最近の経済動向と デフレ脱却に向けた進捗

資料2
最近の経済動向と
デフレ脱却に向けた進捗
平成28年2月18日
内閣府
最近の日本及び世界の経済動向
名目・実質GDPの推移
(兆円)
540
中国:企業債務及び工業企業収益
(対GDP比、%)
170
実質GDP
2015年10-12月期:527.4兆円
530
510
500
20
15
10
名目GDP
2015年10-12月期:499.4兆円
2015年10-12月期(前期比)
実質:▲0.4%
名目:▲0.3%
工業企業収益
(目盛右)
企業債務残高GDP比
10.0兆円 160
520
(前年比、%)
25
150
5
0
26.7兆円 140
490
-5
480
-15
460
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
2012
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
13
Ⅲ
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
14
Ⅲ
120
Ⅳ
(D.I.)
-20
Q2
15
2012
13
14
Q4
(期)
(年)
15
(備考)1.BIS、中国国家統計局より作成。
2.企業債務残高は、BIS報告ベース。
3.工業企業収益は、一定規模以上の企業(年間主要業務売上2,000万元以上)。
(備考)内閣府「国民経済計算」により作成。
70
-10
130
470
ドイツ:生産及び輸出
アメリカ:製造業・非製造業の景況指数
115
非製造業
(総合)
1月:53.5
60
(指数、2013年=100)
<輸出額(前月比)>
12月:▲1.6%
110
105
50
100
製造業
(総合)
1月:48.2
40
30
95
90
1
4
7 10 1
2011
4
7 10 1
12
(備考)全米供給管理協会(ISM)より作成。
4
7 10 1
13
4
7 10 1
14
4
7 10 1 (月)
15
16(年)
<鉱工業生産(前月比)>
12月:▲1.3%
1
4
7
2013
10
1
4
7
14
10
1
4
7
15
10 12(月)
(年)
(備考)ドイツ連邦統計局より作成。
1
足下の金融資本市場の動向について
(1)新興国の為替(対ドル)
(3)南欧の10年国債利回り
(15年7月1日=100)
インドネシアルピア
(99.3)
100
5
人民元
(95.0)
ポルトガル
10.9
スペイン
南アフリカランド
(79.2)
90
3
3.5
ドル安
各国通貨高
80
2
1.7
75
ドイツ(参考)
70
ドル高
各国通貨安
7
8
9
10
11
12
イタリア
0.3
1
2015
1.6
1
ロシアルーブル
(74.4)
ブラジルレアル
(79.0)
12
10
インドルピー
(93.0)
85
2
16
(月)
(年)
(備考)ブルームバーグより作成。
0
7
8
9
10
11
12
1
6
4
2
0
(月)
(年)
2
16
2015
8
(備考)ブルームバーグより作成。
(4)商品市況
(2)新興国の株式市場
110
14
ギリシャ
(右目盛)
4
95
65
(%)
(%)
(15年7月1日=100)
110
石炭
南アフリカ
インド
(15年7月1日=100)
鉄鉱石
100
銅
100
96.3
86
90
90
79
80
80
83.4
78.9
株高
77
70
資源価格高
60
70
50
ブラジル
上海総合
株安
60
8
9
10
2015
(備考)ブルームバーグより作成。
11
12
1
2
16
54
資源価格安
40
7
原油
70.7
(月)
(年)
7
8
9
10
2015
(備考)ブルームバーグより作成。
11
12
2
1
16
(月)
(年)
2
デフレ脱却に向けた改善の動き(1)
○デフレ脱却の考え方について
① 「デフレ脱却」とは、「物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがないこと」。
② 「デフレ脱却」の判断に当たっては、足下の物価の状況に加えて、再び後戻りしないという状況を把握するためにも、消費者物
価やGDPデフレーター等の物価の基調や背景(注)を総合的に考慮し慎重に判断する必要がある。
(注)例えば、需給ギャップや賃金コストの動向などを勘案する。
○生鮮食品やエネルギー等を除く消費者物価指数(コアコア)は2013年10月以降、前年比27カ月連続のプラス。足下では1%超
のプラス。
○GDPデフレーターの前年同期比は、8四半期連続でプラス。GDPギャップは、マイナスであるが縮小傾向。単位労働費用
(ユニット・レーバー・コスト)は、前年同期比で、2014年4―6月期以降概ねプラス。
(1)消費者物価指数の動向
2
生鮮食品、石油製品
その他特殊要因を除く総合
(コアコア・連鎖基準)
(%)
(前年同期比、%)
消費者物価(消費税抜き)
(前年比、%)
1
(2)GDPデフレータ-、GDPギャップ、単位労働費用
10
10
単位労働費用(ユニット・レーバー・コスト)
8
総合
6
6
GDPデフレーター
4
0
前年比
12月 総合
:+0.2%
コア(固定基準)
:+0.1%
コアコア(連鎖基準):+1.1%
-1
生鮮食品を除く総合
(コア・固定基準)
-2
1
4
7
2012
10
1
4
8
7
13
10
1
4
7
14
10
1
4
7
2
2
0
0
-2
-2
-4
-4
-6
GDPギャップ(目盛右)
(2015年7-9月期までの数値)
-8
-10
10 12(月)
15
(備考)1.総務省「消費者物価指数」により作成。
2.「生鮮食品、石油製品その他特殊要因を除く総合」(コアコア)は、「生鮮食品を除く総合」(コア)から石油製品
(ガソリン、灯油、プロパンガス)、電気代、都市ガス代、及びその他の公共料金等を除いたもの。
4
(年)
-6
-8
-10
ⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣ
2008
09
10
11
12
13
14
15
(期)
(年)
(備考)1.内閣府「国民経済計算」により作成。
2.GDPデフレーター=名目GDP/実質GDP。国内要因に基づく物価変動を表す。
3.単位労働費用(Unit Labor Cost、ULC)=名目雇用者報酬/実質GDP。生産1単位当たりの賃金コストを表す。
ULCが上昇すると、企業には販売価格を引き上げるインセンティブが働く。
4.GDPギャップは内閣府による試算値。
GDPギャップ=(実際のGDP-潜在GDP)/潜在GDP
3
デフレ脱却に向けた改善の動き(2)
○予想物価上昇率は、最近、上昇率が低下している指標もみ
られるが、おおむね安定的に推移している。
○個人消費は総じてみれば底堅い動きとなっている。
10
(1)予想物価上昇率
(%)
6
(3)最低賃金
(円)
800
12月 生活意識に関するアンケート調査(5年後) 3.6%
1月 消費動向調査(1年後)
2.2%
12月 BEI
0.6%
8
○最低賃金は、3年連続で大幅に引上げ。
○上場企業の経常利益は、2015年10-12月期で前年同期比
1.4%増と改善が続いている。
4
最低賃金
713
2
730
737
749
(円)
764
780
798
BEI
(旧)
生活意識に関するアンケート調査
-2
消費動向調査
17
BEI
(新)
10
2009
(年)
(2)名目個人消費
(兆円)
10
(兆円)
12
340
10
5.6兆円
330
8
民間最終消費支出+保健・介護給付分
2015年10-12月期:333.3兆円
320
310
290
20
2012
Ⅱ
Ⅲ
13
Ⅳ
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
14
Ⅳ
12
13
14
(4)企業収益
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
15
Ⅳ
10
5
0
15 (年度)
(前年比、%)
50
非製造業
40
製造業
30
20
10
280
Ⅰ
全産業前年比
(目盛右、折線)
11
18
4
3.0兆円
Ⅳ
16
6
民間最終消費支出
2015年10-12月期:290.8兆円
300
12
7
15
600
-6
350
25
15
0
-4
35
30
前年度からの引上げ額
(目盛右)
700
40
(期)
(年)
(左上図備考)1.内閣府「消費動向調査」、日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」、ブルームバーグにより作成。
2.「消費動向調査」は消費税の影響を含む。「生活意識に関するアンケート調査」は、消費税の影響を含まない。
3.「消費動向調査」は、訪問留置調査から郵送調査への変更などがあったため、数値の不連続が生じている。破線部(「消費
動向調査」の2012年7月~2013年3月)は、郵送調査による試験調査の参考値。
4.BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)とは、物価連動債と固定クーポンの国債利回りから得られる、市場参加者の期
待インフレ率を示す指標のこと。それぞれの時点で残存期間が最長のもの(BEI(旧)は旧物価連動国債、BEI(新)は新物価
連動国債(残存10年物))を使用。
(左下図備考)1.内閣府「国民経済計算」により作成。
2.個人消費は、民間最終消費支出に政府最終消費支出のうち保健、社会保護(老齢)の現物社会給付等を加えたもの。2015年1-
3月期までは各年度の政府最終所費支出に占める保健等の現物社会給付等の割合を四半期の実績値に乗じて算出。2015年4-6
月期以降は2014年度の割合を使用。
0
2
0
-10
-20
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ (期)
(年)
2011
12
13
14
15
(右上図備考)1.厚生労働省公表資料より作成。
2.最低賃金は、適用労働者数による全国加重平均額。
(右下図備考)1.左図:日経NEEDS Financial Questにより作成。四半期決算を行っている企業を対象に連結ベースで集計
(除く電力・金融、2月12日時点)。
2.製造業のうち、東芝は除いている。
3.回収率は製造業9.9割、非製造業10割程度。
4.対象企業数は約3,000社(製造業が約1,400社、非製造業が約1,600社)。
4
(参考)本年の賃上げに向けた動き
未来投資に向けた官民対話(平成27年11月26日)
 経団連 榊原会長
来年春の交渉に当たっては、昨年(2014年)の政労使会議の取りまとめに則り、経団連としては名目3%成長への道筋も視野
に置きながら、収益が拡大した企業に対して今年を上回る賃金引上げを期待して、前向きな検討を呼びかけてまいる。
 総理発言
産業界から示された方針を高く評価したいと思う。しっかりと実行していただくように期待をしている。
連合・各労組の要求方針
連合「春季生活闘争方針」(抜粋)
経団連等経済団体の動き
経団連「経営労働政策特別委員会報告」(抜粋)
(2015年11月27日発表)
○ 賃金の引き上げについては、それぞれの産業全体の「底上
げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化する観点か
ら2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当
分)を含め4%程度。
一時金については、月例賃金の引き上げにこだわりつつ、
年収確保の観点も含め水準の向上・確保をはかる。
○ 非正規労働者については、公務職場を含め雇用安定化など総
合的な労働条件改善に取り組む。
2%程度を基準とするベースアップを要求
(2016年1月19日発表)
○ 名目GDP3%成長への道筋も視野に置きながら、各社の収益に
見合った積極的な対応が求められる。
収益が拡大した企業において、2015 年を上回る「年収ベース
の賃金引上げ」について、前向きで踏み込んだ検討が望まれる。
月例賃金の制度昇給はもとより、月例賃金の一律的な水準引
上げ(ベア)に限られず、さまざまな選択肢が考えられる。
○ 意欲と能力を有する非正規従業員の賃金引上げや正規従業員
化などの取組の推進の検討が有益である。
昨年を上回る賃上げの前向きな検討を呼掛け
≪主要労組の要求方針≫
≪その他経済団体の動き≫
○基幹労連: 2016・17年2年分でベア8000円を基準。
○自動車総連:月3,000円以上のベア。
○電機連合:月3,000円以上のベア。
○UAゼンセン:ベア2%を基準。
○ 経済同友会・小林代表幹事(1/5記者会見):「企業は積極的に投資や賃上
げなどを行うことによって、経済の好循環を実現していきたい。」
○ 日商・三村会頭(1/5記者会見):「中小企業の業績改善を実現するために、
大企業に対して賃上げや設備投資の拡大を求める。」
春闘関連のスケジュール
【2月~】労使交渉(春闘)
【3/16】大手主要企業一斉回答
【~夏頃】中小企業含め回答
○「1/25・26労使フォーラム」、「1/29経団
連と連合の懇談会」
○自動車、電機、鉄鋼、造船・重機など大
手主要企業が一斉に回答を実施。
○他の企業も3/16以降から(夏にかけ
て)回答見込み。
5