(2016 年 5 月 24 日改訂版 第3版) 妊娠されている方、妊娠を計画されている方へ 平 成 28 年 5 月 24 日 公益社団法人日本産婦人科医会 会 長 木下 勝之 先天異常部会 常務理事 平原 史樹 「妊婦のジカウイルス感染症(ジカ熱感染)と小頭症等の発生について」 日本産婦人科医会からの情報提供 ■ジカウイルス感染症(ジカ熱感染)1): ジカウイルスに感染した蚊からヒトへ感染し、3-12 日の潜伏期をもって、軽度の発 熱(38.5 度以下の発熱) 、頭痛、関節、筋肉痛、斑丘疹等の症状をもって発症する感染 症です。 日本でも媒介する可能性のある蚊は生息していますが、ヒトでの流行に伴って蚊が媒 介する感染症です。現時点では本邦の蚊にはウイルスはいません。 また多くの報告から感染しても、約 80%では症状が認められていないことが報告さ れています。 ■妊婦のジカウイルス感染症(ジカ熱感染)と小頭症: 流行地での報告からジカウイルス感染症による小頭症の発症が確認されております。 (神経画像検査異常―頭蓋石灰化、脳室拡大など―、内反足、関節拘縮等もあわせて報 告されています) なお、母児感染症の起こる頻度、時期等については現在調査研究が行われていますが、 明確な結論は出ておりません。 ■流行地域2)ヘは渡航をお控えください: 現在妊婦、また妊娠を計画している人の感染地域への渡航は可能な限り控えることが望 ましいと考えられます。流行地域2)への渡航の必要性のある方々には、蚊にさされない ような対策をとるとともに、前述の潜伏期を経たのち疑わしい症状のある場合は、速や かに下記の専門の対応医療機関3)を受診されることをおすすめします。 流行地域2: 中米南米カリブ海地域 東南アジア(タイ、ベトナム、フィリッピン) 太平洋諸島、アフリカの一部地域 流行地域の最新情報は 下記ウェブ)をご覧ください ■性行為感染症、および母子感染のリスクに対して4); 下記の各事項が推奨されています ・流行地滞在中は適正なコンドーム使用か性行為を控える ・流行地渡航された方については 男性;帰国後少なくとも 4 週間は性行為時にはコンドームを適正に使用する 女性:帰国後最低 4 週間は妊娠を控える ■2016 年 2 月 14 日よりジカウイルス感染症(ジカ熱感染)は感染症法(感染症の予 防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)に基づく第 4 類感染症に指定され、 患者を診断した医師には保健所への届け出が義務づけられています。 ■参照ウェブ 1)蚊媒介感染症の診療ガイドラインについて(国立感染研究所) 感染症妊婦、胎内感染の疑われる児、新生児への対応が記載されています) http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000Kenkoukyoku/0000115988.pdf 2)ジカウイルス感染症の流行地域(厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000113142.html 3)全国各地にあるジカウイルス感染症専門医療機関一覧 http://www.kansensho.or.jp/mosquito/zika_list.html 4)ジカウイルス感染症のリスクアセスメント第6版 (国立感染研究所) http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/2358-disease-based/sa/zika-fever/6468-zikara-6160513.html (本会からのアナウンス「妊婦のジカウイルス感染症(ジカ熱感染)と小頭症等の発生 について」第2版(2016年4月20日)以降に更新した部分を下線で示しました。 さらに詳細な情報が得られ次第、情報を追加します)
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