妊娠されている方、妊娠を計画されている方へ 平 成 28 年 2 月 18 日 公益社団法人日本産婦人科医会 会 長 木下 勝之 先天異常部会 常務理事 平原 史樹 「妊婦のジカウイルス感染症(ジカ熱感染)と小頭症の発生のおそれについて」 日本産婦人科医会からの情報提供(2016 年 2 月 14 日改訂版) ■平成 28 年 1 月 21 日、厚生労働省より妊婦のジカウイルス感染症(ジカ熱感染)と小頭 症の関連性についての発表があり、妊婦の流行地(南米、中米‐具体的な国名は下記の HP 情報を参照)への渡航を控えるよう注意喚起が出されました。 なお、2 月に入り、中南米以外にも東南アジアの一部の国が感染地域と認定されています。 ■ジカウイルス感染症(ジカ熱感染)は、同ウイルスに感染した蚊からヒトへ感染し、3- 12 日の潜伏期をもって、軽度の発熱(38.5 度以下の発熱)、頭痛、関節、筋肉痛、斑丘疹 等の症状をもって発症する感染症です。南米、中米等で現在流行しています。頻度や詳細な 関連性はまだ調査中ではあるものの、妊娠中の感染による児の小頭症の発生が疑われてお ります。なお、多くの報告から感染しても、約 80%では症状が認められていないことが報 告されています。 ■現在妊婦、また妊娠を計画している人の感染地域への渡航は可能な限り控えることが望 ましいと考えられます。感染地域への渡航の必要性のある方々には、蚊にさされないような 対策をとるとともに、前述の潜伏期を経たのち疑わしい症状のある場合は、速やかに医療機 関を受診されることをおすすめします。 ■一方、ごく最近の情報からは、ジカウイルス感染症(ジカ熱感染)罹患者の精液、尿など にもウイルスが存在し、精液で検出される可能性は発病後 10 週間にまで及ぶことも報じら れています。妊娠されている方、妊娠を計画している人は罹患者との接触には十分注意され ることをおすすめします。(なお、米国 CDC は性行為においてはコンドームの適正な使用 が感染予防に有効と勧奨しています。 ) ■2016 年 2 月 14 日現在、ジカウイルス感染症(ジカ熱感染)は感染症法(感染症の予防 及び感染症の患者に対する医療に関する法律)に基づく第 4 類感染症に指定され、患者を 診断した医師には保健所への届け出が義務づけられています。 (さらに詳細な情報が得られ次第、情報を追加します) ■参考 1 1 月 21 日付ジカウイルス感染症(ジカ熱感染)に関する情報提供について(厚生労働省) ■参考 2 2 月 16 日付ジカウイルス感染症(ジカ熱感染)に関する情報提供について(厚生労働省)
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