早稲田大学 法学部 1/4 <総括> <本文分析> <大問分析

国語(古文)
早稲田大学 法学部 1/4
<総括>
出題数
現代文2題・古文1題・漢文1題
試験時間
90分
古文の学力を広範囲にわたって問うオーソドックスな出題であった。
例年、古文の問題の中に漢文の設問が設けられていたが、本年は漢文の独立問題が別に出題されたことで、漢
文の設問はなかった。また、昨年までは記述式の設問が一つ出題されていたが、本年はすべてマーク式の設問
となった。
<本文分析>
大問番号
一
出
典
(作者)
『源氏物語』真木柱
頻出度合
・的中等
頻出出典。この箇所も他大学で出題されたことがある。
分
量
前年比較
分量(減少・変化なし・増加) 約1270字 前年より約390字増
難
易
前年比較
難易(易化・変化なし・難化)
<大問分析>
大問
一
ジャンル
設問
設問形式
難易度
物語
問一ノ一
問一ノ二
問一ノ三
問一ノ四
問一ノ五
問一ノ六
問一ノ七
問一ノ八
マーク
マーク
マーク
マーク
マーク
マーク
マーク
マーク
標準
標準
やや易
標準
標準
やや易
難
やや難
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
文の解釈(重要単語の意味を押さえる)
。
会話主の判定。
語句の空欄補充(
「きこゆる」の活用形に注意)
。
文の解釈(
「だに」に注目)
。
主語判定(適切な組み合わせを選ぶ)
。
敬意の対象(謙譲語「きこえ」
)
。
語句の空欄補充。
内容合致。
※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断
しています。
<学習対策>
古文の読解に必要な単語・文法・古文常識などをマスターし、文章を丁寧に読み進めていく力を養成しておく
こと。
© 河合塾
2016 年
国語(漢文)
<総括>
早稲田大学 法学部 2/4
出題数
現代文2題・古文1題・漢文1題
試験時間
90分
例年は、古文の問題の中に一設問という形であったが、今年度は漢文が独立して出題された。
昨年度は、漢詩の出題であったが、今年度は文章の出題であった。今年度も昨年同様マーク式のみであった。
<本文分析>
大問番号
二
出
典
(作者)
『論語集註』 [
『論語』微子篇第十八]
頻出度合
・的中等
『論語集註』は、稀。
但し、
『論語』微子篇第十八の当該箇所は、しばしば出題されている。
分
量
前年比較
分量(減少・変化なし・増加) 145字 前年より約89字増
難
易
前年比較
難易(易化・変化なし・難化)
<大問分析>
大問
二
ジャンル
思想
設問
問二ノ一
問二ノ二
問二ノ三
問二ノ四
問二ノ五
設問形式
難易度
マーク
マーク
マーク
マーク
マーク
標準
やや難
標準
やや難
やや難
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
理由説明。
「津」の意味がポイント。
語の意味。多義語「而」
「女」の意味がポイント。
書き下し文。反語形と比較形がポイント。
語の概念。論旨の展開を的確に押さえる。
語の用法。多義語「与」の意味がポイント。
※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断
しています。
<学習対策>
漢文は独立した形式として出題される可能性が高いので、漢文の基本構造をしっかり理解し、重要単語や基本
句形、漢詩の学習を怠らず、確実な読解力を養成すること。また、白文に対する十分な準備をしておくこと。
文学史、思想史の学習も怠らないようにしたい。
© 河合塾
2016 年
国語(現代文)
<総括>
早稲田大学 法学部 3/4
出題数
現代文2題・古文1題・漢文1題
試験時間
90分
昨年まで五年連続で一三〇字の記述問題が出題されたが、今年は一八〇字の記述問題が出題された。現代の
社会や文化が直面している問題を扱う評論が出題される傾向は例年通り。消費社会と暴力の関係を論じた文
章と、人間の認識活動や社会の仕組みについて論じた哲学的文章が出題された。傍線部説明の選択肢問題を
中心に据えた設問形態に変化はない。
<本文分析>
大問番号
三
四
出
典
(作者)
荻野昌弘『開発空間の暴力』
(新曜社 2012 貫成人『哲学で何をするのか』
(筑摩選書 2012
年刊)の第6章「消費社会と暴力」の一節。 年刊)第五章〈現実の哲学〉の一節。
頻出度合
・的中等
この著者の文章は、
入試ではあまり見かけな
い。
この著者の文章は、入試ではときどき見かける。
分
量
前年比較
分量(減少・変化なし・増加)
約4500字 昨年より1100字増
分量(減少・変化なし・増加)
約3200字 昨年とほぼ同じ
難
易
前年比較
難易(易化・変化なし・難化)
難易(易化・変化なし・難化)
© 河合塾
2016 年
国語(現代文)
早稲田大学 法学部 4/4
<大問分析>
大
問
三
ジャン
設問
ル
社会論 問三ノ一
問三ノ二
問三ノ三
設問形
式
マーク
記述
マーク
難易度
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
標準
易
標準
傍線部内容説明。生産にかかわらないことがポイント。
漢字の書き取り。
空欄補充。前段落以降に書かれている「かわいい」の効果を押
さえる。イがやや紛らわしい。
問三ノ四 マーク やや易 傍線部内容説明。傍線部を丁寧に言い換えた選択肢を選ぶ。
問三ノ五 マーク やや難 傍線部内容説明。本文に直接書かれていないので、
「記号」に
ついての知識が必要。
問三ノ六 マーク やや難 傍線部内容説明。
直後の一文に注目。
ウがやや紛らわしいが
「生
きる自己を再確認している」という点が不適。
問三ノ七 マーク 標準
空欄補充。傍線部B前後の内容がポイント。
問三ノ八 マーク 標準
傍線部内容説明。
「死を感じさせない」消費空間の特質と、
「生
物と無生物の区別」の曖昧化を押さえている選択肢を選ぶ。
四 思想論 問四ノ一 マーク やや難 傍線部内容説明。本文冒頭から傍線部の次の段落までの趣旨を
丁寧に読み取る。各選択肢の違いがわかりにくく、特にイやエ
と紛らわしい。
問四ノ二 マーク やや難 傍線部内容説明。傍線部の前の段落からの趣旨を丁寧に読み取
る。イが紛らわしいが「譲歩しあい」が不適。
問四ノ三 マーク 標準
傍線部内容説明。直後の文脈との対応がポイント。消去法で正
解は決まる。
問四ノ四 マーク 標準
傍線部理由説明。直後の小坂井の引用部に即して〈社会の変化〉
に至るものを選ぶ。選択肢を見て、理由説明問題であることに
注意しよう。
問四ノ五 マーク やや難 傍線部内容説明。前後の文脈から、物事の「自己形成」が多様
性を介して「流動的」に変化することがポイント。原文の別の
個所を読むと、オと紛らわしいが、この文脈ではイの方が妥当。
問四ノ六 記述
やや難 傍線部趣旨説明(一八〇字)
。自分で具体例を挙げつつ、
「筆者
の考えに即し」
、
「異質なもの」の存在が「システム」を「維持
可能とする」筋道を説明する。解答例は1が学問、2が芸術、
3が社会の例を用いたものである。
※ 難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判
断しています。
<学習対策>
・難しめの評論文(特に現代の文化や社会の問題を扱った評論)の問題練習を通じて、本文全体の構造や趣旨
を見きわめる力を養うこと。
・法学部の過去問に取り組んで傾向になじんでおくこと。
・100~180字の多様な記述問題(本文要約・傍線部説明・作文)に取り組むこと。設問の条件に応じて
柔軟に対処できる記述力が要求されている。
© 河合塾
2016 年