上げました。
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我が国は、世界に類を見ないスピードで少子高齢化が進み人目減少社会を迎えています。この状
況は、明治維新や先の大戦の終戦に匹敵する程の大きな社会変化であるとも言われています。
私は、27 年度施政方針におきまして、人口減少・超高齢社会・地域経済縮小といった社会変化
へ対応していくため、将来を見据えた長期的視野による、本市の実情に合わせた具体的な戦略を
構築していくことを申し上げました。
この度、策定した「綾瀬市まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、人口減少社会において予測さ
れるさまざまなリスクに対応し、将来の世代が希望の持てる持続可能な都市とするため、政策課題
を明らかにし、その対策となる基本目標と戦略目標を設定しております。
また、市民の皆様に最も身近な存在である基礎自治体として、今やらなくてはならないものは、
時期を逃さず積極的に実施するとともに、市民の皆様のニーズに柔軟に対応していくことも必要で
す。
私は市長就任にあたり、「誠実奉仕」を座右の銘とし、真剣な心で市民のために尽くし働こうと決
意をいたしました。
吉田松陰に大きな影響を与えた名言に「至誠にして動かぎる者は、未だこれ有らざるなり」という
孟子の言葉がございます。まさにこの言葉のとおり、「誠の心を尽くせば人は必ず動かされる」との
思いで、市民の皆様や職員に接し市政を運営してまいりました。
市長在任 3 期の間、取り組んでまいりました事業につきましては、議員各位、市民の皆様の御協
力、御理解により順調に成し遂げることができております。
しかしながら、諸般の事情により実現に至っていない事業も残っております。
地方自治体を取り巻く環境は、大変厳しいものがございますが、28 年度におきましても初心を忘
れることなく、本市が目指します将来都市像の実現に向けて職務に邁進してまいりますので、議員
各位をはじめ市民の皆様の御理解、御協力を重ねてお願い申し上げまして、私の施政方針といた
します。
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